選挙運動用の看板と政治活動用の看板の違いとは?サイズや設置場所について解説

選挙運動用の看板と政治活動用の看板の違いとは?サイズや設置場所について解説

選挙事務所や後援会事務所などには候補者の名前が入った看板を設置することができますが、サイズなどの規定はそれぞれ異なります。

本記事では主に地方選挙の候補者が使用できる選挙運動用の看板と政治活動用の看板について、サイズや設置場所の違いなどを解説します。

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政治活動用看板と選挙運動用看板

公職の候補者が使用できる看板には「政治活動用の看板」と「選挙運動用の看板」の2種類があります。それぞれ選挙用品専門店などに依頼して作成するのが一般的です。

選挙運動用の看板には選挙事務所の看板、個人演説会用の看板、選挙カーの看板があります。

政治活動用の看板には、政治活動用事務所の看板などがあります。

政治活動用事務所の立て看板

政治活動用事務所の看板には、「候補者個人の看板」と「後援団体の看板」の2種類があります。

政治活動用看板には顔写真全身写真、名前を掲載することができます。

設置には選挙管理委員会への証票交付申請手続きが必要になりますが、一度設置できれば有効期限内(届け出から4年間)は投票日当日であっても掲示しておくことができます。

設置できる枚数

政治活動用の看板は1つの事務所につき2枚まで設置することができます。

地方選挙の政治活動用事務所に掲示できる立札及び看板の類の枚数制限は、以下のように選挙の種類等によって異なります。

 

選挙の種類

候補者個人

後援団体

合計

証票交付申請先

町村議会議員選挙

4枚

4枚

8枚

町選挙管理委員会

町村長選挙

4枚

4枚

8枚

町選挙管理委員会

市議会議員選挙

6枚

6枚

12枚

市選挙管理委員回

政令指定都市以外の市長選挙

6枚

6枚

12枚

市選挙管理委員回

政令指定都市の市長選挙

10枚

10枚

20枚

市選挙管理委員回

都道府県議会議員選挙

6枚

6枚

12枚

都道府県選挙管理委員会

都道府県知事選挙※

12〜36枚

18〜54枚

30〜90枚

都道府県選挙管理委員会

※都道府県知事選挙の発行枚数は各選挙区によって異なります

 

また、ビルなどのテナントのプレート(銘板)なども看板とみなされるため注意しましょう。

サイズ

政治活動用事務所の看板のサイズと設置場所について解説します。

政治活動用事務所の立て看板は150cm×40cm以内に収める必要があります。看板に足を付ける場合、足の部分も含めてこのサイズに収めなければなりません。縦、横どちらの向きでも設置可能です。

記載内容

政治活動用事務所の看板には、以下のようなものを記載可能です。

  • 顔写真
  • 全身写真
  • 名前
  • キャッチフレーズ

また、候補者個人用の場合は「事務所」、後援団体用は「後援会連絡所」の記載を必ず入れなければなりません。

設置場所

政治活動用事務所の看板は以下のような場所に設置可能です。

  • 後援会事務所
  • 自宅
  • 支援者の自宅や会社

以下のような事務所の実態のない場所には設置できません。

  • 道路端
  • 農地
  • 駐車場

選挙運動用の看板

選挙運動用の看板には、以下のようなものがあります。

  • 選挙事務所用の看板
  • 個人演説会の看板
  • 選挙カーの看板

それぞれのサイズ規定やルールについて解説します。

選挙事務所用の看板

選挙事務所用の看板は、選挙事務所に設置できる看板です。3枚まで設置することができます。

選挙事務所用の看板のサイズと記載内容について解説します。

サイズ

選挙事務所用の看板は350cm×100cm以内に収める必要があります。

縦、横どちらの向きでも設置可能です。

材質は看板のほか懸垂幕やプラカード、のぼりを使用できます。

記載内容

選挙事務所用の看板の記載事項には制限はありませんが、顔と名前を大きく記載するのが一般的です。

看板には「選挙事務所」の記載を必ず入れなければなりません。

個人演説会の看板

公職の候補者が個人演説会を開催する際、会場の外に看板の類を掲示できます。

知事選挙では1会場につき1枚以上の掲示が必要で、その他の地方選挙では通じて2枚までの掲示が可能です。

看板のほか懸垂幕、プラカード、のぼりなども使用できます。

ここからは、個人演説会の看板のサイズと記載内容について解説します。

サイズ

個人演説会の看板は273cm×73cm以内に収める必要があります。

縦、横どちらの向きでも設置可能です。

記載内容

個人演説会の看板の記載内容に制限はありませんが、顔と名前を大きく記載するのが一般的です。

看板には「個人演説会」または「個人演説会場」と記載しましょう。

また、掲示責任者の氏名と住所は必ず記載しなければなりません。

選挙カーの看板

選挙カーには273cm×73cm以内の看板を設置することができます。

記載内容に制限はありませんが、顔と名前を大きく記載するのが一般的です。

また、あんどん型の照明看板は使用できませんが、外部から看板を照らす照明をつけることは認められています。

看板に関する違反例

政治活動用・選挙運動用の看板に関して、サイズや設置場所などに関する規定を守らないと公職選挙法違反に問われる可能性があります。

2022年2月、静岡県警は公職選挙法の規定を超える大きさの政治活動用看板を設置したなどとして、65歳と50歳の三島市議2人を書類送検しました。

設置された看板自体の大きさは規定内だったものの看板下の足が約30cm〜40cmあり、規定サイズを超えているとされました。

静岡地検沼津支部は同月、50歳の市議を不起訴にしました。

まとめ

本記事では選挙運動用と政治活動用の看板について解説しました。いかに内容をまとめます。

  • 公職の候補者が使用する看板には政治活動用と選挙運動用の2種類がある
  • 政治活動用の看板は「候補者個人」と「後援団体」の2種類
  • 政治活動用事務所等に設置できる看板には枚数制限がある
  • 選挙運動用の看板には「選挙事務所用」や「個人演説会用」「選挙カー用」などがある

 

<参考>
政治活動用事務所に掲示する立札 及 び 看 板 の 類 の 制 限 等 に つ い て 
政治看板 大きさ規定超過 静岡県警、容疑で三島2市議書類送検:東京新聞 TOKYO Web 
『地方選挙必勝の手引』松田馨
『こんなときどうする?Q&A選挙運動早わかり 第7次改訂版』全国町村議会議長会編、学陽書房、2022

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