「勝手連って何?」
「勝手連はいつから始まった?」
「最近の勝手連について知りたい」
勝手連(かってれん)は特定のテーマに賛同する人たちが集まって支援する市民活動の様式で、政治家(候補者)や政党の他、お祭り行事にも勝手連があるケースもあります。
本記事では勝手連の由来や近年の勝手連の例などを紹介しています。
勝手連とは
勝手連とは、特定のテーマに賛同した人たちが自発的に集まって支援する市民活動の様式です。
選挙などで、候補者の意向から作るのではなく、支持者が勝手に集まって作られる非公式な支持団体。
引用元:スーパー大辞林
政治家(候補者)や政党の他、阿波踊りやねぶた祭りなどの各地のお祭りごとに、正式なメンバー以外が参加するグループを「勝手連」と呼ぶこともあります。
由来
「勝手連」という言葉は、1983年の北海道知事選挙の候補者である横路孝弘氏を支援する団体が「横路孝弘と勝手に連帯する若者連合」を名乗ったことに由来します。
知事になる前の横路氏は日本社会党の衆議院議員で、彼を知事候補に擁立する動きが40歳代以下の若い有権者に持ち上がっていました。擁立を目指すグループは横路氏を討論会に招き知事選出馬を強く促しましたが横路氏はこれを拒否。
そこで、擁立運動の中心人物が「本人にその気がないなら、こちらから勝手に連帯することにしよう」と「横路孝弘と勝手に連帯する若者連合」を名乗って活動を始めたということです。
この勝手連運動の参加者が相次ぎ、道内でさまざまな「勝手連」が誕生。その盛り上がりに横路氏も出馬を決意し、同選挙で横路氏が保守系候補を破って当選したことで「勝手連」も広く知られるようになったのです。
公職選挙法における位置づけ
勝手連は公職選挙法における下記の団体には該当しません。
- 政党その他政治活動を行う団体
- 後援団体
- 確認団体
上記の団体は選挙運動や政治活動において規制を受けますが、勝手連に関しては選挙運動への規制は適用されるものの、政治活動については選挙期間においても自由に行うことができるのです。
ただし、組織的かつ継続的な団体が勝手連を名乗っている場合は、上記の団体に当てはまる可能性がありますので、規制を受けないためには非組織的かつ一時的である必要があります。
勝手連の活動内容
勝手連の活動内容は団体により異なりますが、候補者本人の公認・非公認を問わず、横断幕を掲げて街頭宣伝をするなどの活動に取り組んでいるようです。
また、勝手連のメンバーやメンバーが集めた要望を市民の声として国会・地方議会に届けてもらうために活動している団体もあり、「草の根運動」に近いともいえるでしょう。
近年の勝手連の例
近年の勝手連にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは勝手連の例を紹介します。
れいわ新選組若者勝手連
れいわ新選組若者勝手連は、山本太郎代表率いる国政政党れいわ新選組を勝手に応援する若者のボランティアチームです。
チームメンバーの職業や背景はさまざま。東京や大阪以外の地域でも活動を広げているようです。
参考:れいわ新選組若者勝手連
YAMA部@山添拓さんを応援する市民勝手連
YAMA部は日本共産党所属の参議院議員である山添拓氏を応援する市民勝手連です。
SNSなどを活用し、さまざまな政策の実現を目指しているとしています。
参考:YAMA部@山添拓さんを応援する市民勝手連 (@yamabu2016) / Twitter
白川よう子を国会へ送る会・えひめ勝手連
白川よう子を国会へ送る会・えひめ勝手連は香川県議会議員の白川よう子氏の衆議院議員当選を目指した勝手連。
2021年10月の第49回衆議院議員選挙の比例四国ブロックに日本共産党名簿順位一位で出馬しましたが、落選しました。
参考:四国から女性衆院議員を/白川氏応援 えひめ勝手連が集会
宮崎知事選 東国原氏
2022年12月25日に投開票が行われた宮崎県知事選挙の選挙運動期間中には、候補者の東国原英夫氏を勝手連的に支援する市民が登場したようです。
特定の政党や団体の支援を受けない「草の根型」の選挙戦では、危機感たっぷりに「どげんかせんといかん(なんとかしないといけない)」と宮崎弁で主張。勝手連的に支援する市民も登場するなど大きなうねりを呼んだ。
清水伝統「灯ろうまつり」
静岡市清水区の巴川で毎年7月に行われる「清水巴川灯ろうまつり」の中止が続いている中、同まつりの様子を描いた絵を募り展示する活動が行われています。
地元の勝手連はこのイベントの絵の改修を手伝ったり、花火大会を企画しているようです。
参考:清水伝統「灯ろうまつり」 復活願う絵500枚 地元中高生きょうだい呼びかけ 思い出の一場面、市民描く|あなたの静岡新聞
まとめ:勝手連とは
本記事では勝手連について解説しました。以下に内容をまとめます。
- 勝手連は特定のテーマに賛同した人たちが自発的に集まって支援する市民活動の様式、またはその団体
- 政治家や政党だけでなく、お祭り行事に関する勝手連もある
- 「勝手連」という名前の由来は、1983年の北海道知事選に横路孝弘氏を推すグループが「横路孝弘と勝手に連帯する若者連合」を名乗ったこと
- 勝手連は非組織的かつ一時的である限り、公職選挙法上の「政治その他政治活動を行う団体」に該当しないため、選挙期間中も政治活動の規制を受けない
- 勝手連の活動内容は団体により異なるが、特定の候補者の当選を目指したり、市民の声を届けたりする活動をしている
<参考>
四国ブロック 勝手連が「比例は共産党」/白川予定候補を必ず国会へ/訪ねると快く対話が弾む
れいわ新選組若者勝手連
YAMA部@山添拓さんを応援する市民勝手連 (@yamabu2016) / Twitter
四国から女性衆院議員を/白川氏応援 えひめ勝手連が集会
清水伝統「灯ろうまつり」 復活願う絵500枚 地元中高生きょうだい呼びかけ 思い出の一場面、市民描く|あなたの静岡新聞
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