知ればきっと見たくなる!候補者の生の声を全国に届ける政見放送

知ればきっと見たくなる!候補者の生の声を全国に届ける政見放送

みなさんは「政見放送」をご存じですか? 選挙期間中に放送され、候補者が自分の考えを視聴者に伝えるNHKなどで放送される番組です。

無機質な背景で、候補者が淡々としゃべる姿に、取っつきにくい、面白くなさそうと感じる人もいるかもしれません。

しかし、政見放送は国政選挙や知事選挙において、選挙公報や街頭演説と並び、候補者の考えを知るために重要な「選挙活動」の1つです。

この記事では、政見放送の歴史や細かに定められている規定、そして放送過程の裏側までをご紹介します。

政見放送とは

政見放送とは、選挙において立候補者が自分の政見(政治に関する意見)を伝えるためのラジオやテレビ番組を指します。

すべての選挙において政見放送があるわけではなく、衆議院議員選挙・参議院議員選挙及び都道府県知事の選挙においてのみ放映されます。

政見放送の歴史

最初の政見放送は、1946年の第22回衆議院議員総選挙におけるラジオ放送です。
その後、1969年9月にはテレビでの政見放送も解禁されました。

1995年の参議院比例代表選挙からは、手話通訳が導入される政見放送も放映され、耳の不自由な方にも理解しやすいものとなっています。

また最近では、候補者が自ら録画または録音した政見を各放送局に持ち込むことが許可されました。

この映像持ち込みが許可されたことにより、以前よりわかりやすく候補者の政見を視聴者に伝えられるようになっています。

政見放送はどのように録画、放映されているの?

政見放送は、立候補すれば誰でも政見を放送できるわけではなく、候補者届出政党の立候補者だけに許可されています。無所属の立候補者や政党要件を満たしていない政治団体の候補者は、政見放送を実施できません。

また、政見放送を行う権利があったとしても、候補者本人が希望しない場合、政見放送を行わなくても問題ありません。

政見放送の録音、録画の費用は、一定の限度額を超えるまでは、公費(税金)で賄われ、その収録と放映を担っているのは主に日本放送協会(NHK)、および民放局(地方局)です。

しかし、民放局の場合は深夜や早朝など、気軽に視聴しづらい時間に放送されることが多いため、「政見放送はNHKで放送されている」という印象が強いかもしれません。

なお、放送期間は、選挙公示日の2日後から投票日の2日前になります。

「持ち込み方式」でよりわかりやすく

さきほどお伝えしたように、衆議院の小選挙区選挙、および参議院の選挙区選挙の政見放送では「持込みビデオ方式」が採用されています。これは、候補者が自ら撮影した動画を政見放送で使用できるというものです。

この持込みビデオ方式により、音楽や映像、テロップなどを効果的に活用し、アピールすることができるようになりました。現在は多くの候補者がこの方式を採用しており、投票する側も、各政党・候補者の政見を分かりやすく理解することができ、より身近に感じられるようになりました。

もちろん、現在もテレビ局の収録のみで政見放送を録画、録音することも可能です。

この場合、公職選挙法第150条で「録画した政見をそのまま放送しなければならない」と規定されています。そのため「収録」といっても基本的に編集はいっさいおこなわれません。

失敗が許されない現場には、緊張感が漂います。

過去に起きた政見放送のトラブル・ハプニング

政見放送をスタジオで収録する場合、候補者らが演説する内容や発言については、基本的にテレビ局による編集はできません。それゆえ、放送上問題となるハプニングが起こりうる場合もあります。

最近では、2021年の千葉県知事選挙で、制限時間全てを使って公開プロポーズする候補者や、全身白塗りで登場した候補者がいたことが話題となりました。

また2016年の東京都知事選では、候補者の1人が行った政見放送において、NHKによって音声の大部分がカットされた上で放映されるということがありました。

原則編集やカットが行われない政見放送ですが、差別用語や放送禁止用語を発した場合、「公職選挙法第150条の2」(政見放送における品位の保持を定めた規定)に違反するとみなされ、この放送のように内容の一部がカットされる場合もあります。

公共の電波を利用することで、たくさんの人に候補者の政見を伝えられる

政見放送は、テレビやラジオというマスメディアを利用しており、1人でも多くの人に候補者の演説を聞いてもらうことを目的としたものです。

衆議員選挙や参議院選挙、知事選挙など、広い地域を対象とした選挙では、遠方で行われる街頭演説はなかなか聞きに行けなくても、政見放送を視聴することで、家にいながら候補者の政見を知るきっかけになります。

まとめ

政見放送は、誰に1票を投じるかを判断するための有効な手段の1つです。

現在は「持ち込み方式」により、映像や音声、字幕も用いて候補者の政見を伝える方法が浸透してきており、「政見放送」はよりわかりやすく進化しています。

ぜひ、政見放送を気軽に視聴して、自分が誰に投票するかの判断材料の1つに加えてみてください。

 

<参考>
「選挙放送」の解説
参院選・選挙区の政見放送にも手話通訳 バリアフリー進むも候補者によって対応割れる
日本放送協会冊子PDF
政見放送は編集なし、途中でかんだら… NHKの収録スタジオに潜入
政見放送はなぜNHKばかりで放映されているのか?(産経新聞)
参院選の政見放送に「持ち込み動画」が使用可能に。そのメリット・デメリットとは?
千葉県知事選の「奇抜な候補者たち」を振り返る、選挙はこれでいいのか
NHKの政見放送で音声カットの嵐
原則「編集厳禁」の政見放送。差別用語に他人への侮辱…どこまでが許されるのか?
テレビの政見放送とは?

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