自民党総裁選挙2021！新総裁は内閣総理大臣？！注目のワケや仕組みを解説

連日メディアで話題になっている自民党総裁選挙。

しかし、自民党総裁選挙はあくまで自民党内部で党首を決める選挙のため、一般国民に投票権はありません。

この記事では一般国民に投票権がないにもかかわらず、なぜこんなにも話題になっているのか、そもそも自民党総裁とはどんな役職なのか、総裁選挙の仕組みについてわかりやすく解説していきます。

自民党総裁とは

自民党総裁とは自民党（正式名称：自由民主党）の党首のことです。

自民党は1955年の結成以来、大部分の期間で国会で議席数の過半数を占め、政権を担ってきた与党です。そのため、自民党のトップである自民党総裁の多くは内閣総理大臣を務めてきました。

つまり、自民党総裁が誰になるかということは次の内閣総理大臣が誰になるかということと強く関係します。そのため、自民党総裁選挙は注目されるのです。

総裁の任期は自民党の党則で定められており、2017年以降は1期3年、連続3期までです。

今回の2021年秋の総裁選挙は現職の菅総裁が就任してから一年程しか経っていませんが、菅総裁は安倍前総裁から任期の途中で引き継いだので、安倍前総裁が3期目に選出された時から数えて3年、となります。

そもそも、自民党総裁とは自民党（正式名称：自由民主党）の党首のことです。

自民党総裁選挙に立候補できるのは自民党所属の国会議員のみです。

加えて、立候補したい議員は自分を支持してくれる推薦人を20人、党所属の国会議員の中から集める必要があります。

投票権を持つのは、自民党所属の国会議員と党員・党友のみです。

自民党総裁選挙はあくまで自民党内部の党首を決める選挙のため、一般国民には投票権はありません。

党所属の国会議員による議員投票と党員・党友による党員投票は扱われ方が異なります。

議員投票では、衆議院または参議院に議席を持つ自民党所属の国会議員が1人1票、無記名で投じます。

2021年総裁選挙では衆議院274人、参議院108人の、合計382人が投票権を持ちます。

党員投票では、日本国籍を持ち、20歳以上の、党費・会費を納めている自民党の党員・党友が投票権を持ちます。

党友とは、党籍は持たないものの会費を支払い、党を支援している人々のことです。

今回の2021年総裁選挙では、全国でおよそ110万人がこの投票権を持ちます。

しかし、党員投票での票数がそのまま各候補者の得票になるわけではありません。

党員票は、各都道府県連が集計した得票数を党本部でまとめ、ドント方式で国会議員票の総数と同数の票が候補者に配分されます。

※ドント方式とは、衆議院・参議院選挙の比例代表制で、各党に議席を配分する際にも用いられる議席割り当てのための計算方法のひとつです。　

党員投票は告示日から投開票日前日までに行われます。

2021年総裁選挙では国会議員票は9月29日に東京都内のホテルで投票が行われ、その場で開票されます。

「国会議員票」と、党員投票においてドント方式で配分された「党員票」をあわせた有効票の過半数を得た候補者が当選となります。

最初の投票で過半数を得た候補者がいなかった時に、上位2名の候補者により決選投票が行われます。

最初の投票と異なる点は、党員票の扱われ方です。

国会議員票がそのまま1人1票であるのに対し、党員票は各都道府県で1票の合計47票に圧縮されます。

決選投票では、党所属の国会議員の意思がより重く扱われるのです。

党員・党友以外に投票権はありませんが、決して他人事ではありません。なぜなら、事実上、次の日本の内閣総理大臣を決める選挙であるからです。

総裁選までの間、候補者同士の討議や会見は何度も行われます。

今回の総裁戦で自民党が初めて企画した「国民の声に応える政策討論会」では、抽選で選ばれた一般国民がオンラインで候補者に対して、質問できる機会も設けられました。

また、近年は各候補者によるSNSでの活動も活発化しているので、SNS上で候補者とやりとりできる機会もあるかもしれません。

国民の大部分が投票権を持たない自民党総裁選挙ですが、その過程ではさまざまな政治的議題が議論されます。もちろん結果も気になりますが、その過程にも注目してみてください。