長期政権・短期政権って何?メリットやデメリット、政権誕生の仕組みを解説

長期政権・短期政権って何?メリットやデメリット、政権誕生の仕組みを解説

「長期政権」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

昨年7月、銃撃された安倍晋三氏が死亡した際には、安倍氏の経歴や功績が多数報じられ、安定した長期政権を築いたことが紹介されました。

日本の国政において、どのような場合に長期政権、短期(短命)政権となるのか、政権を率いる総理大臣の決め方や、長期・短期政権それぞれのメリット・デメリットについて、解説します。

長期政権・短期政権とは

日本の国政においては、一般に、内閣総理大臣の在職日数を見て、同じ人物が長期間総理大臣を務めた場合に「長期政権」、短い場合に、「短期政権(短命政権)」と呼んでいます。

「長期政権」も「短期政権」もいずれも、特に何かで定義づけられた言葉ではなく、何日以上で「長期」、何日以下で「短期」という明確なラインはありません。

※知事や市長などの自治体首長については、総理大臣と選出の仕方が異なるため、本稿においては内閣総理大臣に関する長期政権・短期政権について解説します。

ニュースなどでは、「首相の任期満了まであと〇か月…」という言い方をすることがあります。

しかし総理大臣の任期は、憲法や法律で特に定められていません

衆議院総選挙が行われると、その選挙のあと、国会では特別会が召集されます。

召集とともに総理大臣を含む内閣は総辞職をし、この特別会で両議院において行われるのが、内閣総理大臣指名選挙(首班指名選挙)です。

ちなみに、衆議院議員の任期は最大4年ですが、参議院議員と異なり、衆議院は解散があります。

任期満了前に衆議院が解散し総選挙が行われた場合、4年経過していなくても総選挙後に同じく内閣は総辞職をします。

このことから、いわゆる「総理大臣の任期」は、衆議院議員の任期である最大4年とも考えられます。

そのため、ニュースなどでは衆議院議員の任期を用いて総理大臣の任期という表現をしているのです。

政権を率いる総理大臣、そもそもどうやって決められている?

議院内閣制である日本では、総理大臣は、議員の中から国会の議決で指名されます。国会で首班指名選挙が行われ、そこで過半数を得た人が総理大臣となります。

また、参議院と衆議院で異なる指名がなされ、両院協議会を開いても意見が一致しないときは、衆議院の議決が国会の議決となります。

こうした決め方により、衆議院で最大議席を持つ政党のトップが総理大臣となることがほとんどです。

自民党が最大議席を持つ現在、自民党のトップを決める総裁選が、事実上、総理大臣を決める争いになっています。

そのため、現職の総理大臣であっても、自民党の総裁選に敗北または不出馬の場合、総理大臣の座から降りることになります。長期政権を維持できるかどうかは、自民党の党内事情も大きく影響しているといえるでしょう。

自民党総裁以外が総理大臣となったこともあります。

平成以降では、政権交代で民主党が最大政党となった2009年から2012年、それから連立政権(非自民・非共産、自社さ)が誕生した1993年から1996年に、自民党総裁ではない人物が総理大臣を務めました。

日本の歴代長期政権・短期政権

最も長く総理大臣を務めた安倍晋三氏は、第一次安倍内閣のときに体調不良で突然辞任したものの、2012年に第96代内閣総理大臣として再び総理に就任、在職日数は最終的に通算で憲政史上最長の3188日間となりました。

在職日数最短は、東久邇宮稔彦王(ひがしくにのみや・なるひこおう)氏、次いで羽田孜(はた・つとむ)氏となっています。

最も在職日数が短い東久邇宮氏は、皇族初の内閣総理大臣として、終戦直後の1945年8月17日に就任しました。しかし、GHQの圧力を受けて総辞職し、在職日数はわずか54日間でした。

選挙に大敗し責任をとった橋本龍太郎氏や、女性問題が報じられ、69日で辞任した宇野宗佑氏など、総理大臣辞任の理由はさまざまです。

長期政権と短期政権のメリット・デメリットとは

長期政権は政治が安定するため、大きな課題や改革に取り組める、諸外国と信頼関係を築けるというメリットがあります。

一方で、絶対的な権力構造ができることから、政治が腐敗しやすくなるほか、官僚などが忖度し批判や反対表明がしづらくなるという意見もあります。

安倍政権が憲政史上最長となった際には、野党の弱体化、小選挙区制による党内基盤の安定などが長期政権の背景にあるといわれていました。

2006年から2012年の間は、約1年ごとに総理大臣が次々と変わっていました。海外と比較し、民主主義の先進国なのに頻繁にトップが変わるのはよろしくないという指摘もありました。

長期政権のメリット・デメリットは、裏返せば短期政権のデメリット・メリットでもあります。一概にどちらが良い・悪いというものではなく、その時々の政治状況などに左右されると言えるでしょう。

まとめ

  • 日本の国政においては、一般に、内閣総理大臣の在職日数を見て、長期政権・短期政権という言い方をしている。
  • 何日以上で「長期」、何日以下で「短期」という明確なラインはない。
  • 憲法や法律上、総理大臣の任期は定められていない。
  • 日本の総理大臣は、国会で内閣総理大臣指名選挙が行われ、そこで過半数を得た人が総理大臣となる。
  • こうした決め方により、衆議院で最大議席を持つ政党のトップが総理大臣となっている。自民党が最大議席を持つ現在、自民党のトップを決める総裁選が、事実上、総理大臣を決める争いになっている。
  • 在職日数最長は安倍晋三氏、在職日数最短は東久邇宮稔彦王氏。
  • 長期政権のメリット・デメリットは裏返せば短期政権のデメリット・メリットにもなり、一概にどちらが良い・悪いとは言えない。

 

<参考>
首相官邸 | 歴代内閣
首相官邸きっず | 内閣総理大臣に詳しくなろう!
参議院 | 国会の召集と会期
キッズ・ウェブ・ジャパン | 総理大臣の任期
NHK(時事公論) | 長期政権のこれから
日経新聞 | 長期政権の何が問題なのか

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