選挙期間中に頒布できる文書の1つに選挙運動用ビラ(証紙ビラ)があります。
かつては国政選挙や市区町村長・知事選挙でしか頒布できませんでしたが、公職選挙法の改正により、現在では地方議会議員選挙でも頒布できるようになりました。
本記事では選挙運動用ビラについて、頒布配布できる枚数や作成の基本ルールなどの観点から解説します。
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選挙運動用ビラとは
選挙運動用ビラの概要と、頒布可能な枚数について解説します。
選挙期間中に頒布できる文書の1つ
選挙運動用ビラは選挙期間中に頒布できる文書の1つです。証紙ビラ、公選ビラ、法定ビラとも呼ばれます。
候補者の名前や顔写真、政策などを記載したビラを頒布することで、有権者に政策や想いをアピールできます。
地方議会議員選挙では選挙運動用ビラの頒布はできませんでしたが、平成29年6月の法改正で地方議会議員選挙(都道府県・市区)におけるビラの頒布が解禁されました。
また、令和2年6月の法改正により、町村議会議員選挙におけるビラの頒布も解禁されました。
令和2年の公職選挙法改正については「【公職選挙法】令和2年に一部改正された内容とは? 」で解説しています。
枚数制限
選挙運動用ビラは以下のように選挙の種類や選挙区数によって枚数制限と種類が定められています。
選挙の種類 | 枚数制限 | 種類 |
衆議院小選挙区候補者 | 70,000枚 | 2種類以内 |
衆議院小選挙区候補者届出政党 | 40,000枚×当該都道府県における届出候補者数 | 制限なし |
衆議院比例代表 | 制限なし | 2種類以内 |
参議院選挙区 | 当該都道府県の区域内の衆議院小選挙区選出議員の選挙区の数が1の場合は100,000枚 選挙区数が1を超える場合は、その1を増すごとに 15,000枚を100,000枚に加えた数(上限は300,000枚) | 2種類以内 |
参議院比例代表名簿登録者 | 250,000枚 | 2種類以内 |
参議院比例代表名簿届出政党等 | 頒布不可 | 頒布不可 |
都道府県知事選挙 | 当該都道府県の区域内の衆議院小選挙区選出議員の選挙区の数が1の場合は100,000枚 選挙区数が1を超える場合は、その1を増すごとに 15,000枚を100,000枚に加えた数(上限は300,000枚) | 2種類以内 |
都道府県議会議員選挙 | 16,000枚 | 2種類以内 |
政令指定都市市長選挙 | 70,000枚 | 2種類以内 |
政令指定都市議会議員選挙 | 8,000枚 | 2種類以内 |
政令指定都市以外の市長選挙 | 16,000枚 | 2種類以内 |
政令指定都市以外の市議会議員選挙 | 4,000枚 | 2種類以内 |
町村長選挙 | 5,000枚 | 2種類以内 |
町村議会議員選挙 | 1,600枚 | 2種類以内 |
選挙運動用ビラには、枚数の担保として選挙管理委員会から交付される証紙を貼る必要があります。
選挙運動用ビラ作成の基本と配布方法
選挙運動用ビラを作成する際の基本ルールと配布方法について解説します。
ビラ作成の基本
選挙運動用ビラを作成する際の基本的なルールを解説します。
選挙運動用ビラはA4サイズ(29.7cm×21cm)以内であれば、縦横どちらの向きでも作成できます。0.1mmでも大きい場合は頒布が認められないため、あらかじめ1mm程度小さくいんさつしてもらうとよいでしょう。A4以内であれば正方形や円形などでも作成できます。
選挙運動用ビラの記載事項に制限はありません。顔写真と名前、キャッチフレーズを記載するのが一般的で、「〇〇議会議員候補」などの肩書きも記載しておくとよいでしょう。そのほか活動写真や政策、個人演説会の日程、SNSアカウントやQRコードなどを記載しておくのもおすすめです。頒布責任者と印刷者の氏名、住所は必須記載事項ですので必ず記載しましょう。
頒布方法
選挙運動用ビラの頒布方法には以下のようなものがあります。
- 街頭演説の場所(8:00〜20:00)
- 新聞折込
- 選挙事務所内
- 個人演説会の会場内
選挙運動用ビラについて まとめ
本記事は選挙運動用ビラの概要と枚数制限、作成する際のポイントと頒布方法を解説しました。以下に内容をまとめます。
- 選挙運動用ビラは選挙期間中に頒布できる文書の1つ
- 「証紙ビラ」「公選ビラ」「法定ビラ」とも呼ばれる
- 作成・頒布可能な枚数は選挙の種類や選挙区の数によって異なる
- サイズはA4サイズ以内に収めなければならない
- 頒布責任者と印刷者の氏名、住所は必ず記載しなければならない
<参考>
選挙運動用ビラ作成のポイント|販促クリエイト.jp
選挙ビラ証紙
選挙運動用ビラに関する Q&A QA
『地方選挙必勝の手引』松田馨
『こんなときどうする?選挙運動150問150答』関口慶太、竹内彰志、金子春菜編、ミネルヴァ書房、2020
『こんなときどうする?Q&A選挙運動早わかり 第7次改訂版』全国町村議会議長会編、学陽書房、2022
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