G7・G20サミットの参加国や日程を解説!2023年は日本でも開催

G7・G20サミットの参加国や日程を解説!2023年は日本でも開催

2022年11月に、インドネシアのバリ島でG20サミット(20カ国地域首脳会議)が開催されます。

また2023年5月には、広島県でG7サミット(各国首脳会議)が開かれる予定です。日本での開催は7回目です。

G7サミットとG20サミットは、それぞれどのような会談なのでしょうか。

本記事では、両者の参加国や開催の歴史、今後の日程についてわかりやすくまとめました。

G7サミットとは

「サミット」とは、世界の国・地域の首脳が集まる国際会議です。各国のトップが集うことから、英語で「頂上・山頂」を意味する「summit」に由来しています。

サミットの開催準備を担う首脳の補佐役を「シェルパ」と呼び、登山者を助ける案内人を指す用語が元になっています。

G7の参加国と歴史

G7は、Group of sevenの略であり、一般的に主要7カ国と欧州連合(EU)を指します。
G7サミットは、この
主要7カ国と欧州連合(EU)の首脳が集まり、毎年開催される国際会議です。「主要7カ国首脳会議」ともいいます。

首相や大統領などが集まる首脳会議に加え、外相会合関係閣僚会合も開かれます。

G7とは、以下の国です。(議長国順)

  • フランス
  • アメリカ
  • イギリス
  • ドイツ
  • 日本
  • イタリア
  • カナダ

サミットの開催準備や議事進行を行う国を「議長国」と呼び、1年ごとに交代します。

G7サミットが始まったのは、1970年代です。

当時、金・ドルの交換停止による「ニクソン・ショック」や、OPEC(石油輸出国機構)による原油価格引き上げによる石油危機(オイル・ショック)などが起き、世界経済が大きな混乱に陥りました。

貿易やエネルギーなど世界的な経済問題に対応するため、西側陣営・資本主義諸国の主要国が首脳レベルで議論する場が必要だとして、サミットの場を設けることとなります。

第1回サミットは1975年フランス・パリ郊外で開かれ、フランス・アメリカ・イギリス・ドイツ・日本・イタリアの6カ国が参加しました。翌年からカナダが参加し、7カ国となります。

過去にはロシアを含む「G8サミット」も

G7サミットは一時期、ロシアを含む「G8サミット」だったこともあります。

発足から冷戦終結まで、G7は西側主要国によって構成され、東側・社会主義国だったソ連(当時)は含まれませんでした。

冷戦終結後のロンドンサミット(1991年)から、ロシアの大統領がG7サミットの終了後に各国首脳と会合を行います。ロシアは1994年から政治討議に、その後一部を除き基本的に全ての日程に参加するようになりました。

そのため、1998年からはG7に加えてロシアを含む「G8サミット」と呼ばれました。ロシアは2003年から、全日程に加わっています。

しかし2014年、ロシアによるウクライナの主権と領土侵害を受け、G7サミットでロシアの参加停止を決定しました。その後現在まで、ロシアを除くG7サミットとなっています。

2022年ドイツ・エルマウサミット

直近で開かれたG7サミットは、2022年6月のドイツ・エルマウサミットです。

日本からは岸田文雄首相が出席し、G7各国の首相・大統領、EUからは欧州理事会議長・欧州委員会委員長が参加しています。

G7メンバーの他に、インドや南アフリカ、ウクライナなど6カ国の「招待国」からも首相・大統領が加わりました。

2022年現在、2月に勃発したロシアによるウクライナ侵攻や、それに起因する原油価格の高騰エネルギー問題などが世界的に注目されています。エルマウサミットでは、これらの問題が重点的に議論されました。

最終的に、G7による公式声明である「首脳コミュニケ」と、「ウクライナ支援に関するG7首脳声明」など5つの個別声明が発表されました。

ウクライナ侵攻問題を受け、6月のサミットの他にも複数回の首脳会合やテレビ会議が実施されています。

2023年は日本・広島で開催

次回2023年のG7サミットは、日本が議長国です。

広島市で首脳会議が開催されることが決定しており、日程は5月19〜21日となっています。首脳会議の他にも、全国各地で14の関係閣僚会合が開催される予定です。

日本でG7サミットが開かれるのは次回が7回目となります。前回は2016年に三重県で実施された伊勢志摩サミットです。

G20サミットとは

G20サミットは、G20による「金融・世界経済に関する首脳会合」です。「主要20カ国・地域首脳会談」とも呼ばれます。

参加国と歴史

G20の参加国は、G7の7カ国とEUに加えて、以下の国が含まれます。(アルファベット順)

  • アルゼンチン
  • オーストラリア
  • ブラジル
  • 中国
  • インド
  • インドネシア
  • メキシコ
  • 韓国
  • ロシア
  • サウジアラビア
  • 南アフリカ
  • トルコ

G20の前身は、G7による「先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議」です。通貨問題など国際経済問題を協議するため、1986年のG7東京サミットで設立が決定しました。その後ロシア中国などが加わり、現在のG20に至ります。

1999年より財務相・中央銀行総裁会議が、2008年からは首脳会議(サミット)が始まりました。

2022年はインドネシアで開催、日程は?

2022年のG20サミットは、11月15〜16日インドネシア・バリ島で開かれ、岸田首相が出席しました。

G20サミットの前後には、11〜13日にカンボジア・プノンペンで東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議が、18〜19日にはタイ・バンコクでアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議も開催されています。

今回のG20サミットのテーマは「Recover Together,  Recover Stronger(共に回復する、より強く回復する)」です。エネルギー問題などが議題です。

G20にはロシアを含みますが、今回はロシアのウクライナ侵攻後初めてのG20サミットです。

G7はこれまでロシアに対して制裁措置を宣言しており、ロシアや、中国などロシアと関係が深いBRICs諸国との意見をまとめられるかどうかが懸念されています。

ロシアのプーチン大統領はG20を欠席し、ラブロフ外相が出席しました。

まとめ

  • G7サミットとは、フランス・アメリカ・イギリス・ドイツ・日本・イタリア・カナダの7カ国とEUの首脳による国際会議。毎年開催されている
  • 2022年のG7サミットはドイツ・エルマウで開かれた。2023年は日本・広島で開催予定
  • G20サミットとは、G7にロシアや中国、オーストラリアなどを加えた国・地域の首脳による国際会議
  • 2022年のG20サミットは11月にインドネシア・バリ島で開かれ、岸田文雄首相が出席予定。ロシアのプーチン大統領の参加は未定(2022年11月10日時点)

 

<参考>
『政治・経済用語集 第2版』山川出版社、2019
『2021新政治・経済資料 三訂版』実教出版編修部、2021
G7 / G8|外務省
G7サミット閉幕、石油価格上限導入へ 独首相は結束訴え
G7エルマウ・サミット(概要)|外務省
G7広島サミット | 首相官邸ホームページ
G7/G8 (METI/経済産業省)
G20 (METI/経済産業省)
G20とは何ですか?G7とは何ですか?
G20サミットに関する基礎的なQ&A|外務省
世界の政治・経済日程(2022年11月~2023年1月)(世界) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース
岸田首相、食料・エネルギー高騰非難へ G20で侵攻巡り: 日本経済新聞
岸田首相、習近平氏との首脳会談探る 実現なら3年ぶり
プーチン大統領、G20・APECを欠席

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