選挙の開票中継で、政党の議席獲得数に関して
- 3分の2
- 過半数
- 安定定数
などの言葉が使われることがありますが、それぞれどういう意味を持つのか人に説明できますか?
本記事では、衆議院議員選挙での議席獲得数が持つ意味や、政治への影響力について解説しています。
議席獲得数が持つ意味とは?
衆議院議員選挙における議席獲得数とその呼び方と影響力は以下の通りです。
議席数(定数465) | 通称 | 影響力 |
233 | 過半数 | 法案の可決に必要 |
244 | 安定多数 | 全常任委員会で委員の半数を確保し、委員長を独占 |
261 | 絶対安定多数 | 全常任委員会で委員の過半数を確保し、委員長を独占 |
310 | 3分の2 | 参院で否決された法案の再可決や憲法改正の発議に必要 |
それぞれ詳しく解説します。
過半数
衆議院の定数465議席のうち、233以上の議席を獲得すると「過半数」となります。
過半数の議席を獲得した政党は事実上、首相を決められる立場となるので国会において大きな影響力を持ちます。
過去にはどの政党も単独で過半数を得られなかった例もあり、自民党が過半数を割り非自民8党派による細川連立内閣が発足したこともあります。
安定多数
244以上の議席を獲得すると「安定多数」となり、全常任委員会で委員長を出すことができ、野党側と同数の委員を確保できます。
国会は実質的な審議を本会議ではなく各委員会で行うため、各委員の数が法案の可決・否決を左右します。
絶対安定多数
261以上の議席を獲得すると「絶対安定多数」となり、全常任委員会で委員長を出すことができ、委員の過半数を確保できます。
これにより中立的な立場である委員長の判断を考慮せず、自党の議員だけで法案の可決が可能になります。
3分の2
310以上の議席を獲得すると「3分の2」となり、参議院で否決された法案を再可決させることや、自党の議員のみで憲法改正の発議が可能になります。
2021年衆院選の結果
2021年の衆議院議員総選挙では、自民党が「絶対安定多数」となる261議席を獲得しました。
選挙前の276議席から16議席減らしたものの、法案の採決に有利な立場を維持したことになります。
<参考>
「過半数」「絶対安定多数」… 衆院選の議席数 注目ライン【図解】
衆議院選挙「過半数」「3分の2」の意味は? – 日本経済新聞
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