2016年に交付が始まったマイナンバーカードの普及率は、2022年10月時点で約50%です。
政府が様々な働きかけをするも、今ひとつ普及が進まない背景には、マイナンバーカードのメリットが十分に伝わっていないことが挙げられるのではないでしょうか。
この記事では、マイナンバーカードの便利な活用事例を紹介します。
また、デメリットやマイナポイントについてもわかりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
マイナンバーカードとは
マイナンバーカードとは、本人確認書類として使用できるICチップ付きカードです。
表面には顔写真や氏名、住所などの情報が、裏面には12桁の個人番号(マイナンバー)が記載されています。
また、ICチップには、カードに記載されている個人情報や暗証番号などが記録されており、専用のリーダーによって読み取りが可能です。
マイナンバーカードのICチップをスマートフォンや専用の端末で読み取ると、各種アプリやソフトと連携し、様々なサービスを利用できます。
政府は2022年度中に全国民への普及を目指していますが、2022年10月18日時点での普及率は、50.1%です。
なお、マイナンバーカードの作成は義務ではなく任意となっています。
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マイナンバーカードのメリット
ここでは、マイナンバーカードを作成する具体的なメリットを紹介します。
顔写真入り身分証明書になる
顔写真入り身分証明書といえば、運転免許証やパスポートを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、マイナンバーカードもその1つです。
金融機関の口座開設や携帯電話の契約など、顔写真入り身分証明書が必要なシーンで使えます。
また、10月11日から始まった「全国旅行支援」の適用を受けるために、宿泊先等へ提示する身分証明書としても利用可能です。
さらに、行政手続きなどで本人確認とマイナンバー両方の提示を求められる場面では、マイナンバーカード1枚で済みます。
各種証明書をコンビニで取得できる
これまで住民票の写しや課税証明書などが必要なときは、市区町村の窓口に行き発行してもらう必要がありました。
マイナンバーカードがあれば、これら公的な証明書をコンビニでも取得できるようになります。
平日の日中に役所に行くことが難しい方にとっては、非常にメリットを感じられるでしょう。
行政手続きのオンライン申請ができる
マイナンバーカードを発行すると、政府が運営するポータルサイト「マイナポータル」が利用できるようになります。
マイナポータルでは、確定申告や児童手当の申請、年金受給申請など様々な行政手続きをオンラインから申請できます。
今後は、引っ越しに伴う転出届や転入予約もオンラインから申請できるようになる予定です。
健康保険証として使える
2021年10月から、申込みをすることで、健康保険証(マイナ保険証)として利用できるようになりました。
マイナ保険証には、就職・転職や引っ越し時の切り替えが不要であったり、過去の診療・医療費等の情報を確認できたりするメリットがあります。
マイナ保険証に対応できる医療機関は徐々に拡大しており、2022年7月下旬で約26%に上ります。
政府は2024年の秋に現在の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードへの一本化を目指す方針です。
今後は運転免許証やクレジットカードとしての役割も
今後、マイナンバーカードは運転免許証と一体化されることが決まっています。
実施時期について、政府は、もともと予定していた2024年度末から前倒しを検討すると表明しました。
また、クレジットカードやキャッシュカードとしての利用も検討されているなど、マイナンバーカードの利便性は今後益々拡大していきそうです。
マイナンバーカードのデメリット
マイナンバーカードのセキュリティ面に不安を感じている方は多いと思います。
デジタル庁のHPによると、マイナンバーカードには重要な個人情報を守るための様々なセキュリティ対策が施されています。
たとえば、ICチップには、必要最低限の情報のみが記録され、年金や税務、病歴などプライバシー性の高い情報は記録されません。
また、不正に情報が読み取られそうになった場合に自動的に記録情報を消去する機能(耐タンパー性)が備わっています。
さらには、万が一カードを紛失した場合に備えて、24時間365日体制でカードの一時停止を受け付けるコールセンターが設置されています。
ただし、マイナンバーカード本体には氏名や住所、生年月日などの情報が記載されています。
そのため、盗難による個人情報漏洩には十分に注意が必要です。
マイナポイントとは?
総務省は、マイナンバーカード普及を目指してマイナポイント事業を実施しています。
マイナンバーカードを取得後、一定の条件を満たすと最大20000ポイントのマイナポイントが受け取れます。
マイナポイントは、QRコード決済や電子マネーなどのサービスの中から好きなものを選択し、そのサービスのポイントとして利用できます。
現在は、マイナポイント第2弾が実施されており、ポイント獲得条件やポイント数は以下の通りです。
- 登録した支払い方法による買い物や残高チャージ ⇒ 最大5000ポイント
※利用金額の25%がポイントとして還元される仕組み
※マイナポイント第1弾に申し込んだ方は対象外
- マイナンバーカードの保険証利用申し込み ⇒ 7500ポイント
- 公金受取口座の登録 ⇒ 7500ポイント
なお、マイナポイントを獲得するためには、2022年12月末までにマイナンバーカードを申請する必要があります。(※2022年10月22日時点の情報)
まとめ
- マイナンバーカードとは、顔写真や氏名・住所などが記載されたICチップ付きカード
- 顔写真入り身分証明書や保険証としての利用できたり、オンラインで行政手続きの申請ができたりするメリットがある
- マイナンバーカードには様々なセキュリティ対策がなされているが、盗難による個人情報漏洩には注意が必要
- マイナンバーカード作成後、一定の条件を満たすと最大20000ポイントのマイナポイントが受け取れる
<参考>
デジタル庁 | マイナンバーカードのメリットと安全性
デジタル庁| マイナンバー制度導入後のロードマップ(案)
総務省 | マイナンバーカード
総務省 | マイナポイント事業
厚生労働省 | マイナンバーカードの健康保険証利用について
マイナポータル | マイナポータルとは?
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