選挙はがきの規定と書き方を知ろう!初めて出馬する人の注意ポイントも解説

選挙はがきの規定と書き方を知ろう!初めて出馬する人の注意ポイントも解説

選挙はがきは、候補者や政党などが選挙期間中に有権者に向けて配布できる文書の一つで、配付できる枚数や差し出し方法等は公職選挙法で定められています。しかし、選挙に初めて出馬する人の中には、選挙はがきのことがよくわからず、「選挙はがきの規定はどんなものがある?」「選挙はがきに書いて良いことや書き方は?」などと、悩んでいる方もいるはず。

そもそも選挙はがきは、誰に・いつ・どういう目的で出すのでしょうか。

この記事では、初めて選挙に出馬する人にも良くわかるように、選挙はがきに関する規定や書き方などを解説します。

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そもそも選挙はがきとは?

そもそも選挙はがきとは、どのようなものなのでしょうか。

有権者の関心が高まっている選挙期間中に、公費で郵送できる文書です。選挙期間中に有権者へ郵送できる唯一の印刷物になりますので、記載内容とあわせて発送次期についてもよく検討しましょう。

推薦人欄をつくって推薦者の名前と推薦文を書くのが一般的であることから「推薦はがき」と呼ばれたり、郵送費が公費でまかなわれたりすることから「公選はがき」とも呼ばれます。

選挙はがきの書き方は後ほど詳しく説明しますが、候補者自身の写真、政策・信条・経歴などを書くことが多い傾向にあります。

ポストへの投函は禁止! 選挙はがきの出し方

選挙はがきの出し方については、公職選挙郵便規則に以下のようなルールが記載されています。

ポストへの直接投函は禁止

選挙はがきは通常のはがきや封書のように、街にある郵便ポストへ投函することはできません。届出完了後に当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会がある地域で指定された郵便局で差し出しを行います。

「通常葉書使用証明書」が必要

選挙はがきと共に、選挙長が発行する選挙運動用の「通常葉書使用証明書」を指定された郵便局へ持参します。詳細は立候補予定者説明会で確認しましょう。

差出は選挙運動期間のみ

選挙はがきは、選挙運動期間が経過した後に出すことはできません。

郵送日は指定できない

公示日以降、宛名が書き終わったハガキをまとめて順次、郵便局へ持ち込みましょう。公選はがきは必ず投票日の前日までに届く必要があります。

配布可能枚数は決まっている

法定で定められた枚数以上は、例え自費であっても郵送することはできません。配布可能枚数は後ほど詳細に説明します。

選挙用表示のないはがきは利用不可

手持ちの通常はがきや私製のはがきを選挙はがきとして使いたい場合は、郵便局で「選挙用」の表示を受けなければなりません。

選挙はがきの配布可能枚数

配布できる選挙はがきの枚数は公職選挙法によって定められており、選挙の種類によって異なります。

候補者が配布できる枚数は次の通りです。

書き損じを考慮し予備を含めて法定枚数の3割以上印刷するのが一般的です。

 

選挙の種類

候補者1人についての制限枚数

衆議院議員(小選挙区選出)

35,000枚

衆議院議員(比例代表)

使用できない

参議院議員(選挙区選出)

35,000枚+2,500枚×(その都道府県の衆議院小選挙区数-1)

参議院議員(比例代表)

150,000枚

都道府県知事

35,000枚+2,500枚×(その都道府県の衆議院小選挙区数-1)

都道府県議会議員

8,000枚

指定都市市長

35,000枚

指定都市議会議員

4,000枚

指定都市以外の市長選挙

8,000枚

指定都市以外の議会議員選挙

2,000枚

町村長

2,500枚

町村議会議員

800枚

なお、衆議院小選挙区選挙に限り、候補者届出政党も、選挙はがきの配布を認められています。

選挙の種類

候補者届出政党についての制限枚数

衆議院議員(小選挙区選出)

20,000枚に当該都道府県における届出候補者数を乗じて得た数

 

選挙はがきの書き方

選挙はがきの書き方についても、使用できる葉書のサイズ、宛名面の書き方、記載しても良いことなど、いくつかのルールがあります。

規格

サイズ

最小サイズは通常の郵便はがき同様の10cm×14.8cm、最大サイズは10.7cm×15.4cmまで。タテヨコはどちらでも可。

色味、厚さ、重さ

表面の色味は白色か淡い色。郵便局発行のはがきと同等以上の厚み、2g以上6g以下であること。

薄い紙を使用する場合は要注意!

選挙用表示

はがき表面の左上に、選挙用の表示のスペースを3.5cm×7cm必ず確保すること。また「郵便はがき」の表示が必要。

記載内容

ネット関係の情報やQRコードなども記載できる

公式WebサイトのURLや、スマホから簡単にアクセスできるQRコードなど、ネット関係の情報を記載することも可能です。

候補者のTwitterやFacebookのアカウント名を書いておけば、有権者に日常的な発信へ触れてもらうチャンスが増え、候補者をより身近に感じてもらえるかもしれません。

近年は若い人からお年寄りまでスマホの普及が進んでいるので、興味を持ってもらえたらすぐに詳しい情報へアクセスできる動線設計は、重要な戦略になるでしょう。

推薦人を書いてもよい

推薦人名を入れる理由は、投票先が決まっていない人にとっては、知人友人から頼まれることで得票への後押しがあるからです。

宛名は手書きか印刷かタックシールで

タックシール(宛名シール)はダイレクトメールのイメージがあるため、近年は選挙はがきに宛名を直接印刷するのが主流になっています。

タックシールを使用する場合は、印刷ミスがないかを確認してから表面に貼るようにしましょう。

地域にもよりますが、無理に手書きへこだわって大量の選挙はがきに宛名を書く必要はありません。

ただし、推薦人欄がある場合は、手書きで推薦人の名前が書かれている方がより良い印象を与えるでしょう。

選挙はがきの活用スケジュール例

ここでは、選挙はがきを活用するためのスケジュール例を紹介します。選挙はがきは、選挙運動期間中に相手に届かなければなりません。公示前や投票日に届かないように、いつ届くかをしっかり確認して準備しましょう。

  1. 選挙事務所住所を郵便局に登録
  2. はがきレイアウト・文面案制作
  3. 郵便局にレイアウトなどの事前チェック依頼
  4. 印刷
  5. 宛名書き
  6. 配達担当郵便局へ持ち込む(ポストへの投函はできない・しない)  

     
    ・郵便局で「選挙用」の表示
    ・選挙運動用通常葉書差出票が必要(1枚で差出通数累計200通以内まで使用可)

  7. 有権者に配達

宛名書きの依頼について

宛名を書く作業については、公示前でも行えます。公示日からしか宛名書きができないと、数千枚のはがきの宛名を数日で書かなければいけなくなり現実的ではありません。そうしたことから、選挙運動の準備行為として「選挙はがきの宛名書き」や付随して「友人知人に推薦人になるよう依頼すること」は認められています。

ただし、事前運動の禁止に抵触しないよう注意が必要です。郵送可能な枚数にもよりますので明確な基準はありませんが、1カ月程度を目安に行うようにしましょう。

まとめ

選挙はがきに関する公職選挙法や公職選挙郵便規則のルール、書き方や準備の仕方、注意点を解説してきました。

有権者の手元へ、候補者の名前や顔、政策といったアピールポイントを直接届けられるアイテムとして、選挙はがきを活用しましょう。

 

<参考サイト>

 

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