クーデターとは?意味や歴史、最近の事件もわかりやすく解説

クーデターとは?意味や歴史、最近の事件もわかりやすく解説

クーデターという言葉はニュースなどで耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

近年もアジア各国でクーデターが発生しており、日本人にとっても身近な話題となっています。

本記事ではクーデターの基本を知りたい方に向けて解説します。クーデターと革命との違い、2021年に発生したミャンマークーデターの事例も紹介しています。

クーデターとは

クーデターとは、武力などを用い、非合法的に政権を奪うことを指すことが一般的です。

クーデターの語源

クーデターとはもともとフランス語の”coup d’État”が由来の言葉です。英語ではcoupと訳されることもあります。日本語に訳すと「国家に対する一撃」で、武力で非合法的に政権を奪うことを意味しています。

一般に支配階級の一部が、自己の権力をさらに強化するために遂行される行動をクーデターと呼んでいます。他の部分がもつ権力を奪取するためのクーデターも存在します。

革命とクーデターの違い

「革命」という言葉がクーデターと混同されることがありますが、革命とクーデターはその性格が大きく異なります。

両者の最大の違いは、「社会・政治のシステムが変わるかどうか」にあります。

革命とは、主義主張に基づいた理想的な社会を描き、それを実現するために立ち上がった人々が大義名分を持って社会に変革をもたらすことです。例としてフランス革命、ロシア革命などが挙げられます。

一方クーデターとは、暴力的な手段を用いて非合法的に既存の権力を奪い、大きな政治的変動をもたらす可能性のある行動のことです。近年の例としてはミャンマー国軍によるクーデターが挙げられます。ミャンマーのクーデターについては、本記事で後ほど詳しく解説します。

クーデターは支配階級内部の権力の移動にすぎません。

被支配階級が権力を奪い、生産関係の変革を図る革命とは根本的に異なります。

歴史上の代表的なクーデター一覧

過去には世界中で多くのクーデターが起きています。

以下は近世の日本と世界各国で起きた代表的なクーデターの例です。

近世の日本でのクーデターの事例

本能寺の変
織田信長を家臣の明智光秀が襲撃しました(1582年)

王政復古大号令
薩摩藩・長州藩らが幕政を廃止し明治天皇の名で新政府の設立を宣言しました(1867年)

五・一五事件
武装した海軍の青年将校らが犬養毅首相を暗殺しました(1932年)

近世の世界でのクーデターの事例

ブリュメール18日のクーデター
ナポレオンが総裁政府を打倒しました(1799年/フランス)

甲申政変
朝鮮独立党が親清派勢力の一掃を図り王宮を占領し、日本の援助で新政権を樹立しました(1884年/朝鮮)

スペイン内戦
左派の共和国人民戦線政府と右派の反乱軍とが争い、反乱軍が勝利し独裁政治を樹立しました(1936年)

イランのクーデター
軍部がモサデグ政権を打倒し、海外に亡命していたパフレヴィー2世(パーレビ国王)が帰国、専制政治を復活させました。後に公開された機密文書でイギリスとアメリカがこのクーデターに関与していたことが証明されました(1953年)

5・16軍事クーデター
当時少将だった朴正煕らが軍事革命委員会の名のもと軍事クーデターを起こし、革命委員会を組織して政権を掌握しました(1961年/韓国)

チリ・クーデター
ピノチェト将軍の指揮する軍部がアジェンデ大統領の人民連合政権を打倒、権力を掌握したピノチェト氏が軍事政権を樹立しました(1973年)

タイ軍事クーデター
軍部がインラック元首相など政治家を拘束、憲法と議会を停止し、軍事政権を樹立しました(2014年)

ミャンマー軍事クーデター
国軍が民主政権を率いるアウンサン・スー・チーと大統領を拘束し、軍事政権を樹立しました(2021年)

ミャンマー軍事クーデター

【背景】

1988年のミャンマー国軍によるクーデター以降、ミャンマーは軍事政権が支配していましたが、2010年の総選挙で軍事政権は解散。2011年に軍事政権から民政に移管されました。

2015年の総選挙の時には、アウンサン・スー・チー氏率いるNLDが改選議席のおよそ8割を獲得して圧勝しました。

続く2020年の総選挙でもNLDは圧勝、民主政権が2期目に突入しようとしていました。

【クーデター発生】

2021年2月1日、ミャンマー国軍が当時国家顧問だったスー・チー氏と大統領を拘束し、非常事態を宣言しました。

軍は、2020年11月に行われた総選挙で大規模な不正があり、その結果をもとに政権が発足するのを阻止するために行動を起こしたと説明しています。

しかし実際は、民主化を推進するスー・チー氏率いるNLD政権が2期目に入ろうとしていることに軍が危機感を募らせたためと見られています。

クーデター発生と同時にスー・チー氏も無線機などを違法に輸入し許可なく使った疑いで軍に拘束されました。

当初は首都ネピドーの公邸に軟禁されていましたが、2021年5月下旬には、自身も見知らぬ場所へと移され、現在の軟禁場所は不明とされています。

ミャンマー国内では、2022年現在も軍政に反対する市民による激しい抗議活動が続き、それを制圧しようとする軍による民間人の拷問や殺害等の残虐行為も複数報告されています。

まとめ

  • クーデターとは、武力で非合法的に政権を奪うこと
  • 革命とクーデターの最大の違いは、「社会・政治のシステムが変わるかどうか」
  • 近年では2021年に起きたミャンマークーデターなど、クーデターの事例は世界で数多く発生している

 

<参考>
コトバンク | クーデター
weblio辞書
朝日新聞 | クーデターと革命の違いって? ナポレオンも明智光秀も
NHK | 1からわかる!ミャンマー(1)なぜクーデターが起きたの?
NHK 国際ニュースナビ 【詳しく】クーデター後のミャンマーはいま スー・チー氏は?
BBC NEWS JAPAN ミャンマーの抗議行動、なぜ暴力化しているのか クーデターから1年

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