選挙の三バン(地盤・看板・カバン)とは?三バンを創り上げて当選した事例も紹介

選挙の三バン(地盤・看板・カバン)とは?三バンを創り上げて当選した事例も紹介

「選挙の三バンって何?」
「地盤・看板・カバンそれぞれの意味を知りたい」
「三バンが無くても選挙で勝てる?」

公職選挙で当選するには三バン(地盤・看板・カバン)が必要といわれています。本記事では選挙の三バンの意味や由来、三バンを持っていない状態から自分で三バンを創り上げて当選した事例を紹介します。

選挙の三バンとは

選挙の三バンとは、公職選挙の当選に必要な要素の比喩表現で、それぞれ次のものを表しています。

  • 地盤:組織力
  • 看板:知名度
  • カバン:資金力

組織力や知名度、資金力の大小によって選挙運動が不公平にならないよう、公職選挙法や政治資金規正法等によってさまざまな制限が設けられています。

しかし実際には組織力の大きさや知名度の有無、資金力が選挙結果に与える影響が大きいことから、不公平さを訴える文脈で使われることもあるのが三バンという言葉です。

また、小規模陣営の候補者や無名の新人候補が「三バンを持っていない」ことをアピールして支援者を募るケースもあります。

地盤は組織力

三バンのうち「地盤」は組織力を意味します。固くて一定の範囲にあることが由来とされています。「組織力」の「組織」は主に後援会を指し、組織力があることを「地盤が固い」と表現します。

次のような組織との繋がりや個人の関係があると、後援会を大きくしたり、勝手連のような組織が結成されたりすることがあります。

  • 業界団体
  • 企業
  • 市民団体
  • 労働組合
  • 政党支部
  • 宗教団体
  • 地縁
  • 血縁(親戚)
  • 同級生
  • 同窓会
  • ボランティア団体

など

地盤が固くなければ、知人に働きかけたり、ボランティアなどに参加したりして繋がりを広げていく必要があります。

看板は知名度

三バンのうち「看板」は知名度を意味します。看板が人の注意を引くことが由来とされています。

選挙では知名度の有無も当落に大きな影響があるといわれているため、立候補前から知名度のある、以下のような人は選挙で有利になる可能性があります。

  • 芸能人
  • 文化人
  • スポーツ選手
  • 地元企業の社長
  • 大学教授
  • 地元の医師
  • 多選者

知名度が高くなければ、先述の地盤を固めること(地盤培養行為)や、駅頭でのビラ配り、SNSでの発信などにより、知名度を上げる活動が必要になります。

カバンは資金力

三バンのうち「カバン」は資金力を意味します。由来は札束が入ったカバンのイメージです。

選挙運動には公費負担制度があるものの、立候補には供託金の他、選挙期間外の政治活動費や事務所経費、後援会活動費用など、多額の資金が必要になります。

また、一度当選しても次の選挙で落選すれば収入(議員報酬・歳費)が得られなくなるなどのリスクがあるため、資金力がある人が有利になります。

寄附によって資金を募る場合は、地盤と看板が必要になってくるでしょう。

資金を集めるのが難しければ、資金力に頼らない政治活動・選挙運動戦略を考えて選挙戦を戦うのも1つの方法です。

自分で三バンを向上させて当選した事例

世襲議員は先代の持っている三バンや、三バンの一部を受け継ぐことができるため、選挙において非常に有利といわれています。

しかし、三バンを持っていない無名の新人であっても、次のような活動を通して三バンを向上させることは可能です。

  • 地盤:地域のボランティアに参加して組織力強化
  • 看板:SNSを活用して知名度向上
  • カバン:上記の人たちに寄付を呼びかけ資金力強化

など

ここでは三バンを持っていなかった候補者が、政治活動や選挙運動を通して三バンを向上させ、当選した例を紹介します。 

無名新人から3位当選

茨城県つくば市議の川久保皆実さんは、2020年のつくば市議会議員選挙で、無所属かつ後援会もない状況で、3番目に多い得票数で初当選しました。

初出馬だと200万〜300万円が必要になるといわれる地方議会選挙で、供託金以外にかかった費用は約120万円。主にWebサイト制作や動画、チラシの作成に充て、選挙カーのレンタルや街頭演説はしなかったそうです。

また、知名度を補う活動として、名前のかかれたたすきをかけてゴミ拾いをしていたそうです。

SNS活用で市議選に初当選

2021年、愛媛県松江市議会議員選挙に立候補した中村ひかりさんは、SNSを駆使して初当選しました。

中村さんは選挙資金として150万円ほど必要といわれたそうですが、実際にかかったのは約40万円。事務所の家賃や自己負担のポスター代以外はほとんどかからなかったそうです。

中村さんはYouTubeに政策に関する動画をアップしたり、Instagramに市内にある公園の遊具が老朽化で使用できない状況を投稿したりすることで、支援者を増やしていったそうです。

市議選挙でトップ当選

兵庫県赤穂市議の荒木友貴さんは、2021年4月の市議会議員選挙でトップ当選。

選挙の知識が無かったため、女性の議会活動を支援する団体のスクールに参加し、オンライン講習を受けました。

特に役に立ったというのが先輩女性議員や元議員のアドバイスで、「子育てしながら議員として活動する」新しい議員像をPRし、当選しました。

まとめ:地盤・看板・カバンについて

本記事では選挙における三バン(地盤・看板・カバン)について解説しました。以下に内容をまとめます。

  • 三バンとは、地盤・看板・カバンのこと
  • 地盤は組織力を意味する
  • 看板は知名度を意味する
  • カバンは資金力を意味する
  • 三バンがあると当選しやすい傾向にあり、世襲議員は三バンを受け継ぐことができるため有利になる
  • 三バンを持っていない新人候補は、政治活動や選挙運動で三バンを向上させる必要がある

 

<参考>
松田馨『地方選挙必勝の手引き』
ハンドマイク抱え徒歩で演説、主な選挙費用は40万円:地盤・看板・カバンなし「私た…|NIKKEIリスキリング
参議院選挙迫る! 地盤 看板 かばんがなくても選挙に立候補しませんか? | NHK政治マガジン 

タイトルとURLをコピーしました