2021年衆院選、地域別・年代別の投票率は?

2021年衆院選、地域別・年代別の投票率は?

2021年10月に行われた衆議院総選挙の投票率は、戦後3番目に低い55.93%でした。この数字は、全国の全年代による投票率です。

それでは、地域別年代別の投票率はどのようなものだったのでしょうか。

また、若者の政治離れが懸念されていますが、実際はどのような状況なのでしょうか。

都道府県別世代別に投票率を調べました。

この記事を監修した人
奥藤裕子
イメージ戦略の構築からトータルプロデュースする選挙コンサルタント。イメージコンサルタントとして培った知識と経験を活かし、数多くの広報ツール制作・政策立案に携わる。政治家の「自己プロデュース力を高めたい」というニーズに応えるべく、今日も現場で奮闘中。

衆院選の地域別投票率は?

地域別の投票率は、高い都道府県は60%以上、最低が50%以下とばらつきがありました。

総務省の発表を元に具体的な数字を見ていきます。

投票率トップは山形県

都道府県別で投票率が高かったベスト3は以下の県です。

・1位:山形県(64.34%)

・2位:新潟県(63.16%)

・3位:島根県(61.55%)

一方で、投票率が最も低かった(47位)のは山口県の49.67%で唯一の50%以下。46位は岡山県の50.94%、45位は福岡県の52.12%でした。

都市圏では、東京都が57.21%(20位)、大阪府が56.20%(26位)、愛知県が55.97%(29位)でした。

山形県が3連覇!理由は?

今回トップとなった山形県は前回の衆院選(2017年)、直近の参院選(2019年)でも投票率が最も高く、国政選挙では3回連続の全国ベスト1となりました。

投票率が高い理由として、県の選挙管理委員会による啓発の効果が考えられます。

例えば、県民の多くが通勤や通学で利用するJR山形駅に期日前投票所を設置したり、若い世代に選挙への関心を持ってもらおうと県内の高校に呼び掛け、模擬投票が行われたりしました。

また、山形県生まれのお笑い芸人であるコロコロチキチキペッパーズのナダルさんらを起用したCMをテレビやラジオで放送し、投票を呼びかけました。

衆院選の年代別投票率は?

次に、10代から70代以上まで、各世代ごとの投票率を調べてみました。

10代、20代、30代の若者世代は50%以下

総務省の抽出調査によると、年代別投票率は以下のようになりました。

・10代:43.21%

・20代:36.50%

・30代:47.12%

・40代:55.56%

・50代:62.96%

・60代:71.43%

・70代以上:61.96%

30代以下の世代では投票率が50%を下回っており、全体と比べて若者の投票率が低くなっています。衆院選で20代〜30代の投票率が全体投票率を下回る状況は、1996年以来9回連続となっています。

18歳、19歳の投票率は?

2016年に選挙権年齢が18歳以上に引き上げられ、18歳と19歳の10代が選挙権を得た衆院選は今回で2回目でした。前回2017年における10代の投票率が40.49%だったのに対し、今回は43.21%に上昇しました。

年齢別に見ると、18歳は51.14%、19歳は35.04%でした。

高校生の多い18歳は主権者教育を受ける機会が多く、また同居家族などから投票に行こうと呼び掛けられることもあるため、高くなっていると考えられます。

一方で19歳は、地元を離れている大学生や社会人も多くいます。住民票を移していなかったり、地域や候補者に馴染みが薄かったりすることが低い投票率の一因ではないかと指摘されます。

若者の投票率については、こちらの記事もおすすめです。
2021年衆議院選挙の投票率は?若者の投票率や呼びかけの効果について解説 | スマート選挙ブログ

投票率を上げる取り組み

投票率を上げるための取り組みは、どのようなものがあるのでしょうか。

共通投票所や期日前投票所が増加

仕事などで忙しい若い世代にも投票しやすいように、国や自治体は共通投票所や期日前投票所の充実を目指しています。

共通投票所は2016年から導入されました。従来は投票当日、選挙管理委員会から指定された自宅近くの投票所でしか投票できませんでしたが、共通投票所では居住する市区町村の有権者であれば誰でも投票が可能です。

ショッピングセンターや駅、公共施設などに設置され、2021年の衆院選では前回2017年の約10倍となる68か所に設けられました。

また、期日前投票所を増やして大学や商業施設に設置したり、投票時間を長くしたりする対策も行っています。期日前投票所は5900か所以上と過去最多になりました。

若い世代の関心を集めることも重要

投票環境の向上だけでなく、有権者に政治や選挙への興味を持ってもらう取り組みも必要です。

前述の山形県のように、国や自治体が、若い世代に人気の芸能人を起用したPRをポスターやSNSで広報している事例があります。

2021年の衆院選では、総務省が小芝風花さんと田辺誠一さんによる選挙啓発動画を作成しました。

まとめ

・2021年衆院選の地域別投票率トップは山形県で、国政選挙では3回連続首位

・年代別の投票は10〜30代が低く、50%を下回っている

・投票環境の向上や若者への周知など、投票率を上げる取り組みが行われている

 

<参考>
総務省|令和3年10月31日執行 衆議院議員総選挙・最高裁判所裁判官国民審査 速報結果
衆院選 最終投票率は戦後3番目に低い55.93
投票率1位は山形県、最下位は山口 日経クロストレンド
山形県の投票率、3回連続トップ 64・34%、県民性を反映? | 河北新報オンラインニュース / ONLINE NEWS
「コロチキ」ナダルさんをCMに起用 投票率全国一の山形県 | 河北新報オンラインニュース / ONLINE NEWS
投票率全国1位の都道府県は? 前回64年ぶりの首位が挑む「戦い」
総務省|国政選挙の年代別投票率の推移について
10代の投票率43・01%、全体を12・92ポイント下回る : 衆院選 : 選挙・世論調査
【18歳選挙権トリビア】投票率=18歳>19歳…どうして? | 選挙を知ろう | NHK選挙WEB
全国ワースト 2の投票率上げるには?学生や自治体が取り組み 大阪
投票環境向上に向けた取組事例集
共通投票所【選挙ミニ事典】:時事ドットコム
ショッピングセンターなどの「共通投票所」、前回選の7倍に…衆院選
衆院選の共通投票所数、前回の10倍 総務省が訂正
若者の投票率なぜ低い?山陰中央新報デジタル
菅田将暉さん、二階堂ふみさんらが衆院選の投票呼び掛け「#わたしも投票します」:東京新聞 TOKYO Web
令和3年10月15日 第49回衆議院議員総選挙における選挙啓発

この記事を書いた人
rainy

大学の政治学科を卒業後、報道機関で記者をしていました。主に社会部で裁判、司法を担当。選挙取材も経験しました。退職後の現在はフリーランスライターとして働く、0歳児と2歳児の母です。
「社会の仕組みや動きを知ること・理解することで、新しい世界が広がる」、読者にとってそんな記事を書けるよう、日々精進していきます。

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