国や地方の選挙を実施するとき、選挙期間中や投票日にアルバイトを募集していることがあります。主に自治体の選挙管理委員会(選管)や、マスコミ、候補者陣営などが短期・単発で募っているケースです。
それぞれ具体的にどのような仕事内容で、時給などの報酬はいくらなのでしょうか。応募方法の他、特別な資格や志望動機が必要なのか、服装や禁止事項など注意点があるのかも気になるところです。
2022年7月には参院選が実施されます。この機会に選挙のバイトを経験してみても良いかもしれません。
選挙のアルバイトとは?
国政選挙や地方選挙が近づくと、選挙に関する仕事をするバイトが募集されます。仕事内容は多様ですが、いずれも1有権者として投票するだけでは経験できない、貴重な仕事体験ができる機会です。
実際に仕事への応募を検討する際は、業務内容・条件・契約形態・報酬など、募集主体の情報を必ずよく確認してください。
また、記事内では「バイト」と表現している業務でも、アルバイト契約以外の雇用形態で行われている場合もあります。
誰が募集している?
バイトの募集は、自治体の選管・報道機関・候補者陣営などがそれぞれ実施しているケースが一般的です。ほとんどが選挙期間中や投票日の短期・単発での募集となっています。
志望動機や服装は?
選挙に関するバイトは、早朝から仕事が始まったり、拘束時間が長かったりすることもあり、「楽して稼げる」とは限りません。しかし、選挙の仕組みや現状に興味を持っていると、より有意義に働けます。
志望動機を聞かれたら、選挙や政治への関心を伝えてみても良いでしょう。
服装の指定は、オフィスカジュアルやスーツなど、仕事内容や雇用先によってさまざまです。特に投票立会人や出口調査では多くの人の目に触れるため、清潔感のあるきちんとした格好が無難だと考えられます。
また、季節によっては会場が寒かったり、屋外での業務があったりすることも考慮し、防寒対策にも注意しましょう。
選挙管理委員会のバイト
自治体の選管が募集しているバイトの仕事内容や待遇について、見ていきます。
投票所の立ち会い・受付や開票作業など
代表的な仕事内容は、以下が挙げられます。
- 投票所や期日前投票所の受付・立ち会い
- 投票締め切り後の開票作業
- 事務局でのデータ入力など
投票に来た有権者の受付などをする業務は、投票日の他、期日前投票でも募集していることがあります。最近は大型ショッピングセンターなどに期日前投票所が設けられることも多く、近所のよく知る施設が職場になることもあるかもしれません。
選挙期日の投票締め切り後、開票作業を行う業務もあります。開票作業の場所は学校やスポーツ施設などに設けられる「開票所」です。有権者数が多かったり、トラブルがあったりすると開票作業は深夜や未明に及ぶこともあります。
時給はいくら?応募方法や口コミも
報酬の目安は時給1200円前後や日給の場合が多いようです(案件・地域による)。
自治体のHPで募っているケースの他、アルバイトサイトでも募集していることがあります。自治体から直接報酬を受け取るパターンや、人材派遣会社など委託企業との契約で働く場合などさまざまです。
18歳以上、通勤可能な範囲に住んでいるなどの応募条件を設けていることもあります。
投票立会人を経験した人の声では、次のようなものがありました。
様々な年代の方が投票に来るなかで、複数の投票方法や、投票所の投票傾向を知ることができ、より選挙に関心を抱いた。
投票者は若い方が少なく、「若者の政治に対する無関心」を肌で感じ取ることができ、非常に有意義な経験となった。
(引用元:東京都足立区「投票立会人募集」)
マスコミの選挙バイト
新聞社やテレビ局などの報道機関が、選挙取材の一環として行う調査でバイトを雇うこともあります。
期日前投票所の出口調査など
マスコミの選挙バイトでの仕事内容は、以下のような例があります。
- 投票所や期日前投票所の出口調査
- 電話での世論調査
