会計検査院とは?役割や検査対象・関連ニュースを紹介

会計検査院とは?役割や検査対象・関連ニュースを紹介

「〇〇について、会計検査院が指摘」といったニュースを見かけたことはないでしょうか。

会計検査院は、国や法律で定められた機関の会計を検査し、会計経理が正しく行われるように監督する機関。

不適切な会計を見つけたときは、指摘するだけではなく、原因を究明してその是正や改善を促します。

本記事では会計検査院について、以下のポイントに沿って解説しています。

  • 会計検査院とは
  • 会計検査院の役割
  • 会計検査院の検査の対象
  • 会計検査院関連のニュース

会計検査院とは

会計監査員は、国や法律で定められた機関の会計を検査し、会計経理が正しく行われるように監督する機関です。

国会及び裁判所に属さず、内閣からも独立した機関で、憲法上に規定があります。

会計検査院は、国会及び裁判所に属さず、内閣からも独立した憲法上の機関として、国や法律で定められた機関の会計を検査し、会計経理が正しく行われるように監督する職責を果たしています。

引用元:会計検査院について| 会計検査院 Board of Audit of Japan

日本国憲法第90条に、会計監査員についての規定があります。

第九十条 国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。

② 会計検査院の組織及び権限は、法律でこれを定める。

引用元:日本国憲法 | e-Gov法令検索

また、会計検査院法という法律では、その地位や権限について規定されています。

第1条

会計検査院は、内閣に対し独立の地位を有する。

第20条

会計検査院は、日本国憲法第90条の規定により国の収入支出の決算の検査を行う外、法律に定める会計の検査を行う。

②会計検査院は、常時会計検査を行い、会計経理を監督し、その適正を期し、且つ、是正を図る。

③会計検査院は、正確性、合規性、経済性、効率性及び有効性の観点その他会計検査上必要な観点から検査を行うものとする。

引用元:会計検査院法 | e-Gov法令検索

会計検査院の役割(目的)

会計検査院は、適正な会計経理が行われるよう、以下のような職責を果たしています。

  • 会計経理の監督
  • 決算の確認

会計経理の監督

会計検査院は、会計経理を監督し、その適性を期し、かつ是正を図る事になっています。

不適切または不合理な会計経理等を見つけたときは、指摘するだけではなく、原因を究明してその是正や改善を促します。

不適切又は不合理な会計経理等を発見したときは、単にこれを指摘するだけではなく、原因を究明してその是正や改善を促すという積極的な機能を果たします。

引用元:検査の目的 | 会計検査院について | 会計検査院 Board of Audit of Japan

決算の確認

会計検査院は、検査の結果によって国の収入支出の決算を確認することになっています。

会計検査院が決算の確認をすることによって、内閣は決算を国会に提出できることになっているのです。

内閣は、会計検査院の検査が済んだ決算を国会に提出することになっていますが、会計検査院が決算の確認という公的な意思表明をすることによって、内閣は決算を国会に提出できることになります。

引用元:検査の目的 | 会計検査院について | 会計検査院 Board of Audit of Japan

会計検査院の検査の対象

会計検査院が行う検査の対象は、以下の2種類に分けられます。

  • 必要的検査対象:必ず検査しなければならないもの
  • 選択的検査対象:必要と認めるときに検査することのできるもの

それぞれの具体例を挙げます。

必要的検査対象

必要的検査対象は、以下の通りです。

  • 国の毎月の収入支出
  • 国の所有する現金及び物品並びに国有財産の受払
  • 国の債権の得喪、国債その他の債務の増減
  • 日本銀行が国のために取り扱う現金・貴金属・有価証券の受払
  • 国が資本金の2分の1以上を出資している法人の会計
  • 法律により特に会計検査院の検査に付するものと定められた会計

選択的検査対象

選択的検査対象は、以下の通りです。

  • 国の所有又は保管する有価証券、国の保管する現金及び物品
  • 国以外のものが国のために取り扱う現金・物品・有価証券の受払
  • 国が直接又は間接に補助金などを交付し又は貸付金などの財政援助を与えているものの会計
  • 国が資本金の一部(2分の1未満)を出資しているものの会計
  • 国が資本金を出資したものが更に出資しているものの会計
  • 国が借入金の元金や利子の支払を保証しているものの会計
  • 国又は国の2分の1以上出資法人の工事その他の役務の請負人若しくは業務等の受託者又は物品の納入者のその契約に関する会計

会計検査院関連のニュース

会計検査院はその権限により、検査対象に違反等を指摘することがあります。

ここでは、会計検査院に関連するニュースを紹介します。

住宅ローン「フラット35」契約違反を指摘

住宅金融支援機構の住宅ローン「フラット35」について、会計検査院が調べたところ、融資を受けて住宅を取得した人が必要な届け出をせずに他人に賃貸するなどの契約違反が見つかったニュース。

機構の調査が不十分なケースもあり、検査院は機構に改善を求めました。また、機構は違反者にローンの一括返済を求めるなどの対応を取ったようです。

「石炭鉱害積立金」15億円未使用を指摘

独立行政法人「石油天然ガス・金属鉱物資源機構」が管理する石炭採掘の鉱害賠償積立金について、会計検査院が調べたところ、廃業などで採掘事業者らが権利を放棄した後、長年使われないままになっている積立金が約15億4800万円に上ることが分かりました。

検査院は機構を所管する資源エネルギー庁に国庫返納などの活用を検討するよう意見を出しました。

米子市 国の特別調整交付金4000万円過大受給 返還へ

米子市が平成29年度に結核や精神疾患の医療費の財政負担が多い自治体への国の交付金、およそ4000万円を過大に受け取っていたことが会計検査院の調査で分かりました。

市は今年度、国に返還する方針です。

まとめ

本記事では、会計検査院について解説しました。以下に内容をまとめます。

  • 会計検査院は、国や法律で定められた機関の会計を検査し、会計経理が正しく行われるように監督する機関
  • 会計検査院は国会や裁判所、内閣から独立した機関
  • 会計検査院は、適正な会計経理が行われるよう「会計経理の監督」と「決算の確認」を行う
  • 会計検査院が検査を行う対象は、「必要的検査対象」と「選択的検査対象」に分けられる

 

<参考>
検査の対象 | 会計検査院について | 会計検査院 Board of Audit of Japan
住宅ローン「フラット35」、無届け賃貸・目的外転用など違反56件…会計検査院が指摘 : 読売新聞オンライン
石炭鉱害積立金、15億円未使用 採掘事業者権利放棄、検査院調べ(共同通信) – Yahoo!ニュース
米子市 国の特別調整交付金4000万円過大受給 返還へ|NHK 鳥取県のニュース
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