国会にも種類がある！各会の目的や役割を理解しよう

一口に「国会」と言っても、「常会（通常国会）」「臨時会（臨時国会）」「特別会（特別国会）」と、3種類あることをご存じでしょうか？「参議院の緊急集会」も含め、4種類と解釈することも可能です。

「そういえば、小中学校で習ったような……？」

まさしく現在学習中の方も、遠い昔に学習した方も、国会の種類について改めて整理してみましょう。

国会とは

憲法では「国会は国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である」と定められています。どういうことでしょうか。

ということです。

立法だけではなく、予算の議決や条約の承認も、国会における重要な仕事の一つです。

国会は、衆議院と参議院の二つの議院から構成されています。これを「二院制」といいます。任期や被選挙権など、仕組みの異なる二つの議院を併立することで、様々な意見をより広く反映し、慎重な意思決定を行うことなどを目指しています。

また、国会の召集は、内閣の助言と承認を必要とする、天皇の国事行為です。

国の権力を司る機関としては、他に「内閣」と「裁判所」があり、それぞれ「行政権」と「司法権」を有しています。こうして権力を三つに分散し、互いに抑制し合うことで、権力の濫用を防ぐ仕組みを「三権分立」と呼びます。

国会には、いくつか種類があります。

「常会（通常国会）」「臨時会（臨時国会）」「特別会（特別国会）」、そして、「参議院の緊急集会」です。

前述のとおり、国会は衆議院と参議院からなる「二院制」ですので、この点から厳密に考えれば、国会の種類は「常会」「臨時会」「特別会」の３つになります。

ただし、便宜的に「参議院の緊急集会」も含め、国会には４種類あると説明されている場合もあるようです。

憲法上は「常会」「臨時会」「特別会」と呼称されていますが、以下では、普段聴き慣れている「通常国会」「臨時国会」「特別国会」の呼称を用い、「参議院の緊急集会」についても解説します。

毎年1回1月に召集され、最初に次年度の予算、次いで法律案などが審議されます。会期は150日間で、両議院の一致した議決で会期を1回だけ延長できます。

延長幅に制限はありませんが、「1月に通常国会を召集する」という規程から、実質的に最大でも翌年の通常国会開始まで、とされているようです。

戦後最長の会期延長は、95日間でした。2015年、当時の安倍政権下において、集団的自衛権の行使を一部容認する、安全保障関連法の成立を目指したものでした。

内閣が必要と認めた時、または衆参いずれかの議院において、総議員の4分の1以上の要求があった時に、臨時に召集されます。

緊急に対策が必要となった場合に、補正予算や関連法案などを議論するための場です。

任期満了に伴う衆議院選挙、または参議院選挙が行われた際にも、新議員の任期開始から30日以内に臨時国会を召集することが定められています。

両議院の一致した議決で2回まで会期を延長できます。

解散に伴う衆議院選挙が行われた際、総選挙の日から30日以内に召集することが定められています。特別国会では、召集と共に内閣が総辞職するので、内閣総理大臣の指名が行われます。

臨時国会と同じく、会期の延長は両議院の一致した議決に基づき、2回までです。

参議院の解散中、国に緊急の事態が生じた場合に、内閣が集会を求めます。

国会には、「常会（通常国会）」「臨時会（臨時国会）」「特別会（特別国会）」の3種類ある（「参議院の緊急集会」も含めると4種類）
各会の概要は以下のとおり
- 通常国会：毎年1回、1月に召集される
- 臨時国会：内閣が必要と認めた時などに召集される
- 特別国会：衆議院の解散総選挙が行われた際に召集される
- 参議院の緊急集会：衆議院の解散中、国に緊急の問題が発生した場合に召集される