第50回衆議院議員総選挙の投票は、10月27日に行われることになりました。
自民党総裁選を経て岸田文雄元総理から石破茂総理へと変わり、3年ぶりの衆議院議員総選挙です。
選挙には行ってみたいけど今まで投票に行ったことがない方や、初めて選挙権を得た方にとっては、「投票」というものは少しハードルが高いかもしれません。
投票の日程はいつで、場所はどこなのかという点や、当日の持ち物や投票日に予定がある場合の対策などを含め、衆院選の投票はどのような流れなのでしょうか。
今回は、それらの疑問を解消し、スムーズに投票日を迎えられるよう、まとめています。
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投票の日程や場所は?投票所入場券(入場券)を確認しよう
「選挙に行ってみよう!」といざ思い立ったら、まず投票の日程と場所について確認することが重要です。
衆院選投票日は10月27日
今回の衆院選は、10月1日に就任した石破茂内閣総理大臣の発表によって、10月9日に衆議院の解散、15日に公示、27日に総選挙が行われることが明らかになりました。
ちなみに「公示」とは、衆議院議員総選挙・参議院議員の通常選挙を行うことを、天皇が国事行為として国民に知らせることを言います。
具体的には、この公示日に候補者の届出の受付が始まり、いわゆる「選挙運動」が本格的にスタートします。ニュースや新聞で候補者が報道されたり、街中に設置された掲示板に選挙用ポスターが貼り出されたりするのもこの日以降です。
そして、公示の日以降速やかに、各自治体から有権者のもとへ「投票所入場券」が発送されます。
投開票日までに全国各地で期日前投票も含めて投票が行われ、当日に開票作業が行われるといった流れです。開票の進捗によって結果の発表が24時をまたいで翌日になる選挙区もあります。
投票所の場所はどこ?
投票所の場所は投票所入場券に記載されています。
投票所入場券は、有権者1人につき1枚、選挙人名簿に登録されている住所宛に送付されます。入場券には投票の日程、投票所の場所と開所時間が載っているため、事前の確認が可能です。
投票所には、住所近くの学校や公民館、体育館などが選択されます。
万が一投票日直前になっても入場券が届かない場合は、お住まいの市区町村に問い合わせてみましょう。
当日予定がある場合は「期日前投票」ができる
「投票の日時や場所は分かったけれど、当日は仕事や学業、友人との予定があり投票所に行く時間がない!」といった場合は、「期日前投票制度」を利用できます。
期日前投票とは、選挙の公示日翌日から投票日前日までの間に、指定された期日前投票所において投票日当日と同様に投票ができる制度です。
期日前投票をする際は、投票所入場券と一緒に送付される期日前投票宣誓書(入場券の裏面)に記入をし、記載されている期日前投票所の場所・開所時間帯を確認してから投票に行きましょう。
遠方に滞在中なら「不在者投票」を
長期の旅行や出張で家を空けている方や、通学や通勤のために選挙人名簿に登録されている住所とは異なる土地で生活している方もいるでしょう。
選挙のためだけに住所のある自宅に戻るのは難しいこともあります。そのような場合は「不在者投票制度」を利用しましょう。
名簿登録地の市区町村の選挙管理委員会に、直接、郵便またはオンラインで投票用紙、投票用封筒及び不在者投票証明書を請求します。
交付された投票用紙などをそのまま持参して、投票日前日までに投票する市区町村の選挙管理委員会に出向きましょう。その場で投票ができます。
投票に必要な持ち物は?忘れてしまっても大丈夫?
ここでは、投票日当日に必要な持ち物や、忘れた場合・紛失した場合の対策について解説します。
投票所入場券を持って行こう
投票所入場券以外には、持ち物は必要ありません。投票用紙に記入するための筆記用具も投票所に準備されています。
必要なのは紙の入場券のみでかさばらないため、当日他に予定があっても荷物を気にせず気軽に投票所に立ち寄れます。
入場券を忘れたり、紛失したりしてしまったら?
