選挙の時期になると、SNSでも選挙に関する投稿が数多く見られるようになります。しかし、一般有権者でも、投票の呼びかけや選挙に関する情報のシェアなどを行うと、意図せずに公職選挙法に抵触する可能性がでてきます。
本記事では、選挙当日に一般有権者が注意すべきポイントや、具体的な投稿の可否について詳しく解説します。
選挙当日の選挙運動はNG
「〇〇候補に一票を!」「比例代表は△△党と書いてください」といった特定の候補者や政党への投票を呼びかける行為は、「選挙運動」と呼ばれます。公職選挙法により、選挙運動期間は公示日から選挙前日までと定められているため、選挙当日(投開票日/選挙期日)は候補者陣営、一般の有権者共に、選挙運動は禁止されています。
選挙当日に選挙運動を行った場合、公職選挙法違反となり、違反者は、1年以下の禁錮または30万円以下の罰金に処されるおそれがあります。禁錮刑や罰金刑が確定したときには、一定の期間、選挙権・被選挙権が停止されます。
ただし、「投票に行こう!」と選挙への参加そのものを促すことは可能です。
選挙当日、特に注意したいSNS
選挙当日は、SNSでの行動に注意しましょう。インターネット上での選挙運動ができるのも選挙前日の23時59分59秒までです。ここでは、選挙当日にインターネット上で禁止されていること・行ってもよいことについて解説します。
選挙当日にできること・できないこと
選挙当日にインターネット上でできることとできないことを区別するポイントは、その行動が「特定の候補者や政党への投票依頼」に該当するかどうかです。
【選挙当日はNG(公示日または告示日から投開票日前日まではOK)】
- X(旧Twitter)やブログで「OO候補に投票しよう」と投稿
- X(旧Twitter)で前日までに投稿された「OO党に一票を!」という投稿をリポスト
- LINEで友だちに「OO候補に投票してね」とメッセージを送る
上記のようなSNSでの投稿等は「特定の候補者や政党への投票依頼」になるため、選挙当日へと日付が切り替わった瞬間に、禁止となります。
【選挙当日もOK】
- X(旧Twitter)やブログで「投票に参加しよう」と投票に行くことそのものを呼びかける投稿
- X(旧Twitter)やブログで投票先を明らかにせず「投票に行ってきました」と報告
- LINEで友だちに「投票に行こう」と投票への参加を呼びかけるメッセージを送信
このような、投票率を上げようとする活動は、選挙当日に一般有権者が行っても問題ありません。ただし、選挙当日に特定候補を支持する団体等が、投票へ行くことの呼びかけを組織的に行うと、公職選挙法違反とみなされる恐れがあります。
【選挙当日は「投票依頼」に該当しないように要注意】
- X(旧Twitter)で候補者の投稿に「いいね」をする
- X(旧Twitter)やブログで「OO候補に投票してきました」と報告
これらの行動は、特定の候補者や政党への投票を促しているとみなされ、公職選挙法違反となるおそれがあります。
インターネット選挙運動については、こちらでさらに詳しく解説しています。
【関連記事】ネット選挙とは?複雑すぎる日本のルール。最先端を行くアメリカとの差|スマート選挙ブログ
まとめ
- 選挙前日23時59分59秒までは、特定の候補者への投票を呼びかける行為が可能
- 選挙当日に、特定の候補者への投票を呼びかけている過去投稿へのいいね、リポストは禁止
- 選挙当日に、一般有権者が投票そのものへの参加を呼びかけることは、問題がない
<参考文献>
「ネット選挙でできることが投票日前日までと投票日当日では違う?!投票日前日・当日の「SNSの利用」には気を付けよう!」 選挙ドットコム(閲覧日 2024/12/21)
「気をつけて!投票日に、絶対にやってはいけないこと。SNSでの発信に注意を【衆院選】」 HUFFPOST(閲覧日 2024/12/21)
「「投票日当日の「いいね!」は選挙違反か」 政治山(閲覧日 2024/12/21)