政治資金の集め方!選挙費用は自腹?どこから集めればいい?初めて出馬する人向けに解説します

政治資金の集め方!選挙費用は自腹?どこから集めればいい?初めて出馬する人向けに解説します

「選挙費用はどのくらいかかるのか」

「政治資金はどうやって集めたらよいのか」

疑問に思う方もいるのではないでしょうか。

この記事では、初めて選挙に出馬する人にもよく分かるように、必要な費用と金額の目途、政治資金の集め方について解説します。

欠かせないのは支援してくれる人集めと資金集め

選挙に立候補するからには、自分の政策や政治姿勢を有権者にしっかりアピールし、多くの人からの支持を得る必要があります。

そのためには自分ひとりが頑張ればよいのではなく、自分の考えに共鳴して一緒に活動してくれる支援者が不可欠です。

選挙活動期間前の準備、実際の選挙活動には当然、費用がかかります。

人集めと資金集めは選挙活動に必須の両輪です。

出馬は政党公認・推薦か無所属かを決める

選挙に出馬する際に政党の公認や推薦をもらうか、無所属で出馬するのかを決めることは、その後の活動・資金集めに大きく影響します。

たとえば、衆議院議員小選挙区の場合、無所属であれば政党交付金(政党活動を助成するために国から交付される資金)をもらうことができません。

一方で、無所属で出馬することで多くの人の支持を集めやすいケースもあります。

まずは後援会づくりから

自分の選挙を支援してくれる人集めと資金集めのためにも、後援会づくりが欠かせません。

立候補者が選挙期間前に選挙活動を行うことは、法律で認められていません。

その期間に支持者を増やす基盤づくりをできる組織こそ、後援会です。

後援会のつくり方、活動内容などについては、次の記事で詳しく解説しています。

後援会の作り方

選挙費用の集め方

選挙費用は、基本的に政治資金(政治活動をするためのお金)になります。

政治資金の主な収入源は、寄付・献金・政治資金パーティ、政党交付金です。

しかし、立候補者がすべて自腹で負担するわけではありません。

選挙費用の公費負担制度

公職選挙法や条例により、選挙費用の一部については公費負担制度があります。

公費負担制度とは、候補者の選挙運動経費の負担をできるだけ軽減することで、立候補の機会均等を図ること等を目的として設けられています。

公費負担対象となる主な費用は、次のとおりです。

ただし、負担上限額が決められています。

  • 選挙運動用自動車(選挙カー)費用:自動車借上げ代・ガソリン代・運転手報酬
  • 選挙運動用ビラ作成費用
  • 選挙運動用ポスター作成費用
  • 選挙運動用通常葉書の郵送代

個人献金

企業から政治家個人への政治資金の寄付・献金は禁止されています。

個人献金は可能ですが、政治家個人への金銭による寄付は原則禁止です。

したがって後援会・資金管理団体などの政治団体に献金することになります。

ただし、年間1団体につき150万円までと上限額が決まっています。

政治家個人に対する寄付でも、選挙運動に関する陣中見舞いなどの寄付は、年間150万円以内で金銭寄付も可能です。

最近はインターネットを使って資金を集めるクラウドファンディングも増えています。

政治資金パーティ

「〇〇君を励ます会」などの政治資金パーティは、最もポピュラーな政治資金集めの手法です。主催者は政治団体になりますが、政治資金収支報告書の届け出が義務付けられています。

また、同一人物によるパーティ券の購入は150万円が限度、20万円以上支払った者の氏名・住所などを収支報告書に記載するなど、政治資金規正法で厳しいチェックがあります。

政党交付金と公認料

政党交付金は、国民一人あたり250円を選挙結果によって政党に分配する仕組みで、政党の独立性を保つねらいがあります。

政党交付金を原資として、政党によっては公認料をもらえる場合もあります。

ただし、政党公認のハードルは非常に高いです。

法定選挙費用ー選挙費用には法定の上限額がある

候補者が使える選挙運動費用は、公職選挙法で上限額が決められています(法定選挙費用)

