世論とは？意味や世論調査について分かりやすく解説

昨今は政治や社会問題について、多くの人が活発に意見を交わしています。

さまざまな議論によって「世論」が形成されますが、具体的にはどういったものを世論と呼び、どのようにして調べるのでしょうか？

本記事では、世論の意味や、世論調査について分かりやすく解説します。

世論とは

ここでは、世論がどういったものかについて詳しく解説します。

世論には「よろん」「せろん」という2通りの読み方があります。

どちらの読み方が正しいのか、迷ってしまうこともあるのではないでしょうか？

世論には厳密な使い方の区別はなく、正しい読み方は決まっていません。

なぜ読み方が2通りあるのかというと、元々別の熟語だったことが関係します。

昭和21年（1946年）に当用漢字が制定されるまでは、それぞれ輿論（よろん）・世論（せろん）と書きました。

しかし「輿」という漢字が廃止されて「世」に置き換わったため、2通りの読み方が混ざってしまったのです。

読み方の違いによる本来の意味は次の通りです。

平成15年（2003年）に行われた文化庁の調査によると、7割以上の人が「よろん」と読んでおり、多数派となっています。

世論の定義については議論があるものの、一般的には政治や社会問題に関する世間の意見を指します。

つまり個人的な意見ではなく、多くの人に共有されている公的な意見ということです。

さまざまな議論を経て多数派が形成され、民意という形で政治的な影響力を持ちます。

世論の形成には、ジャーナリズムと社会的な議論が大きく影響します。

まず、マスメディアやインターネットで情報を得て、個人が政治や社会についての意見を持ちます。

次に、社会で相互にコミュニケーションを取り合うことで、特定の意見が共有されていくのです。

こうして多数の人が合意する世論が形成されていきます。

世論が影響を与えるのは、個人の判断や行動だけではありません。

民主主義国家では選挙結果や政策決定に大きな影響を及ぼすため、世論の動向が重要視されています。

世論調査とは、統計学的な方法によって世論を調査することです。

政治や社会問題について、一般国民がどのような意見や関心を持っているのか調べるために行われます。

調査結果は集計され、統計的な数字で表されます。

世論調査は、統計的に選ばれた数千人〜1万人程度の人を対象に、面接・質問票・電話などの方法で実施されています。

面接では調査員が対象者を訪問し、決まった質問に沿って回答を得ます。

質問票の場合は自宅に用紙が届けられ、対象者が回答を記入して郵送するのが一般的です。調査員が後日回収する場合もあります。

電話ではRDD方式と言って、コンピュータでランダムに電話番号を作成し、調査員がその番号に掛けて電話口で調査します。

こうした調査は、なるべく偏りが出ないようにしなければなりません。そのため、年齢・性別・地域などが分散するように調整されています。

世論調査は、主に行政・報道・大学などの機関を中心に行われています。

世論調査専門の民間企業もあり、アメリカのギャラップ社が高い信頼性で有名です。

ギャラップ社は統計学を活用した世論調査の先駆的な役割を果たし、調査方法と有効性を世界に示しました。

そこで各機関はギャラップ社に習い、独自に統計調査を行っているのです。

本記事では、世論について解説しました。