日本の政治を理解するには「政党」を理解することが必要不可欠

日本の政治を理解するには「政党」を理解することが必要不可欠

各政党が打ち出す「政策」は、私たちの暮らしに直接関わるため、連日その動向が報道され、注目を浴びています。

日本は政党が内閣を組織する「政党内閣」のため、政党の存在は内閣の任命や法案成立の際に大きな影響力があります。

本記事では政党とはいったい何か、そして政党ができる仕組みや役割について解説します。

政治活動をするには「政党」として認められることが必須

「政党」とは、政治に関して政策や主張が共通する者が集まり、その主張を実現するために結成された「政治団体」の1つです。

政治団体自体は、誰でもいつでも作ることができます。

それは、政治団体が基本的に「任意団体」であるため、登録や認証などの必要がないからです。

しかし、このようにして政治団体を結成しただけでは、事務所を所有したり、銀行口座を開設することはできません。

そこで、具体的に政治活動をする場合は、「政党」として認められる必要があります。

「政党」の条件

政治活動のできる「政党」として認められるためには、まず「国会議員を5人以上」含めた団体であること条件です。

5人以上国会議員が所属していない場合は、国政選挙で2%以上の得票があることが条件になります。

これは簡単に達成できる条件ではないため、「政党」と認められる政治団体は必然的に少なくなります。

この条件を満たし、中央選挙管理委員会に登記することで初めて「政党」へ昇格します。

これは「政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律」、通称「法人格付与法」によって定められています。

こうして「政党」として認められることで「政党交付金」を受給することができ、資金面でも政治団体として活動することが可能になります。

国から付与される政党交付金であれば、不透明な献金などがなく透明性を保ったまま政治活動や選挙が行えます。

国が認めた「政党」という団体に所属していれば、国から「政党交付金」という形で援助を受けることができます。

万一政党に属さない場合は、個人単位で政治活動を行わなければならず、国の援助を受けることも困難になります。

そのため、多くの政治家は政党に所属することを選ぶのです。

政治家が実現したいことや政策への意見はそれぞれ異なるため、結果的に日本には数多くの政党が存在しています。

政党を作り上げることを「結党」といい、政党に加入している人たちを「党員」といいます。

また政党の最高職は「党首」になります。

政党のうち、政権を構成し行政を担当する政党のことを「与党」、担当していない政党を「野党」といい、2021年現在、日本は「自由民主党」と「公明党」を与党とする連立内閣(自公連立政権です。

国民の声の受け皿となる政党​​

政党は国民の意見や利益を国の政治に反映させるために存在し、「実現したい理念」や「達成すべき計画」といった「政策」を実現させることが主な仕事です。

選挙の際には「マニフェスト(政権公約)」という形で、当選した際に実施する政策を訴え、同じ政党に所属する議員をより多く当選させようとします。

私たちは自分の意見に最も近い政権公約を掲げている政党や議員に1票を投じるため、政党は国民の声を政治に反映させるパイプのような役割を果たしているともいえるでしょう。

もし政党が無ければ、間接的であっても国民は内閣任命や法案可決に関わることができず、日本の政治も国民の意思が反映されない一方的なものになります。

与党に求められる役割

与党とは、政権を担う政党です。

また「最も国民の支持を得た政党」であるともいえます。

それは最も多くの国会議員が所属する政党が与党になっているためです。

多数決によって法律を制定することができる国会において、議員の数が多い与党は有利な立場にあります。

また冒頭にお話したように、与党は自分たちの党首を内閣総理大臣に選出することもできます。

また、このような力を持つ立場であるからこそ、与党には慎重かつ丁寧な国会運営をすることが求められます。

野党に求められる役割

野党は、与党が偏りのない政権をおこなっているかをチェックし、時に批判をおこなう役割があります。

与党が暴走した時に、それを止める立場であるともいえます。

与党により提出された法案が良くないと野党が判断すれば、それを可決させず、時に代案を出して与党と議論を戦わせることで、法案がより良くなるよう、修正を促すことも求められます。

国会では与党議員が最も多くの議席を占めており、国民の意見、意志はそこで反映されています。

しかし野党に投票をしていた有権者も必ず存在します。

少数派の意見をすくい上げるためにも、野党の存在意義があるといえるでしょう。

自分たちの未来を任せられる「政党」はどこなのか考えよう

政党は政治と深い関わりがあり、私たちにとって身近な存在でもあります。

これまでしっかり知る機会がなかったという人も、これからの日本の行く末をしっかりと決めるために、政党について理解することがとても大切です。

政党の仕組みや成り立ちを理解したうえで政治に関われば、今までと違う見え方ができるかもしれません。ぜひ政党や選挙などについて、これからも学んでいきましょう。

 

<参考>
会派・政党について:よくある質問:参議院
政党を考えてみよう 新政党のつくりかた(2ページ目)
【政党って何?】公務員も押さえておきたい「政党」の作り方とその歴史
最終閲覧日は記事更新日と同日

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