政党政治とは?メリット・デメリットや歴史をわかりやすく解説

政党政治とは?メリット・デメリットや歴史をわかりやすく解説

政党政治とは、複数の政党が競い合う形で運営される政治です。

日本をはじめ、今や世界の多くの国々で採用されています。

しかし、政党政治とはどのような政治形態か、また、日本ではいつから始まったのかなど詳しい内容を抑えられている人は少ないでしょう。

この記事では、政党政治のメリット・デメリットや日本で政党政治が確立されるまでの流れについてわかりやすく解説します。

政党政治とは

政党は、政策に関して同じ考えを持つ人々が集まって作る団体です。

複数の政党が競い合う形で、政治運営の中心を担う政治のあり方を政党政治といいます。

政党政治は、17世紀末にイギリスで確立され、今日では世界のスタンダードとなっています。

国により政党政治の体制は様々で、大きく以下の2種類に分類できます。

  • 二大政党制 ⇒ 有力な2つの政党が対抗する政治形態(例:アメリカ・イギリスなど)
  • 多党制 ⇒ 3つ以上の政党が競合する政治形態(例:日本・フランスなど)

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政党政治のメリット・デメリット

ここでは、政策議論を効率化できるメリットと政治腐敗が起こりやすいというデメリットを解説します。

メリット

効率的に政策に関する議論および、意思決定できる点が政党政治のメリットです。

国民を主権者とする民主主義では、民意を反映させた政治を行なうことが求められます。

しかし、国民がばらばらに意見を主張し、議論していては収拾がつかず、政治の方向性を定めることは困難です。

政党政治のもとでは、政党が国民と政治とを結ぶパイプ役として機能することで、民主主義の原則を侵すことなく、効率的に政策についての議論を進められます。

デメリット

政治腐敗を招きやすい点が政党政治のデメリットです。

政党の活動には、選挙活動費や人件費、調査研究費など多額の資金を必要とします。

そのため、政党は利益団体・企業などと癒着しやすく、しばしば賄賂の受け取りが問題視されます。

政党活動の健全化を図るため、日本のように政党への公的な助成制度を導入する国もあります。

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日本における政党政治の歴史

日本では、どのように政党政治が確立されていったのでしょうか。ここでは、日本における政党政治の歴史を解説します。

藩閥政治からの脱却

明治時代、政党政治が始まる前の日本では、薩摩・長州藩の出身者らが政治の実権を独占する「藩閥政治」が行われていました。

やがて藩閥政治に不満を持つ人々の中で、国民の自由と権利を求める「自由民権運動」や立憲政治の確立を目的とする「護憲運動」が展開されていきます。

次第に藩閥の勢力は衰え、1918年に原敬が日本で最初の本格的な政党内閣を組織しました。

1924年には、立憲民政党と立憲政友会が二大政党として政権を争う政党政治が確立されました。

軍部の台頭と政党政治の復活

1932年、海軍の青年将校たちが総理官邸に乱入し、当時の内閣総理大臣犬養毅を殺害する「五・一五事件」が起こります。

五・一五事件をきっかけに、8年続いた政党政治が終わり、代わりに軍部が政治を掌握する「軍国主義の時代に入っていきます。

政党政治が復活を果たしたのは、第二次世界大戦後の1945年11月のことでした。

以降、日本では今日に至るまで政党政治が続いています。

まとめ

この記事では、政党政治のメリット・デメリットや日本の政党政治の歴史について解説しました。

  • 政党政治とは、複数の政党が競い合う形で、政治運営の中心を担う政治のあり方
  • 民主主義において効率的に政策の議論ができる点がメリット
  • 政治腐敗を招くリスクがある点がデメリット
  • 日本では、自由民権運動や護憲運動を経て、1924年に初めて政党政治が確立された

 

<参考>

Gakkenキッズネット | 政党政治
中学受験ナビ | 政党政治とは? 正しく理解するための3つの基本と5つのポイント
TRY IT | 5分でわかる!政党政治
浜島書店『最新図説 政経』
橋本信之(2014)「政治・行政における腐敗とその原因・様態・結果」,『法と政治』,65巻,1号,p51-p88

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