もうすぐ第26回参議院選挙が実施されます。
前回の参議院選挙は、2019年7月に行われました。
3年も前のことなので、どのような選挙だったのか覚えていないという方も多いでしょう。
そこでこの記事では、前回参議院選挙(2019年)の争点や結果を振り返ります。
2019年参議院選挙の概要
ここでは、2019年の参院選のスケジュールや定数、また新たに導入された特定枠制度について解説します。
いつ実施された?
参議院議員の任期は6年で、3年ごとに議員の半数が入れ替わります。
つまり、参議院選挙(以下、参院選)は3年に一度のタイミングで実施されます。
前回の参院選(2019年)は、公示日が7月4日、投開票日が7月21日でした。
なお、今年の参院選(2022年)は、6月22日公示、7月10日投開票というスケジュールで実施されます。
【関連リンク】2022年は参院選!投票日はいつ?
定数
2018年に公職選挙法が改正され、2019年の参院選では、定数は3増えて245になりました。
増加の内訳は、選挙区(埼玉)でプラス1、比例代表でプラス2です。
また、2022年の選挙でも同様に定数が3増えて、最終的には248になります。
特定枠制度
前回の参院選から新たに特定枠制度が導入されました。
特定枠制度とは、参院選の比例代表選挙で、あらかじめ優先的に当選させたい候補者を決められる制度です。
前回参院選では、自民党やれいわ新選組がこの制度を活用しました。
【関連リンク】参院選の特定枠とは?制度の仕組みや導入の背景を分かりやすく解説
主な争点
ここでは、2019年参院選の主な争点と各党の立場について解説します。
憲法改正
憲法改正や第9条に自衛隊を明記することの是非について各党で意見が分かれました。
自民党は、憲法改正を公約の重点項目に掲げ、自衛隊の明記や緊急事態対応を改正項目として挙げました。
公明党は、「加憲」によって憲法を改正することを主張しており、自衛隊の明記については慎重な立場でした。
また、立憲民主党や国民民主党などの野党は、自衛隊明記に反対で、衆議院議員の解散権の制約や知る権利の尊重など国民の権利拡大につながる改正議論を求めました。
消費税率引き上げ
2019年10月に予定されており、大きな争点の1つとなったのが消費税率の引き上げです。
自民、公明の与党は、消費税率を予定通り8%から10%に引き上げることを掲げてました。
一方、野党各党は、消費税増税による経済への影響を懸念し、増税反対の立場を取りました。
年金問題
老後資金2000万円問題をきっかけに関心が集まったのが年金政策です。
自民党は、10月から収入の少ない年金生活者に対し、年間最大6万円の福祉給付金を支給することを掲げ、また、公明党も低年金者へ最大月額5000円を支給することを掲げました。
一方、立憲民主党や共産党などの野党は、マクロ経済スライドの廃止や最低保証年金の創設など、現在の年金制度の見直しを訴えました。
各党の獲得議席数
2019年参院選の立候補者は370人で、選挙区74、比例区50の計124議席を争いました。
各党の獲得議席数は以下の通りです。
党派 | 総数 | 選挙区 | 比例代表 |
自民党 | 57 | 38 | 19 |
公明党 | 14 | 7 | 7 |
立憲民主党 | 17 | 9 | 9 |
国民民主党 | 6 | 3 | 3 |
日本維新の会 | 10 | 5 | 5 |
共産党 | 7 | 3 | 4 |
社民党 | 1 | 0 | 1 |
れいわ新選組 | 2 | 0 | 2 |
N国 | 1 | 0 | 1 |
無所属 | 9 | 9 | – |
前回の参院選で注目を集めたのが、改憲勢力(自民党、公明党、日本維新の会)の獲得議席数です。
参議院で憲法改正発議に必要な議席数を維持するには、改憲勢力で86議席を獲得する必要がありました。
しかし、改憲勢力の獲得議席数は81で、必要議席数を下回る結果となりました。
投票率
2019年の参院選の投票率は48.80%でした。
これは、1995年の第17回参院選(44.52%)に次いで、過去2番目に低い結果です。
投票率が低かった理由として、悪天候による有権者の外出自粛が挙げられます。
2019年参院選の選挙期間には、台風5号や大雨などによる被害が各地で相次ぎました。
また、2019年が「亥年選挙」であったことも投票率低下の原因の1つです。
亥年選挙とは、12年に1度、参院選と統一地方選挙が重なることを指します。
統一地方選があると、地方議員や有権者の選挙疲れから、参院選の投票率が下がる傾向にあります。
【関連リンク】統一地方選挙とは?次回はいつ?
まとめ
この記事では、2019年の参議院選挙についてまとめました。
- 2019年参院選から特定枠制度が導入された
- 主な争点は、憲法改正や消費税増税、年金問題など
- 投票率は、48.80%と過去2番目に低い水準
この記事が参院選に関心を持ち、投票に行くきっかけになれば幸いです。
<参考>
NHK選挙WEB | “特定枠”とは? 参院選
朝日新聞デジタル | 憲法改正・年金・消費増税…参院選の争点 各党の立場は
NHK解説委員室 | 「参院選公示 焦点と争点」(時論公論)
朝日新聞デジタル | 2019参院選
読売新聞オンライン | 参院選投票率48・80%、24年ぶり50%割る
総務省 | 国政選挙における投票率の推移
最終閲覧日は記事更新日と同日