COPとは?社会への影響や過去のCOPと内容を紹介

COPとは?社会への影響や過去のCOPと内容を紹介

COPとはConference of the Partiesの略で、国連気候変動枠組条約締約国会議のことを指します。

本記事ではCOPの概要と、過去に開催された主なCOPとその内容を紹介しています。

「京都議定書」や「パリ協定」という言葉は聞いたことがあるが、具体的に何が話し合われて何が決まったかを知らない方は、ぜひ参考にしてください。

COPとは

COPとは、Conference of the Parties(締約国会議)の略で、環境問題などの国際条約の中で、その加盟国が物事を決定するための最高決定機関として設置されています。

生物多様性条約や砂漠化対処条約などにもCOPがありますが、国連気候変動枠組条約締約国会議のことを指すのが一般的です。

COPには全ての条約締約国が参加し、条約の実施に関するレビューや各種決定を行います。

COPは基本的に年に1回開催され「COP〇〇」という名前で呼ばれます。COPの後の〇〇の部分には「COP26」のように数字が入り、第何回目のCOPかを表します。

過去に開催されたCOPと主な内容

過去に開催されたCOPと、主な内容を紹介します。

COP3 京都議定書を採択(日本・京都)

1997年に京都で開催されたのが、COP3です。

COP3では、温暖化対策の国際ルールとなる「京都議定書」が採択されました。

京都議定書では、以下のようなことが決まりました。

  • 第1約束期間(2008〜2012年)に先進国全体で1990年比5%の温室効果ガスを削減する
  • クリーン開発メカニズム:他国の排出量削減を支援して自国の削減分に充当する
  • 排出量取引:先進国間で排出枠を売買する

日本は第1約束期間の目標を達成しましたが、第2約束期間(2013〜2020年)には、先進国のみの削減義務だけでは不十分との理由から不参加。

この他アメリカが2001年に離脱、排出量の多い中国やインドが途上国扱いのため削減義務を負わないなど、限界が指摘されていました。

COP15 先進国と途上国が対立(デンマーク・コペンハーゲン)

2009年にデンマーク・コペンハーゲンで開催されたCOP15。

京都議定書の発効後から続いている先進国と途上国の対立の中、閣僚級会議や首脳級協議を重ねることで「コペンハーゲン合意」が採択されました。

コペンハーゲン合意のうち、削減目標と行動に関する内容は以下の通り。

  • 産業化以前からの気温上昇を2℃以内に抑えるため地球全体の排出量の大幅削減の必要性に合意
  • 先進国は削減目標、途上国は削減行動を条約事務局に2010年1月末までに提出する
  • 途上国は削減行動の一部を2年ごとに報告し、国際的に協議する

コペンハーゲン合意のうち、途上国支援に関する内容は以下の通りです。

  • 先進国は2010年から2012年までの期間に300億ドルの新規で追加的な公的資金の拠出を約束する
  • 先進国は2020年までに1000億ドルを拠出する目標を約束する

COP21 パリ協定が結ばれた(フランス・パリ)

2015年にフランス・パリで開かれたCOP21。

京都議定書に代わる2020年以降の新たな枠組み作りが話し合われ、パリ協定が結ばれました。パリ協定は初めて全ての国が参加する公平な合意となりました。

パリ協定の主な内容は以下の通りです。

  • 世界共通の長期目標として2℃目標の設定。1.5℃に抑える努力を追求すること
  • 主要排出国を含む全ての国が削減目標を5年ごとに提出・更新すること
  • 全ての国が共通かつ柔軟な方法で実施状況を報告し、レビューを受けること
  • 適応の長期目標の設定、各国の適応計画プロセスや行動の実施、適応報告書の提出と定期的更新
  • イノベーションの重要性の位置付け
  • 5年ごとに世界全体としての実施状況を検討する仕組み(グローバル・ストックテイク)
  • 先進国による資金の提供。これに加えて、途上国も自主的に資金を提供すること
  • 二国間クレジット制度(JCM)も含めた市場メカニズムの活用

COP27では気候変動の被害を支援する基金の創設に合意

2022年、エジプトのシャルム・エル・シェイクでCOP27が開催されました。

COP27では気候変動による被害を支援するため、途上国を対象に新たな基金を創設することが決まりました。

国連の枠組みで各国が協調して被害への資金支援に取り組むことが合意されるのは初めてです。

基金の具体的な内容については、来年開催されるCOP28で検討するとしています。

COP28はアラブ首長国連邦(UAE)で開催される予定です。 

まとめ

本記事では、COPについて解説しました。以下に内容をまとめます。

  • COPはConference of the Partiesの略
  • 基本的には国連気候変動枠組条約締約国会議のことを指す
  • 「COP27」の数字の部分は開催回数を表す
  • COP3は京都で開催され京都議定書が採択された
  • COP15はコペンハーゲンで開催されコペンハーゲン合意が採択された
  • COP21はパリで開催されパリ協定が結ばれた
  • 2022年のCOP27はエジプトで開催された

 

<参考>
地球環境豆知識 [25] 締約国会議(COP) 
国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)・京都議定書締約国会合(CMP)・パリ協定締約国会合(CMA) | 地球環境・国際環境協力 
COPとは? パリ協定との関係って? 歴史やポイントをわかりやすく解説 
「コペンハーゲン合意」の概要 
2020年以降の枠組み:パリ協定|外務省 
COP27 気候変動の被害支援する新たな基金創設へ“画期的合意” | NHK | COP
2023年COP28はUAEで開催、ドバイ首長が発表 来年のCOP27開催国はエジプト|ARAB NEWS 
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