参院選期間中、テレビや新聞などで「諸派」というワードを目にした方も多いのではないでしょうか。
「諸派?政党に似たグループのことだろうけど実際のところ説明できるほどは理解できていない‥。」本記事ではそんな方に向けて「諸派」についてわかりやすく解説!
「無所属」との違いもあわせて5分で理解できます。
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諸派とは?政党との違いは?
「諸派」とは一般的に「政党」の要件を満たさない小さな政治団体のことを指し、ミニ政党とも呼ばれます。
公職選挙法では、国会議員5人以上または直近の衆院選か参院選の得票率2%以上のいずれかを満たしていることを「政党の要件」としています。
この要件を満たさない政治団体が「諸派」と呼ばれることが多く、過去にはれいわ新選組やN国党(当時)などがマスコミから「諸派」として扱われてきました。なおこの2団体は、2019年の参院選で政党要件を満たし、国政政党となりました。
「諸派」という用語は主に国政に関する話題の中で使われることの多い報道用語であり、明確な定義はありません。また、「政党」と「諸派」の区分けは曖昧な点もありメディアによって異なることもあります。
2022年参院選の比例代表に届け出た「諸派」
2022年7月夏の参院選で比例代表に届け出たいわゆる「諸派」は「幸福実現党」「ごぼうの党」「参政党」「日本第一党」「新党くにもり」「維新政党・新風」の6団体でした。
この6団体の中では参政党が比例選で1議席を獲得しました。同党は選挙区選、比例選とも得票率が有効投票総数の2%以上となり、公職選挙法や政党助成法の「政党要件」を満たしました。
「諸派党構想」とは
「諸派党構想」はNHK党の立花孝志氏が政策として発表しました。国政政党であるNHK党が中心となり、「諸派」が政党のもとに結集して国政選挙で協力するという構想です。
得票数に応じて政党助成金が支給されるシステムを利用して、「諸派」を含めた各政治団体に公平に政党助成金を分配するというものです。
当初は2025年参議院選挙で構想を具現化しようとしていましたが、政治的な訴えの場を提供したいとして、計画を前倒しして2021年の東京都議会選挙からこれを開始させています。
政党として認められるための「政党要件」
政治団体が政党として認められるためには、公職選挙法上で下記2つの政党要件のうちいずれかを満たす必要があると定められています。
- 国会議員5人以上
- 直近の衆院選か参院選で2%以上得票する
また、この要件を満たした政党は「政治資金規正法」上の政治団体として認められ、政党交付金の交付の対象となります。
選挙で政党の公認を受けない「無所属」
一般的に選挙における「無所属」は、どこの政党からも公認を受けない状態を指します。
対して「諸派」は規模の小さい政治団体であるため、政治団体に所属しない「無所属」とは異なります。
政党などの推薦・支持を受けていても公認がなければ「無所属」です。なお、議会における無所属は、「いずれの会派にも属さない状態」をいいます。
まとめ
本記事では「諸派」の定義について解説しました。以下にまとめます。
- 「諸派」は一般的に「政党要件を満たさない政治団体」のこと
- 2022年参院選では「諸派」6団体が比例代表に届け出た
- 政治団体に所属しない「無所属」とは異なる
- 「諸派」は報道用語で明確な定義がなく、曖昧な点もある
<参考>
JIJI.com 政党・諸派・無所属【選挙ミニ事典】
NHK参院選2022開票速報
Wikipedia NHK党
朝日新聞DIGITAL 政党要件
総務省 なるほど!政治資金
Wikipedia 無所属