「選挙に行きましょう!」と言われても、「選挙に行っても何も変わらないんじゃないの?」「投票したい人や政党がない!」といった思いから、行かない選択をしている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、世界の選挙や投票への取り組みに触れながら、20代の人が投票に行くことで得られるメリットや行かないことで起こるデメリットなどについて説明していきます。
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20代の人が選挙に行くことで政治が変わる?
そもそも、20代の人が選挙に行くことで、政治に変化はあるのでしょうか?
もちろんあります!
挙げられるのは、以下の2つの変化です。
変化1:若者の意見を政治に取り入れられる
総務省の「国政選挙における投票率の推移」によれば、この数年、日本国民の全体の投票率は50%前後を行ったり来たりしています。
一見、日本国民の半数が参加しているように見えますが、世代間のギャップが大きい状態です。
平成29年に行われた第48回衆議院議員選挙では、50〜70代以上の有権者の投票率が60%を超える中、40代の投票率は約54%、30代は約45%と減少し、20代では約34%と高年齢層の半分程度になっています。
20代の投票率が上がることで、投票へ行く人に占める若者の割合が増し、若者の意見が投票結果に反映されやすくなります。
変化2:政治家が考える政策の視野が広がる
国政選挙で「20代の人々が議員を選ぶ」ことは、「若い世代から支持される国会議員が生まれる」ことに繋がります。
そして、若い世代の支持を集めて当選した議員が2期目も当選するためには、また若い世代向けの政策に取り組んでいる姿を見せる必要があります。
「当選→若い支持層向けの政策を実行→再当選」という流れになっていけば、段々と政治に若い世代の意見が取り入れられるようになり、幅広い世代の国民にとって暮らしやすい国となっていくでしょう。
20代の人が選挙に行くメリット
20代の人が選挙へ行くことで得られるメリットにはどんなものがあるのでしょうか?
挙げられるは、以下の3つです。
メリット1:自分の意思を国や行政に伝えられる
1つ目のメリットは、投票によって「自分の政治に対する意思を表明できる」ということです。
国政選挙にせよ、地方選挙にせよ、選挙で選ばれた議員の役割は、私たちを代表して国や地方自治体に意思を伝えることです。
つまり、投票することで、国や地方自治体へ自分の意思を届けることができます。
メリット2:政治家や政党が20代に注目する
2つ目のメリットは「政治家や政党が20代に注目し、20代向けの政策を考えるようになる」ということです。
現在は、50代以上の人々の投票する割合が高く、10〜30代の投票率が低いため、社会保障費などの政策が投票率の高い世代寄りのものになっています。
そんな状況で、もし20代を中心とする世代の投票率が上がってきたら、国会議員たちはどう考えるでしょうか?
その世代に向けた政策を「作成・発信・実現」しなければと思うはずです。
メリット3:政治に関心を持つきっかけになる
3つ目のメリットが「政治への興味を持つきっかけ作りになる」ということです。
例えば、知らなかったゲームやスポーツに自分自身が参加するとなれば、ルールや勝ち方を覚えようとしますよね。
実際に自分自身が選挙で投票するとなれば、「各政党はどんな取り組みをしているの?」「前の選挙で掲げた公約はちゃんと実現できているの?」など、政治に興味を持つきっかけになります。
上の1・2のメリットに魅力を感じない場合は、選挙を「面倒なもの」ではなく「自分の政治に対する考えを整理する機会」と考えるといいでしょう。
20代の人が選挙に行かないことで起こるデメリット
選挙に行くメリットがわかったところで、逆に20代の人が選挙に行かないことで起こる、または起こるかもしれないデメリットを紹介していきます。
主に以下の3つが挙げられます。
デメリット1:投票してくれる世代に有利な政策が実施される
既にご紹介した通り、日本では、20代の投票率が顕著に低く、50代以上の半分程度に止まっているのが現状です。
そのような中で、もしあなたが「選挙に立候補する、または現職の 議員」という立場なら、どのような政策を有権者に訴えますか?
投票を通じて積極的に政治へ参加する意思を伝えてくれている、50代以上の有権者に支持される政策を打ち出すべきだと判断するのではないでしょうか。
そんなことにならないためにも、選挙に行って「私たちの意見はこうだよ」と伝えることが大切です。
デメリット2:投票が義務・罰則化されるかもしれない
現在、日本の法律上では、投票は義務ではなく、棄権しても罰則などはありません。
しかし、世界の国の中には「義務投票制」といって、投票を義務化している国もあります。
義務投票制を導入する理由はさまざまですが、このまま投票率が下がっていけば、日本でも導入されるようになるかもしれません。
デメリット3:支払っている税金が無駄になる
選挙には私たちが日々支払っている税金が多く投入されています。
2014年の衆議院議員選挙では、約600億円が使われており、有権者1人あたりが負担した金額は約600円です。
つまり、投票率が50%であれば、棄権した50%に使われた約300億円分の投票券が放棄され、無駄になってしまいます。
投票したい人がいない場合、どうすればいいの?
これまでの内容を読んで、「メリットとデメリットが理解できたから投票に行きたいけど、投票したい候補者がいない」という、20代の方もいるでしょう。
そのような場合、選挙に行って候補者の名前を書かない票(白票)を投じれば、全体的な投票率に影響を与えることができるかもしれません。
白票は候補者の得票率に関係しませんが、投票率には反映されます。
20代の投票が増えていることが分かれば、国政や地方行政で「もっと若者向けの政策を実施しなければならない」という声が上がるかもしれません。
また、今後の候補者選定にも影響を及ぼすかもしれません。
投票へ行かずに棄権した人の数よりも、たとえ白票であれ「1票を投じた人がいる」という事実の方に影響力があるのです。
投票を義務化や罰則化している国も⁉︎
デメリットでも触れましたが、「義務投票制」という、投票に行かないと罰金や禁固刑が課せられる国が存在しています。
もちろん、やむを得ない理由がある場合は除くことが多いようですが、課せられる罰ごとに、投票を義務化している国を紹介していきます。
罰金のある主な国
最もメジャーな罰は「罰金」です。
国によって、金額の幅はいろいろあります。
オーストラリア | 20オーストラリアドル(約1600円) ※払わずに裁判で負けると、50オーストラリアドル(約4000円)に増額 |
ルクセンブルク | 99〜991ユーロ (約1万3000〜13万円) |
選挙権と被選挙権がなくなる主な国
国によっては、選挙に参加する、または出馬する権利がなくなる国もあります。
期間や条件は国ごとに異なりますが、以下のような罰則が設けられています。
ベルギー | 15年間に4回の棄権で10年間停止 |
シンガポール | 選挙人名簿から抹消 |
タイ | 次回の同じ種類の選挙の被選挙権が剥奪 |
刑務所に入れられる主な国
投票に行かないことが、刑務所行きに繋がる国もあります。
- フィジー
- 北朝鮮
- キプロス
日本からすると、かなり厳しく感じますね。
義務化されているが、罰則がない主な国
禁固刑や罰金の課せられる国がある一方で、投票が義務化されているが、選挙に行かなくても罰則がない国もあります。
下で紹介する国は、義務化することによって、罰則がなくても、投票率が60%を超えています。
- イタリア
- フィリピン
- メキシコ
まとめ:選挙に行こう
本記事では、20代の人が選挙に行くべきメリット、行かないと起こるデメリットを中心に、投票に関して紹介しました。
選挙の投票は、国や地方の政治に自分の意見を届ける大切な手段です。
ぜひ選挙に行って自分の意思表示をしてみてください。
<参考>
総務省ホームページ
日本労働組合総連合会 資料
政治山
酒田市公式サイト
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