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統一地方選挙とは?次回の日程は2027年のいつ?

統一地方選挙とは?次回の日程は2027年のいつ?

地方自治体の首長選や議員選の日程を統一して行う「統一地方選挙」が今まで通りであれば、2027年(令和9年)に行われます。

統一地方選挙とは、いつ、どのような目的で実施されるのでしょうか。

選挙期日を統一することのメリットの有無や現状の問題点の他、国政選挙への影響や、次回の統一地方選挙の見通しについても解説します。

統一地方選挙とは

統一地方選挙とは、公職選挙法の特例法によって、地方自治体の首長や議員を選ぶ選挙の期日を統一する選挙のことです。

第二次世界大戦直後の1947年に全国の地方自治体で一斉に行われた選挙を第1回とし、以後、地方自治体の首長・議員の任期である4年ごとに実施されています。

前回の第20回統一地方選挙は、2023年でした。道府県知事・議員選挙と政令指定都市の市長・議員選挙が4月9日、それ以外の市町村・特別区の首長議員選挙が4月23日に行われました。それぞれ「前半戦」「後半戦」とも呼ばれています。

次回の第21回統一地方選挙は、今まで通りであれば、2027年(令和9年)4月に開催されますが、具体的な日程はまだ発表されていません。

統一地方選挙の目的や利点

統一地方選挙の実施には、具体的にどのような目的や利点があるのでしょうか。

有権者の意識向上

複数の自治体が各々に選挙日程を設定すると、有権者にも選挙運動をする側にも混乱を招きかねません。

多くの自治体は首長・議員の任期満了に伴って4年に1度、選挙を実施することになります。そのタイミングで統一して選挙を行い、有権者の地方自治に対する関心や意識を高める目的があります。

選挙費用や事務の効率化

選挙期日を統一することで、バラバラの日程で行うよりも選挙の執行にかかる費用や事務作業量を減らし、効率化を図れる点がメリットです。

統一地方選挙の現状や問題点

実際には、統一地方選挙において選挙を実施する自治体は減っており、また投票率の向上も見られていないという問題点もあります。

統一率や投票率は低下傾向

統一地方選挙での選挙実施率(統一率)は、第1回統一地方選挙では100%ですが、その後減少しています。

首長の辞職や死亡、議会の解散や市町村の合併など、任期満了以外の要因で選挙が行われることが理由です。また、4年のサイクルから外れる自治体が多くなっていることも理由として挙げられるでしょう。

前回2023年の統一率は約27.5%で、47都道府県のうち知事選を実施したのは9道府県でした。

また、有権者の政治への意識を高める目的があるにもかかわらず、統一地方選挙の投票率は1951年の第2回をピークとしてその後は全体的に右肩下がりの傾向にあります。

12年に1度「亥年選挙」と投票率

4年に1度行われる統一地方選挙と、3年ごとの参議院通常選挙とは12年に1回重なります。その年が干支の亥年に当たることから「亥年選挙」と呼ばれています。

政界には「亥年選挙の参院選は投票率が下がる」という説があるそうです。

4月の統一地方選挙で選挙疲れに陥った地方政治家や運動員が、7月の参院選で十分な支援をできず、投票率の低下を招くと考えられるのが理由です。

直近の亥年選挙は2019年でした。2019年参議院選挙の投票率は過去2番目に低い48.80%という結果となりました。過去最低の44.52%だった1995年も亥年でした。

2023年4月統一地方選挙の実施例

前回の2023年統一地方選挙の投票日は4月9日及び4月23日でした。選挙の種類によって日程が以下のように異なりました。

  • 4月9日:道府県の知事選挙と議会議員選挙、政令指定都市の市長選挙と市議会議員選挙
  • 4月23日:政令指定都市を除く市区町村の首長選挙と議会議員選挙

知事選挙は、以下の9道府県が対象でした。

  • 北海道
  • 神奈川県
  • 福井県
  • 大阪府
  • 奈良県
  • 鳥取県
  • 島根県
  • 徳島県
  • 大分県

また、政令指定都市では、以下の市の市長選が行われました。

  • 札幌市
  • 相模原市
  • 静岡市
  • 浜松市
  • 大阪市
  • 広島市

これらの自治体で今後、首長が任期満了まで務めた場合は、次回の2027年4月の統一地方選挙においても対象になることが予測できます。

まとめ

・統一地方選挙とは4年に1度、全国の自治体の首長・議員選挙の期日を統一する選挙

・前回は2023年に実施され、今まで通りであれば、次回は2027年4月に行われる

・地方自治に対する有権者の関心や意識を高め、また選挙費用や事務作業を減らし効率化するという目的がある

・任期満了以外の理由で選挙が行われることもあり、選挙期日の統一率は年々下がっている





<参考文献>

選挙の種類」総務省(閲覧日2025/10/04)
国政選挙における投票率の推移」総務省(閲覧日2025/10/04)
「第20回統一地方選挙 発表資料」総務省(閲覧日2025/10/04)
地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律」e-Gov 法令検索(閲覧日2025/10/04)
統一地方選挙の投票率推移」明るい選挙推進協会(閲覧日2025/10/04)
「福井県知事・市町長等の任期満了一覧」福井県(閲覧日2025/10/04)
令和5年執行北海道知事・北海道議会議員選挙結果」北海道選挙管理委員会(閲覧日2025/10/12)
これからの選挙」大阪市(閲覧日2025/10/04)
任期満了日一覧(国および県)」奈良県(閲覧日2025/10/04)
「県知事・県議会議員の任期満了日等」鳥取県(閲覧日2025/10/04)
県市町村の長・議員の任期満了一覧 」島根県(閲覧日2025/10/04)
「任期満了一覧」徳島県(閲覧日2025/10/04)
長・議員の任期満了一覧表」大分県(閲覧日2025/10/04)
議員等の任期」札幌市(閲覧日2025/10/04)
今後執行予定の主な選挙」広島市(閲覧日2025/10/04)
任期満了日(定数)一覧|都内選挙日程」東京都選挙管理委員会(閲覧日2025/10/04)
統一地方選挙 2019」NHK選挙WEB(閲覧日2025/10/04)
三重県知事選 2021| 地方選挙」 NHK選挙WEB(閲覧日2025/10/04)
統一地方選挙とは 統一率は低下傾向」日本経済新聞(閲覧日2025/10/04)
参議院選挙:亥年の参院選、投票率低い?…自民苦戦の傾向も」読売新聞(閲覧日2025/10/04)

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