選挙はどのように行われるの?衆議院議員選挙の仕組みと流れをわかりやすく解説

選挙はどのように行われるの?衆議院議員選挙の仕組みと流れをわかりやすく解説

連日メディアで報道される選挙のようす。しかし、選挙の仕組みがよくわからない、という人もいるのではないでしょうか。

選挙について正しい理解をすることは、私たちの暮らしの未来を考えるうえでとても大切なことです。

この記事では衆議院議員選挙(以下、衆院選)の仕組みや流れについて分かりやすく説明します。

衆議院議員選挙の仕組み

日本は議院内閣制を採用しているため、国会で内閣総理大臣が決まります。

そのもとで、国会と内閣の意見が食い違う場合に、民意を問う(国民の意見を聞く)仕組みが、衆議院の解散・総選挙です。衆議院議員の選挙は、任期満了による選挙と衆議院の解散による選挙があります。

どちらも議員全員を選び直す「総選挙」です。

衆院選では、「小選挙区比例代表並立制」という選挙制度を採用しており、小選挙区選挙と比例代表選挙が同じ投票日に行われます。

もともと衆院選は、1994年まで中選挙区制でした。

しかし、立候補者が有権者に直接政策を訴えやすく、選挙費用を低く抑えることができること、なにより政権交代可能な二大政党制に向く制度であることから、小選挙区比例代表並立制が採用され、今日に至ります。

小選挙区選挙とは

小選挙区選挙とは、日本全国を289の小選挙区に分け、1選挙区につき1人を選出する制度です。小選挙区選挙により衆議院議員の定数465人のうち、289人が決定します。

投票時は、候補者の個人名を書いて投票します。

比例代表選挙とは

比例代表選挙とは、日本全国を11個のブロックに分け、合計176人の衆議院議員を選出する制度です。ブロックごとに定数は異なります。

投票時は、政党名を書いて投票します。

衆議院議員選挙の定数と任期

衆院選で選ばれる衆議院議員の数(定数)と任期は、日本国憲法の規定に基づき公職選挙法で定められています。

衆議院議員の定数は465人(うち289人が小選挙区選出、176人が比例代表選出)、任期は4年です。なお、同じ国会議員でも参議院議員は、定数248人(2022年改選以降。2021年現在245人)、任期は6年です。参議院議員の半数は、任期が3年ずれています。

衆議院議員選挙の選挙権と被選挙権

満18歳以上の国民は基本的に選挙権を持っています。選挙権年齢は、国の選挙も地方の選挙も同じです。

衆院選の被選挙権、つまり立候補できる人は満25歳以上の国民です。なお、被選挙権年齢は、参議院議員と都道府県知事が衆議院議員よりも高く、満30歳以上とされています。

参考: 重複立候補と惜敗率

小選挙区選出選挙と比例代表選出選挙は、別々の選挙です。衆議院議員として両方の議員を兼ねることはできません。ただし、両方の選挙の候補者になることは認められています。

つまり、小選挙区で落選しても、比例代表で当選する可能性があります。

なお、重複立候補した人が比例代表名簿で同順位の場合、小選挙区の惜敗率(小選挙区で落選した候補者の得票数を、同じ小選挙区の当選者の得票数で割った率)によって当選者が決まります。

ただし、得票数が有効投票総数の10分の1以上ないと復活当選の資格はありません。

衆議院議員選挙の流れ

最後に、衆議院議員選挙は具体的にどのように行われるのか、その流れを見ておきましょう。

1.選挙の実施と投票日の決定

衆議院議員選挙の投票日は、次の範囲内で内閣が決めます。

  1.  任期満了による選挙:議員の任期が終わる日の前30日以内(公職選挙法)
  2.  衆議院の解散による選挙:衆議院解散の日から40日以内(日本国憲法)

なお、補欠選挙・再選挙は、年2回(4月と12月)に統一して行われます。

 2.選挙の公示と立候補

衆議院議員の総選挙の公示(選挙を行うことと投票日を知らせること)は、内閣の助言・承認に基づき、天皇の国事行為として行われます。

立候補する人は、公示日に立候補の届出をしなければなりません。一定金額の供託も必要です。

立候補した人は、公示日から投票日の前日まで選挙運動をできます。選挙運動期間は、衆院選の場合、最低12日です。

 3.投票

有権者は、投票日に決められた投票所で投票します。都合が悪いときは、期日前投票(投票日前に投票すること)や不在者投票(住所地以外の滞在先で投票すること)も可能です。

4.開票・当選者の決定

投票された投票用紙を集めて開票して、候補者ごとの得票数を調べます。小選挙区は、得票数の多い順に当選者が決まります。

比例代表の各党の議席数の決定方法は、ドント式(各政党の得票数を1から順次自然数で割り、商の大きい順に議席を配分する方式)です。獲得議席数が決まれば、名簿順位の上位から当選者も決まります。

衆院選で最大多数を占めた政党は、当選した自党の衆議院議員の中から内閣総理大臣を指名して与党となるのが通例です。

以上が一般的な衆院選の流れです。なお、今回行われる衆院選2021の流れに関してはこちらの記事をご覧ください。

【関連記事】戦後最短で解散!?衆議院議員選挙の仕組み

まとめ:衆議院議員選挙は私たちの代表を選ぶ大切な仕組み

  • 衆院選は小選挙区選挙と比例代表選挙が同日に行われる「小選挙区比例代表並立制」。
  • 小選挙区選挙では全国を289のブロックに分け、289人の衆議院議員を選出、比例代表選挙では全国を11のブロックに分け、176人の衆議院議員を選出される。

衆議院議員は選挙の仕組みや国会における役割からみて分かるように、民意を反映できる国会議員として期待される存在です。

民主主義国家における選挙の基本は多数決。多くの人の賛成を得た候補者・政党が国民の代表として選ばれます。

国民の意見を政治にきちんと反映するために、選挙の仕組みをきちんと理解し、投票に参加することが重要です。

 

 

 <参考>
選挙についての紹介 : 総務省(なるほど!選挙)
国会について|衆議院
衆議院と参議院の関係:国会のしくみと法律ができるまで!
参議院議員選挙制度の変遷|参議院
千代田区ホームページ – 衆議院議員選挙と参議院議員選挙の違い
選挙の流れを見てみよう|選挙フレンズ|京都市選挙管理委員会事務局
選挙のしくみ記事一覧|NHK
衆議院と参議院の仕組みをわかりやすく説明! 選挙制度も要チェック – 中学受験ナビ
解散総選挙とは? 今後の影響は? 仕組みをわかりやすく解説【2020年版】 
選挙のしくみ – 山口県ホームページ
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