肝心の投票所入場券ですが、紛失してしまったり、忘れてしまったりしても、投票ができなくなるわけではありません。
投票所の受付で、選挙人名簿に登録されている本人であることが確認できれば、投票は可能です。この場合、運転免許証など本人確認ができるものを持っているとスムーズです。身分証がない場合は、氏名・住所・生年月日等の情報と選挙人名簿の情報を照合して確認を行うことが可能です。
衆院選の投票方法や候補者の知り方
投票日時・場所の確認方法や持ち物については、衆議院総選挙だけでなく、参議院議員選挙や地方選挙など全ての選挙で共通です。
ここでは、衆院選での具体的な投票方法について見ていきましょう
衆院選の投票方法は?
衆院選は、衆議院の定数である465人を投票で選ぶ仕組みです。そのうち289人が「小選挙区制」、176人が「比例代表制」から選出されます。
有権者は、小選挙区制では選挙区ごとの候補者の中から1人、比例代表制では政党等を1つ選び、それぞれ投票します。
候補者や政党を知るには?
投票に行くのであれば、どのような候補者がいるのか、どのような政党があるのか、知っておきたいところです。
候補者について知る方法には、街中のポスターや選挙公報、インターネットなどが挙げられます。
また、駅前や大型施設の前など、人が多く集まる場所で候補者が演説をしているため、参考にできます。
投票日前には自治体から候補者の氏名・写真・政見などを掲載した「選挙公報」が送付されます。
さらに、気になる候補者がいればインターネットで名前を検索し、所属政党や個人のホームページを参照してみても良いでしょう。
政党のホームページでは、政党全体の公約や方針はもちろんのこと、選挙区別に候補者のプロフィールを確認できが載っていることが多いため、自分の住んでいる地域の候補者も見つけられるでしょう。
衆院選投票の基本的な流れ
衆院選の投票方法や候補者について確認したら、投票所へ向かいます。投票所に到着したあとの流れも知っておきましょう。
受付
まずは投票所入場券を係の人に提示して、投票所の受付で選挙人名簿の確認をします。
投票所入場券を忘れたり紛失してしまったりした場合も、ここで申し出ましょう。
投票用紙の受け取り
名簿の確認後、衆院選では「小選挙区」「比例代表」「最高裁判所裁判官国民審査」の3枚の投票用紙を渡されます。受け取ったら、投票用紙を持って記載台へ移動します。
候補者名などの記入、投票箱へ
記載台は1人分ずつ仕切りで区切られたブースのようになっており、隣に人がいても記入内容が見えないように配慮されています。
また、小選挙区の候補者名と政党等の名称が一覧にして貼り出されているため、名前や名称を忘れてしまった場合でも確認が可能です。
ここで、先ほど受け取った3枚の投票用紙を記入します。前述したように「小選挙区」の用紙には候補者名、「比例代表」の用紙には政党等の名称を記入します。
「最高裁判所裁判官国民審査」については、国民審査の対象となる裁判官の名前が一覧で記されているのが特徴です。その中で、もしも辞めさせたいと思う裁判官がいる場合は、名前の上の欄に「×」印を付けることになっています。辞めさせたい裁判官がいない場合は、何も記入する必要はありません。
記入が済んだら、設置されている投票箱に投票用紙を入れます。
これで投票は終わりです。
混雑していない限りは、受付から投票所を出るまで数分で終わることが多いでしょう。
まとめ
今回は、10月27日に行われる第50回衆議院議員総選挙が初めての投票になるという方に知って欲しい、大まかな投票の方法や流れを解説しました。
初めての投票は「どうやってするものかわからない!」と、少しハードルが高く感じるかもしれません。しかし、投票日時や投票所の確認、候補者の知り方は難しくありません。当日投票所に行けない場合の制度など、有権者が投票しやすくする工夫もされています。
本記事を参考にして、ぜひ有権者としての貴重な一票を投じてみましょう。
<参考>
川崎市HP ご存知ですか?公示と告示の違い
総務省HP なるほど!選挙
京都市選挙管理委員会 知っテル!?選挙
第50回衆議院議員総選挙 衆院選2024 選挙Q&A – 総務省
埼玉県HP 投票の流れ(投票はとってもカンタン)
石破茂新総裁、きょう午後「衆院解散」表明へ…選挙日程は10月15日公示・27日投開票
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