法定選挙費用は、選挙の種類によって異なります。

衆議院議員選挙の小選挙区の場合、固定額1,910万円+有権者×15円です。

たとえば、東京都の小選挙区の登録有権者数の平均値約46万人で試算すると、法定選挙費用は2,600万円です。

選挙費用が法定選挙費用の上限を超えると、出納責任者に罰則が課され、連座制によって当選が無効になることもあるので、注意が必要です。

法定選挙費用の対象とならない費用

  • 選挙のための供託金
  • 選挙カーの経費(一台分)
  • 国や地方公共団体に支払う税金や手数料
  • 選挙期間後の残務整理のための経費

選挙費用の注意点

選挙費用に関して注意すべきことが2つあります。

1つは、銀行融資や知人などからの借金をあてにしないことです。

初めての選挙出馬で当落もはっきりしないのにも関わらず、借金を背負い込むのはリスクが大きく、おすすめできません。

もう1つは、供託金。選挙での得票数が法定得票数(有効投票総数に対して決められる一定の票数)に達しない場合は公費負担がなくなり、供託金が没収されます。

収支報告書の提出が必要

選挙運動期間中の選挙運動費用については、選挙運動費用収支報告書の提出が必要です。

選挙カー費用を除き、公費負担となる費用も記載しなければなりません。

選挙期間前の準備費用で、選挙運動費用に直接該当しない政治資金は、政治資金収支報告書の提出が必要です。

2つの収支報告書に同一の内容が記載されることはありません。

まとめ

初めて選挙に出馬する方の最大の関心事である、選挙費用の集め方を説明してきました。

選挙費用は決して安いとは言えない金額になるので、入念に準備する必要があります。

思わぬトラブルに巻き込まれないためにも、公職選挙法と政治資金規正法の仕組みを理解しておくことが重要です。

(参考)選挙期間中にかかる費用の種類と必要額の目途

選挙費用は大きく分けると、「選挙期間中の準備費用」と「選挙期間中の活動費用」の2つがあります。

選挙に必要な費用の種類・項目は、どの選挙でもほぼ同様です。

しかし、選挙に必要な金額は国の選挙に出馬するのか、地方の選挙に出馬するのかなど、立候補する選挙の種類によって大きく異なります。

衆議院議員選挙の場合、両者を合計した費用は2,000万円~3,000万円程度です。

選挙期間中の準備費用

選挙に出馬するためには、選挙期間の選挙運動だけではなく、選挙の公示前から入念な準備が必要です。

具体的には、名刺やポスター、ビラの作成費用、演説会などの費用で総額500~1,000万円程度です。

名刺・ポスター作成費

名刺やポスターの作成には、100万円程度かかります。

特に、名刺は初対面の人に自分を知ってもらう必需品です。

ポスターは、広く有権者に自分の存在を浸透させる大事な武器となります。

ただし、立候補予定者が1人で写った顔写真入りポスターは、議員任期満了日の半年前以降、選挙公示日まで掲示が禁止されています。

そのため、立候補予定者は所属政党の党首など著名な政治家と並んだ二連ポスターをつくることが多いです。

ビラ印刷・配布費用

ビラ印刷・配布費用は、150~300万円以上かかります。

ビラはポスターと異なり、自分の政策や経歴などをまとめて選挙区の有権者に幅広く周知することができます。

制作部数はポスターよりもはるかに多いです。

演説会・集会・イベント費用

選挙期間前に開かれる演説会や集会・イベント費用として、通常100万円以上が必要です。

選挙運動は、選挙の公示後の選挙運動期間にしかできません。

選挙期間前の集会やイベントなどは政治活動として行われます。

選挙期間中の費用

選挙期間中に必要な活動費用の種類は、供託金と選挙活動に伴う人件費・事務所費用・広報費用などです。

合計すると選挙期間中の活動費用の目途は、総額1,500~2,000万円程度です。

必ず必要な供託金

選挙に出馬する場合は、必ず供託金(立候補する際に法務局に預けるお金)が必要になります。

供託金の額は、公職選挙法により選挙の種類ごとに決められています。

衆議院議員選挙の場合の供託金の額は、次のとおりです。

  • 衆議院議員選挙の小選挙区:300万円
  • 衆議院議員選挙の比例代表(名簿単独立候補の場合):600万円
  • 衆議院議員選挙の比例代表(小選挙区との重複立候補の場合):300万円