選挙前になると、「◯◯社の出口調査結果によると、A党が支持を伸ばしている」などの報道を耳にすることがあるでしょう。マスコミの出口調査や世論調査は、回答した個人が特定されないように集計し、その結果自体が分析記事などのニュースになることもあります。また、選挙速報や票読みのための重要なデータです。
出口調査では投票所の入り口などに待機し、投票を終えた人に報道機関名を伝え、アンケートの協力を依頼します。紙に記入してもらうパターンや、タブレットで入力してもらう方法など、質問内容や方法は各社さまざまです。
勤務時間は投票所の空いている時間帯と、その前後(準備・集計やデータ送信作業・片付けなど)になります。
世論調査の主な仕事は、オフィスから電話を掛ける作業や回答の集計などです。
出口調査は大変?応募方法や口コミ
報道機関の選挙バイトでは、報酬は時給1500円前後、または日給が多いようです。事前の研修や説明会の参加が必要なケースもあります。
報道機関との直接契約や紹介での募集もありますが、委託を受けた人材派遣会社などがバイトサイトで募集していることがほとんどです。
出口調査は、投票所によっては屋外で長時間立って待機しなければならなかったり、回答に否定的な態度を取られたりすることもあります。一方で、地域の投票傾向などを肌で感じ、報道の一端に関わっているという意義を感じられるかもしれません。
候補者陣営のバイト
選挙の立候補者や陣営が、バイトを雇うこともあります。しかし、選挙運動で報酬を支払える対象や金額は公職選挙法で細かく定められているため、注意が必要です。
選挙運動は原則ボランティア
ビラ配りや投票依頼などを行う選挙運動員は、報酬を受け取ると公選法違反となってしまいます。そのため、選挙運動の手伝いはボランティア(無償)が原則です。候補者を支援し選挙運動を手伝いたい場合は、ボランティアとしての参加を検討するのも良いでしょう。
選挙ボランティアについては、こちらの記事を参照してください。
報酬が支払えるのはウグイス嬢や運転手など
公選法で報酬の支払いが認められているのは、以下の業務をする人です。
- 車上運動員(ウグイス嬢・カラスボーイ)、手話通訳者、要約筆記者、事務員
- 選挙カーの運転手
- 労務者
それぞれの報酬日当は上限額が決められており、車上運動員・手話通訳者・要約筆記者は1日につき15000円、事務員は10000円、選挙カーの運転手は公費負担で12500円、労務者は最大15000円までです。
ウグイス嬢はきつい?応募方法や口コミ
選挙運動といえば、選挙カーに乗って候補者の名前などを連呼するウグイス嬢のイメージを抱く人もいるかもしれません。男性の場合はカラスボーイと呼ぶこともあります。
ウグイス嬢として働く方法は、候補者や支援者の紹介で採用される場合や、車上運動員を派遣する会社に登録するケースなどです。バスガイドやイベント司会の経験者、選挙期間中、短期でウグイス嬢のバイトをしていることもあります。
ウグイス嬢の仕事は選挙期間中、集中的に従事することを条件としていることが多いようです。勤務時間や期間が長く、体力が必要な反面、少人数で終日仕事をするため人間関係が深まるという声があります。
ウグイス嬢の仕事については、こちらの記事でも触れています。
まとめ
- 選挙に関するバイトは、自治体の選挙管理委員会・報道機関・候補者陣営などがそれぞれ募集している。
- 選管のバイトは投票所の立会人や開票作業など。
- 報道機関のバイトは出口調査や世論調査など。
- 候補者陣営のバイトはウグイス嬢や選挙事務員など。
<参考>
選挙バイトってどんな仕事? 開票や出口調査、期日前投票など職種や特徴を紹介
https://baito-sagasi.com/2019/06/13/選挙バイトの志望動機は?服装や募集方法・仕事/
投票立会人募集
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https://jp.indeed.com/選挙管理委員会関連の求人
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