参議院選挙などの投票では、その日最初に投票する有権者が、投票箱が空であることを確認します。
この「ゼロ票」の確認をした写真をTwitterなどSNSに投稿する、「ゼロ票確認ガチ勢」が話題になりました。
そもそもゼロ票の確認にはどのような意味があるのか、また投票所内での撮影は禁止されていないのか、気になる点をまとめています。
「ゼロ票確認ガチ勢」とは?
SNSやニュースで「ゼロ票確認ガチ勢」や「零票確認」というワードが話題になっています。
Twitterなどに投稿し話題
選挙の投票では、各期日前投票所や投票所でその日最初に投票する有権者は、投票箱の中に何も入っていないことを確認するよう求められます。
TwitterなどのSNSでは、あえてこの確認をするために朝早くから投票所へ行く「ガチ勢」が、空の投票箱などの写真を投稿しています。2022年の参院選でも「#ゼロ票確認ガチ勢」「#零票確認ガチ勢」のハッシュタグをつけた投稿が多くありました。
選挙管理委員会などは、若い世代も多く利用するSNSで話題になることは選挙への関心が高まる良い機会だと捉えているようです。
「ガチ勢」は何時に投票所へ行く?
選挙期日の投票はほとんどの投票所が午前7時から、期日前投票所では設置場所によって投票開始時間はさまざまです。
ゼロ票確認を狙う人は、一番乗りになるため、投票所が開く1時間以上前から待機することも多くあります。
なぜ投票箱を確認するのか
空の投票箱を確認することには、どのような意味があるのでしょうか。
公職選挙法施行令34条は、以下のように定めています。
(投票箱に何も入つていないことの確認)
第三十四条 投票管理者は、選挙人が投票をする前に、投票所内にいる選挙人の面前で投票箱を開き、その中に何も入つていないことを示さなければならない。
引用元:公職選挙法施行令
この行為は「空虚確認」とも呼ばれ、有権者の目で直接、投票箱にすでに票が入っているという不正がないことを証明する作業です。選挙を公正に実施するために欠かせない役割で、国政選挙・地方選挙を問わず行われています。
具体的には、職員が最初の投票者の前で投票箱を開け、中を見て確認してもらいます。確認を終えた投票箱は厳重に施錠します。自治体によっては感謝状をもらえるところもあるようです。
投票所内は写真撮影できる?
SNSでは、空の投票箱の写真をアップしている投稿も多く見られます。しかし、投票所内で写真撮影が可能かどうかは投票所ごとに異なるので注意が必要です。
写真撮影は法令で禁じられているわけではありません。しかし、禁止している投票所や「人が写り込まないように」などの制限を設けている場合もあります。トラブルを防ぐため、勝手に撮影するのではなく、職員に確認するようにしましょう。
SNSの投稿の中には、投票所内が撮影禁止だったため、外の案内看板などの写真をアップしている人もいます。
まとめ
- 各投票所や期日前投票所にその日最初に訪れた有権者は、投票箱が空(「ゼロ票」)であることを確認する。
- あえてゼロ票を確認するため朝早くから投票に行く人を、SNSなどで「ゼロ票確認ガチ勢」と呼んで話題になっている。
- 確認作業は公職選挙法施行令に定められており、公正な選挙のために欠かせない役割。
- 投票所内での写真撮影は禁じられている場合もあるので、職員に確認してから行う。
<参考>
参議院選挙:「ゼロ票確認ガチ勢」現る…投票所「一番乗り」SNSで話題、撮影巡るトラブル懸念
“ゼロ票確認ガチ勢”ネットざわつく 早朝の戦い 参議院選挙2022 | NHK政治マガジン
「#零票確認ガチ勢」になってみた 投票所に一番乗りすると… | 河北新報オンラインニュース / ONLINE NEWS
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