参議院議員選挙の場合の供託金は、選挙区300万円、比例代表600万円で、衆議院議員選挙と同様です。

地方選挙の供託金は、都道府県知事選挙300万円から、町村議会議員選挙15万円まで、幅があります。

人件費

選挙運動に関する事務的な作業や薬務提供を行う人に支払う対価です。

注意すべきことは、選挙運動を手伝う人は、無報酬が原則ということです。

選挙事務所の責任者などに対しては、名目に関わらず報酬を支払うことができません。

報酬の支払いが認められているのは事務員、車上運動員、手話通訳者・要約筆記者(聴覚障がいのある方のための筆記通訳)、労務者だけです。

選挙運動員や労務者に対しては、報酬の支払いと弁当代・宿泊費・交通費などの実費弁償が認められています。

具体的には、次のような費用があります。

  • 選挙カーの運転手:公費負担(選挙運動費用の公費負担制度の対象)
  • ウグイス嬢:日額15,000円の上限がある。
  • ボランティアの交通費:数十万円。

人数や金額には制限がありますので、注意が必要です。

選挙事務所費用

選挙事務所費用の大きなものは、事務所賃借料です。

事務所の間仕切りなどの仮設費用や電話の架設、机、椅子、パソコン等の什器のレンタル料なども含まれます。

  • 事務所賃借料:立地によって異なるが、100~200万円程度。
  • 架設費用・什器備品レンタル料:150万円程度。
  • 水道光熱費など。

個人演説会などで会場を借りる場合は、会場費や備品使用料が別途必要です。

文書作成・通信費

ポスター・ビラ・看板などの作成費、ハガキの印刷費などです。

選挙運動用ポスター・ビラの印刷費は、所定の公費負担があります(300~400万円)。

しかし、自己負担額が200万円以上になることが多いです。

通信費は事務連絡などのための郵便代、FAX・電話・電報代などです。

法定はがき代は無料(通常葉書35,000枚)になっています。

消耗品費

紙・筆記用具などの文房具をはじめとする消耗品代です。

食糧費・宿泊費

食糧費は選挙事務所来訪者に提供される、通常用いられるお茶代やお菓子代、運動員、労務者に支給する弁当代です。

宿泊費は休憩や宿泊に要する費用です。

 

<参考文献>

総務省「選挙・政治資金 政治資金の規制」

総務省「選挙・政治資金 寄附の禁止」

選挙立候補.com「選挙に必要な費用」

Yahoo!ニュース「衆議院議員選挙に立候補するには費用がいくらかかるのか、選挙とお金のリアルな話」

選挙LAB「立候補を決断。なにから準備を始める? 一番最初の選挙準備」

選挙LAB「結局、選挙の費用っていくらかかるの? 法定費用と実際の費用の違い」

公明党「政治資金ってなに?」

東京都選挙管理委員会「選挙Q&A(寄附)」

衆議院(小選挙区選出)議員選挙区別登録者数

House Labo「選挙の費用は自腹?立候補時の供託金や経費、負担軽減の制度を解説」

神奈川県「公費負担のしおり」

青森県選挙管理委員会「選挙運動費用収支報告書記載例」

青森県選挙管理委員会「政治資金収支報告書記載例」

 

 

 

 

 

 

この記事を書いた人
senhime

教育や育児、福祉・介護など幅広い分野に関心を持ちながらWebライターをしています。
特に選挙と政治は、これからを担う子供たちのためにも、大きな関心があるテーマです。自分なりの知識・経験も活用してわかりやすい記事を心がけましたので、ご覧いただければ幸いです。

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