地方自治とは?仕組みや国政との違いについて簡単に解説

地方自治とは?仕組みや国政との違いについて簡単に解説

日本には、47都道府県や各市区町村といった地方自治体が存在します。

地方自治にはどういった役割があり、国政とはどう異なるのでしょうか。

本記事では地方自治の役割や仕組み、国政との違いについて分かりやすく解説します。

地方自治とは

地方自治とは、国から独立した地方自治体が自らの判断と責任で地域行政を行うことです。

住民の意思に基づいて、地域ごとに運営するのが原則です。

地域住民が民主主義を学ぶ場として「民主主義の学校」と呼ばれることもあります。

地方自治はなぜ必要なのか

地方自治が必要となる理由は、国民が民主主義を学ぶためだけでなく、地方独自の事情に対応するためでもあります。

反対に当たる「中央集権」を考えると分かりやすいでしょう。

中央集権は、行政の権限と財源が中央政府に集中することを意味します。

そのため地方で何か困ったことや問題があったとしても、中央政府が許可しないと解決できない場合があるのです。

地方が権限と財源を持つと、住民が自ら地域の課題に取り組むことができます。

そのため、今後さらなる地方自治の推進が重要視されています。

地方自治の本旨

地方自治には、大きく分けて「団体自治」「住民自治」2つの趣旨があります。

団体自治は、都道府県や市区町村といった自治体によって地方行政を行うことを指します。

自治体は地方公共団体と呼ばれることもありますが、基本的に意味は同じです。

地方公共団体は中央政府から独立しており、国の法律の範囲内で地域を運営します。

こうした地方自治によって、中央政府が持つ強大な権限を抑制することも可能です。

住民自治は、地域の政治は実際にその地域で暮らす住民が行うというものです。

地方は範囲が限られているため、国政より住民が政治参加しやすい特徴があります。

そのため地域の特性に応じた対応が取れると共に、住民が社会に対して関心を持つきっかけとなるのです。

地方自治の仕組み

地方自治は憲法によって保障され、地方自治法に基づいて運営されます。

法制度と組織について確認し、国政との違いを見ていきましょう。

憲法と地方自治法

地方自治については、日本国憲法の第8章に規定があります。

参考:日本国憲法 第八章 地方自治

憲法第8章92条には「地方自治に関する事項は法律で定める」とあり、基本法となるのが「地方自治法」です。

参考:地方自治法

地方自治法は地方自治の本旨に基き、国と地方の関係や権限・住民の権利・議会・財務などについて定めています。

目的は地方における民主的で能率的な行政を確保し、地方公共団体の健全な発達を保障することです。

その他、個別の事項について以下のような各種法律が整備されています。

  • 公職選挙法
  • 地方公務員法
  • 地方財政法
  • 地方税法
  • 地方交付税法
  • 住民基本台帳法

こうした法制度の元、各自治体は与えられた権限の範囲内で、地域の事情に応じた自治を行うのです。

地方自治体の役割

住民にとって身近な行政を担当するのが地方自治体(地方公共団体)の役割です。

地方自治法では、以下のように規定されています。

第一条の二 地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとする。

引用:地方自治法

地方公共団体は、広域自治体として都道府県基礎自治体として市区町村という2層制になっています。

まず市区町村が「地域における事務及び法令で定められたその他の事務」を処理します。例えば介護福祉や住民登録、個別の街作りや消防などです。

都道府県は、市区町村より広い範囲に渡る事務処理を担当します。高度なインフラ整備、保健所、警察、広域防災などを管轄し、市区町村間の調整も行います。

こうした役割分担によって、できるだけ住民に近い自治が行えるようにしているのです。

しかし、両者の間で担当業務が重複する「二重行政」が生じることもあります。

同じ業務を行うことで人為的ミスを防ぐメリットがある一方、行政コストが無駄になる場合もあり、課題となっています。

国政との違い

地方公共団体よりさらに広域の事項を管轄するのが国政です。

地方自治法の中で、国が果たすべき主な役割として3つの項目が挙げられています。

  1. 国際社会における国家としての存立にかかわる事務
  2. 全国的に統一して定めることが望ましい国民の諸活動若しくは地方自治に関する基本的な準則に関する事務
  3. 全国的な規模で若しくは全国的な視点に立つて行わなければならない施策及び事業の実施

具体例としては、国防・外交・年金・経済政策・通貨政策などがあります。

このように全国に関わることを国が担当し、地域ごとの行政は地方が担うといった役割分担が原則とされているのです。

しかし国と地方の二重行政も問題となっており、国から地方への適切な権限委譲が求められています。

まとめ

本記事では、地方自治について解説しました。

  • 地方自治とは、国から独立した地方自治体によって、住民の意思に基づいた地方運営を行うこと
  • 地方自治は「団体自治」と「住民自治」が本旨
  • 地方自治は憲法によって保障され、地方自治法を基本とする法体系によって規定されている
  • 地方自治体の役割は、住民にとって身近な行政を担当すること
  • 国政は全国的な行政、地方自治は地域ごとの行政を担う

 

<参考>
総務省|地方自治制度
「国と地方の在り方(地方自治等)」に関する資料|衆憲資第93号
地方自治は、なぜ必要か|千葉県
中央集権(ちゅうおうしゅうけん)とは|コトバンク
1 地方自治の本旨、国と地方の役割|参議院憲法審査会
日本国憲法 | e-Gov法令検索|第八章 地方自治
地方自治法 | e-Gov法令検索
地方公共団体の組織及び運営に関する制度の体系|総務省
特別区制度の概要|特別区長会
広域の基礎自治体と県のあり方
「国と地方の役割分担」について|総務省
二重行政とは – コトバンク
日本の地方自治について|総務省

この記事を書いた人
Akira

大学では日本近代史を専攻し、外交史を学んでいました。現在は政治・歴史・経済のテーマを中心に扱うフリーライターです。
政治・選挙に役立つ情報を、分かりやすくお届けできるよう心がけています。

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