選挙カーのルールとは?台数や活動時間・期間などを紹介

選挙カーのルールとは?台数や活動時間・期間などを紹介

「選挙カーにはどんな車を使っても大丈夫?」
「選挙カーに乗れるのは何人まで?」
「選挙カーを使えるのは何時から何時まで?」

選挙運動期間中、候補者や政党等は規定の台数の選挙カーを使用することができます。

本記事では、選挙カーを利用する際の基本的なルールと注意点を解説しています。

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出馬検討をしている方、政治で世の中を変えたい方はこちらをご覧ください

選挙カーの集票効果

選挙カーを利用した選挙運動というと、ウグイス嬢(車上運動員)が候補者の名前を連呼する姿を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

このような名前の連呼はうるさいという批判もあるかもしれませんが、選挙カーでの名前の連呼に集票効果があるという社会心理学の調査論文*もあり、選挙カーは有効だとされています。

*)参考:地方選挙における有権者の政治行動に関連する近接性の効果:空間統計を活用した兵庫県赤穂市長選挙の事例研究

選挙カーから名前の連呼や有権者への呼びかけを行うウグイス嬢(車上運動員)の仕事や役割については「ウグイス嬢はなぜ選挙カーから連呼するの?仕事や役割は?」で詳しく解説しています。

選挙カーの基本ルール

選挙カーとして使える車の種類や使用できる台数、乗車人数、看板の大きさなどの基本ルールを解説します。

車の種類

選挙カーの使用については、公職選挙法施行令で定められており、以下の条件を満たす選挙カーを使用することができます。

  • 乗車定員10人以下の乗用自動車または四輪駆動式自動車
  • 車両重量2トン以下
  • オープンカーのような構造ではない

第百九条の三 法第百四十一条第六項に規定する政令で定める乗用の自動車は、次の各号に掲げる選挙の区分に応じ、当該各号に定めるものとする。

一 町村の議会の議員又は長の選挙以外の選挙 次に掲げるもの

イ 乗車定員十人以下の乗用自動車でロ又はハに該当するもの以外のもの(二輪自動車(側車付のものを含む。次項において同じ。)以外の自動車については、上面、側面又は後面の全部又は一部が構造上開放されているもの及び上面の全部又は一部が構造上開閉できるものを除く。)

ロ 乗車定員四人以上十人以下の小型自動車(上面、側面又は後面の全部又は一部が構造上開放されているもの及び上面の全部又は一部が構造上開閉できるものを除く。)

ハ 四輪駆動式の自動車で車両重量二トン以下のもの(上面、側面又は後面の全部又は一部が構造上開放されているものを除く。)

二 町村の議会の議員又は長の選挙 前号に定めるもの(小型貨物自動車を除く。)

引用元:公職選挙法施行令 | e-Gov法令検索

 

ライトバンやワンボックスカーなどは使用できますが、11人乗り以上の大型バスなどを選挙カーとして使用することはできません。

選挙カーとして使用する車の種類は、選挙区を考慮した上で選択しましょう。狭い道が多い地区では大型車より小回りのきく小型車の方が走行しやすいでしょう。農作物に触れないよう、車高の低い車を選ぶ地域もあるようです。停車して選挙カーの上に乗り演説するのが主な目的であれば、ワゴンなどを使用することになります。

使用できる台数

選挙カーは、基本的に候補者一人について一台使用できます。

参議院議員選挙の比例代表選出の場合、選挙カーを2台使用できます。

一 衆議院(小選挙区選出)議員、参議院(選挙区選出)議員並びに地方公共団体の議会の議員及び長の選挙 自動車(その構造上宣伝を主たる目的とするものを除く。以下この号及び次号において同じ。)一台又は船舶一隻及び拡声機一そろい(参議院合同選挙区選挙にあつては、自動車二台又は船舶二隻(両者を使用する場合は通じて二)及び拡声機二そろい)

二 参議院(比例代表選出)議員の選挙 自動車二台又は船舶二隻(両者を使用する場合は通じて二)及び拡声機二そろい

引用元:公職選挙法 | e-Gov法令検索

乗車できる人数

選挙カーに乗車できる人数についても、公職選挙法で以下のように定められています。

  • 候補者
  • 運転手
  • 車上運動員など(4人まで)

選挙カーには、上記の合計6人が乗車可能です。

ただし、自動車の乗車定員が6人未満の場合は、定員を優先しなければなりません。

看板の大きさ

選挙カーに取り付ける看板の大きさは、73cm×273cm以内に収めなければなりません。

選挙運動と政治活動で使用する看板については「選挙運動用の看板と政治活動用の看板の違いとは?サイズや設置場所について解説 | スマート選挙ブログ 」で詳しく解説しています。

選挙カーを使った選挙運動の注意点

選挙運動で選挙カーを使用する際の注意点を解説します。

設備の確認

選挙カーで使用するマイクやスピーカーなどの設備が問題なく使えるか確認しておきましょう。

費用を抑える目的でこれらの音響設備を自前で用意して、選挙期間本番にバッテリーが上がってしまったというトラブルもあります。

トラブルが起きないよう事前に確認するか、プロに依頼するのがおすすめです。

選挙カーを使える時間と期間は?

選挙カーを使える期間は、公(告)示日に立候補届が受理されてから、投票日の前日までです。

選挙カーを使用した連呼行為は午前8時から午後8時まで可能ですが、看板を照らす照明は午後8時以降も点灯可能です。ただしこの場合は所轄の警察署に設備外積載許可を申請する必要があります。

選挙運動の時間制限については「選挙運動の時間制限、早朝や深夜の禁止行為は?」で詳しく解説しています。

学校の近くでも選挙運動できる?

学校及び病院、診療所その他の療養施設の近くでは、静穏保持に努めなければなりません。

選挙運動のための連呼行為をする者は、学校(学校教育法第一条に規定する学校及び就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律第二条第七項に規定する幼保連携型認定こども園をいう。以下同じ。)及び病院、診療所その他の療養施設の周辺においては、静穏を保持するように努めなければならない。
引用元:公職選挙法 | e-Gov法令検索

つまり学校の近くで、選挙カーでのマイクとスピーカーを使った連呼行為を行うと、公職選挙法に抵触する恐れがあります。

まとめ

本記事は選挙カーの基本的なルールなどについて解説しました。以下の内容をまとめます。

  • 選挙カーでの連呼行為には集票効果があるという調査論文がある
  • 選挙カーに使用できるのは乗車定員10人以下の自動車
  • 選挙カーに乗車できるのは候補者と運転手各1人と車上運動員など4人までの合計6人まで
  • 選挙カーを使っての連呼行為は午前8時から午後8時まで可能
  • 学校の近くでは静穏保持に努めなければならない

選挙カーの選び方やレンタル価格などについては「価格、サービス面でレンタルがお得?選挙カーの選び方 」で詳しく解説しています。

 

<参考>
『地方選挙必勝の手引き』松田馨
地方選挙における有権者の政治行動に関連する近接性の効果:空間統計を活用した兵庫県赤穂市長選挙の事例研究

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