政党幹事長とは?役割を解説

政党幹事長とは?役割を解説

政治や選挙の報道を見ていると、「幹事長」など政党内の役職を耳にすることがあります。

与党を始め、政党内の人事は国政にも影響を及ぼすため注目されますが、中でも幹事長とはどのような役割を担うのでしょうか。また、どのような人が就くポストなのでしょうか。

本記事では主に自民党の幹事長の役割を解説していきます。また、幹事長以外の役職や野党の事例についても触れています。

この記事を監修した人
奥藤裕子
イメージ戦略の構築からトータルプロデュースする選挙コンサルタント。イメージコンサルタントとして培った知識と経験を活かし、数多くの広報ツール制作・政策立案に携わる。政治家の「自己プロデュース力を高めたい」というニーズに応えるべく、今日も現場で奮闘中。

自民党幹事長とは?

自民党では、幹事長は総務会長・政調会長・選挙対策委員長とともに党四役の1つであり、党の運営にとって重要なポストです。

幹事長について、自民党党則では「総裁を補佐し、党務を執行する」とされていますが、具体的にはどのような役割なのでしょうか。

幹事長の役割や立場

幹事長は、主に党の人事や資金面、選挙などに強い影響力を持ちます。

自民党は党の代表である総裁が首相として官邸に常駐し公務にあたっているため、実質的に党を取り仕切っているのは幹事長です。

そのため、幹事長は総裁に次ぐ政党のナンバー2とも言われています。

どのような権力がある?

例えば資金面では、政党交付金や党費、献金などを財源とする党の資金を全国の支部にどのように割り振るかの権限を持ちます。また選挙では、選挙立候補者に対する公認権を持っています。

これらの党本部が行う重要な決定に、幹事長は強い権限を握っています。

自民党内には、岸田派・細田派・二階派と呼ばれる、政策や理念を共有する議員の集団である「派閥」があります。誰が幹事長に就くかは、各派閥の勢力や関係性も影響します。

どのような人が就く?歴代幹事長

これまでの自民党の幹事長は、どのような人が務めたのでしょうか。歴代幹事長の一例をご紹介します。

首相への道?元首相たちも経験

自民党では、幹事長は総裁・首相になるためのステップとしても重視されるポストです。

実際に近年では、橋本龍太郎氏・故小渕恵三氏・森喜朗氏・麻生太郎氏・安倍晋三氏などの歴代首相も幹事長を経験しています。

幹事長の経験は「首相への登竜門」「首相の条件」と言われることもあります。

注目される自民党人事

最近では、安倍晋三・菅義偉首相政権で二階俊博氏が幹事長を務めていました。二階氏の幹事長は5期連続と長期にわたりました。

2020年の自民党総裁選では、いち早く菅氏を支持したことから「政権の生みの親」とも言われています。

2021年に岸田政権になり二階氏の後任に就いたのは、甘利明氏です。しかし甘利氏は、2016年に経済再生担当大臣を辞任した際の現金授受問題などが影響し、衆議院総選挙の小選挙区で落選しました。比例代表で復活当選したものの、選挙後に幹事長を辞任し話題になりました。

その後茂木敏充氏が幹事長に就任し、手腕が注目されています。

幹事長以外の役職や野党の事例

政党の役職には、幹事長以外ではどのようなものがあるのでしょうか。自民党の場合に加え、野党の事例も踏まえて解説していきます。

党首は総裁・代表など

自民党の党首は「総裁」です。党則によると、総裁は「党の最高責任者であって、党を代表し、党務を総理する」と定められています。

自民党が政権与党である現在では、自民党総裁が首相に指名されることが一般的です。そのため、自民党総裁選は実質的に首相が決まる場でもあります。

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「党四役」とは?

自民党では、幹事長の他、総務会長、政務調査会長(政調会長)、選挙対策委員長(選対委員長)を「党四役」と呼びます。

総務会長は、政党の最高意思決定機関である総務会を仕切る役割を担います。

政調会長は、法案審査をまとめる政務調査会を担う、政策立案の責任者です。国政に与える影響も大きく、岸田文雄首相も以前に政調会長を務めていました。

選挙対策委員長(選対委員長)は、国政選挙や知事選などの選挙で候補者調整を担当します。

その他の役職

政党運営には上記以外にも様々な役職があります。

たとえば自民党では、広報活動推進のために設けられた広報本部がSNSでの広報活動も手がけます。広報本部長の河野太郎氏は、Twitterに投稿する内容が面白いと話題にもなりました。

他に、国会運営について他党との協議を行う国会対策委員長(国対委員長)と言った役職もあります。

名称や役割は政党によって異なる

ここまで主に自民党の事例を見てきましたが、党内の役職の名称や役割は、政党ごとに異なるものもあります。

自民党では総裁と呼ばれる党首は、立憲民主党や国民民主党、公明党などでは「代表」、日本共産党では「委員長」、社民党では「党首」と言います。

また、政党によっては、立憲民主党のジェンダー平等推進本部長や国民民主党の倫理委員長など、独自の組織や役職を設けています。

まとめ

・政党幹事長は、党の資金配分や人事、選挙の公認権などに強い力を持ち、党首に次ぐナンバー2と呼ばれる。

・自民党の幹事長は首相への登竜門とも言われ、幹事長を経験した過去の首相も多い。

・党首や幹事長の他にも、政調会長や総務会長など政党運営には様々な役職がある。

 

<参考>
自民党幹事長「権力」の秘密 カネ、人事、公認権、全てを握る永田町の実力者とは【政界Web】:時事ドットコム
自民党四役とは 総裁に代わり党運営主導: 日本経済新聞(2021年10月1日)
幹事長や政調会長…自民党の要職、その役割は何か(日本経済新聞、2021年10月1日)
派閥とは?: 日本経済新聞(2020年9月14日)
衆議院議員 二階 俊博(にかい としひろ) | 議員 | 自由民主党
政治とカネ問題「幹事長になってたたかれた」 小選挙区落選の甘利氏(朝日新聞デジタル、2021年12月27日)
政調会長、連立の要「登竜門意識」は今も(日本経済新聞、2020年9月16日)
自民・茂木幹事長が就任 政策調整と党改革が試金石: 日本経済新聞(2021年11月5日)
機構図・党則 | 自民党について | 自由民主党
自由民主党 役員 | 議員
立憲民主党 役員一覧
党役員 | 新・国民民主党 – つくろう、新しい答え。
党代表プロフィール | 党概要 | 公明党
プロフィール | 社民党 福島みずほ 参議院議員(比例区)
中央委員会の機構と人事(第 28回党大会)
衆議院議員 岸田 文雄(きしだ ふみお)
河野太郎流ツイッター戦術 人気の秘訣は「早い・うまい・強い」(FNNプライムオンライン、2020年10月1日)
国会対策委員長に関するトピックス(朝日新聞デジタル、2017年11月10日)

この記事を書いた人
rainy

大学の政治学科を卒業後、報道機関で記者をしていました。主に社会部で裁判、司法を担当。選挙取材も経験しました。退職後の現在はフリーランスライターとして働く、0歳児と2歳児の母です。
「社会の仕組みや動きを知ること・理解することで、新しい世界が広がる」、読者にとってそんな記事を書けるよう、日々精進していきます。

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