選挙はまるでクリスマスイブのお祭り? 祭りと政治の切っても切り離せない関係

選挙はまるでクリスマスイブのお祭り? 祭りと政治の切っても切り離せない関係

12月は1年を振り返る季節。気持ちよく新年を迎えようと、慌ただしく過ごす人が増える時期です。

同時に、クリスマス・冬至・大晦日といった、イベントが盛りだくさんの月でもあります。クリスマスツリーや正月の飾りを見ると、まるで「祭り」のように気持ちが盛り上がりますね。

そんな国民的イベントや祭りと、選挙や政治には、深い関係があると知っていましたか?

本記事では、政治と祭りの切っても切り離せない関係性や、国民的イベントシーズンに開催された選挙、祭りのように盛り上がる世界の選挙について解説します。

政治家にとって選挙とは

政治家にとっての選挙は、当選し、政策を実現することが目的。しかし落選すれば「ただの人」になる、絶対に負けられない戦いです。自分という「神輿を、いかに多くの人に担いでもらえるかが重要になるその戦いは、さながら祭りのようでもあります。また、政治の「政」は「まつりごと」とも読みます。

そこで、選挙や政治と祭りの切っても切り離せない関係について見ていきましょう。

政治の「政」はまつりごと

政治の「政」を「まつりごと」と読むのはなぜでしょうか。それは、古来より日本では、政治は「祭りごと」、つまり神を敬い、祭る(祀る)ことを政治の原理とする「祭政一致」の思想が根付いていたためです。

現在では「政教分離」の考え方が大原則になっていますが、現在の日本国憲法でその原則が定義される前は、神を「祭る」ことと、国家の「政治」を行うことは同じである、とされていました。

最近では「# 政を祭に」を合言葉に、「選挙」を「祭」のように、誰もが選挙に楽しく参加できるプロジェクトも発足しています。

投票を行うと無料で楽しめる音楽フェスや、投票を行うとモノやサービスが無料や割引になる「選挙キャンペーン」など、斬新な試みが支持されています。

毎回若者の低い投票率が話題になりますが、この社会問題をエンターテインメントと結びつけることで、選挙を祭りのように、楽しみながら熱狂できるものに変え、投票率を向上させることができることを目指しています。

クリスマスに行われた選挙

街がイルミネーションに輝き、心華やぐ12月に欠かせないイベントといえば「クリスマス」です。世の中がクリスマスムード一色になり、「政治」や「選挙」といった話題とは無縁のイベントのように思えます。

しかし、世界ではそんなお祭りの日に行われた選挙もあります。

2019年 Brexit(英国)

クリスマスシーズン真っ只中の2019年の12月12日(現地時間)、イギリスでは約100年ぶりとなる「12月の総選挙(日本の衆議院選挙に該当)」が行われました。

この選挙は世界中で多くの人々の関心を集めました。それはこの選挙が「Brexit(ブレグジット)」、すなわち「イギリスが欧州連合(EU)を離脱するかどうか」という問題の今後を占う、非常に重要な選挙であったためです。

結果的に、EU離脱を目指すボリス・ジョンソン首相率いる保守党が大勝し、その後、2020年1月31日にEUを離脱することになりました。

また、従来の保守党と労働党の支持基盤に、大きな変化が見られたこのクリスマス選挙は、イギリスにおいて歴史的な選挙となりました。

選挙は「まるでクリスマスイブ」

イギリスで行われた2019年の総選挙のように、数としては少ないものの、クリスマスシーズンに行われる選挙はあります。

日本でも、衆議院総選挙が12月に行われたことがありました。

また投票率も高く、若者の政治参画が活発な北欧では、選挙は、まさにみんなが楽しみにする「祭り」。冬に行われる選挙となるれば、まるで「クリスマスイブ」のような盛り上がりを見せます。

選挙運動に関する規制が日本とは異なるノルウェーでは、選挙期間中、おしゃれなデザインの「選挙小屋」や「スタンド」が設けられます。

街頭演説がない代わりに、軽食や飲み物を無料提供しながら各政党と市民がコミュニケーションしたりと、フランクに政治について語り合える場所が提供されます。まるで、日本の祭りにおける屋台のようです。

このように、選挙そのものを気軽に楽める国が多い北欧では、投票率は8割を超える国も多く、中でもデンマークの国政選挙は、これまで投票率が80%を下回ったことがありません。家族みんなで投票に行くことが当たり前になっているこの国では、「選挙」は「クリスマス」のように盛り上がるものであり、家族にとっての一大イベントになります。

まとめ

本記事では、国民的な行事や祭りと、選挙や政治の関係について紹介しました。

古来、人々が「祭りごと」を利用して「政(まつりごと)」をおこなってきたことから、「政治」は「祭り」を連想させるワードでもあります。

実際に、祭りのような盛り上がりを見せる選挙も多く、最近では2019年の12月に、世界が注目したイギリス総選挙が行われました。

選挙をかしこまったイベントとはとらえず、ざっくばらんに楽しむ文化がある国では、今の時期、クリスマスのような盛り上がりを見せる選挙もあります。

選挙を国民的行事やイベントとうまく結びつけることで、投票率アップも狙えると同時に、政治や選挙をもっと身近な存在に変えることができるかもしれません。

 

<参考>
一般社団法人UMF「マツリゴトジャパン2021」
100年ぶりのクリスマス選挙
デンマーク「選挙はまるでクリスマスイブ」
ノルウェー「日本とは違う、なぜノルウェー選挙運動は「祭り」のように楽しい?」
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