公民権が停止するとどうなる?停止要件や事例を紹介

公民権が停止するとどうなる?停止要件や事例を紹介

新聞やテレビのニュースで「公民権停止」という言葉を聞いたことはありませんか?

公民権停止に関して、以下のような疑問を持っている方は少なくないでしょう。

「どのような場合に公民権が停止するの?」

「公民権が停止するとどうなるの?」

この記事では、公民権停止について事例を交えながらわかりやすく解説します。

公民権とは

公民権とは、国または地方公共団体の公務に参与する権利のことです。

具体的には、公職に就く権利や、選挙を通じて政治に参加する権利をいいます。

法の下の平等が規定された日本国憲法では「公民」という考え方は廃止され、公民としての権利は「選挙権・被選挙権」を指します。

公民権停止とは

ここでは、公民権が停止するとどうなるのか、どのような場合に公民権が停止するのか解説します。

公民権が停止するとどうなる?

日本では、選挙権・被選挙権が停止された状態を俗に「公民権停止」と呼んでいます。

具体的には、以下の制限がある状態をいいます。

  • 選挙における投票の禁止
  • 選挙における立候補の禁止

また、選挙犯罪等により選挙権及び被選挙権を有しない者は、選挙運動ができません。(公職選挙法第137条の3)

公民権停止となる要件

公民権が停止となるのは、禁錮以上の刑に処されている間です。

また、公職選挙法や政治資金規正法などに違反し「選挙・政治関連の犯罪」で処罰された場合については、別途規定が設けられています。

たとえば、公職にある人が収賄などの罪で刑に処せられた場合、刑を終えた後も選挙権は5年間、被選挙権は10年間停止されます。

公民権停止に関して、具体的な規定が明記されているのが以下の法令です。(公民権停止規定)

  •  公職選挙法第11条
  •  公職選挙法第252条
  •  政治資金規正法第28条
  •  電磁記録投票法第17条
  •  沖縄復帰特別措置法第153条

公民権停止の事例

ここでは、公民権停止の事例を2つ紹介します。

政治家の事例

2010年、当時衆議院議員の鈴木宗男氏に対し、受託収賄などの罪で懲役2年・追徴金1,100万円の実刑判決が言い渡されました。

鈴木氏は、公職選挙法の規定により、2012年4月の刑期満了から5年間公民権が停止されました。

なお、2017年に公民権停止が解除された鈴木氏は、その後2019年の参院選に出馬し、当選を果たしています。

特定公務員の事例

選挙管理委員会の委員と職員・裁判官・警察官などの公務員を「特定公務員」といい、選挙運動が禁止されています。(公職選挙法第136条)

2012年、北海道新篠津村選挙管理委員会の男性ら2人が、衆院選でビラ配りなどをしたとして公選法違反罪に問われました。

選挙犯罪で処罰された場合、公職選挙法は原則5年間の公民権停止を規定していますが、裁判所は情状により公民権停止期間を短縮できます。

この事例では「利益誘導などに比べ選挙の公正さを害する恐れは必ずしも大きいといえないため、3年が相当」という判決理由によって、3年の公民権停止が言い渡されました。

まとめ

この記事では、公民権停止について解説しました。

  • 日本において、公民権とは選挙権・被選挙権を指す
  • 選挙における投票・立候補が禁止された状態を公民権停止という
  • 禁錮以上の刑に処されている間は公民権が停止され、選挙・政治関連の犯罪に対しては別途停止規定が存在する

 

<参考>

参議院法制局 | 公民権停止規定と欠格条項
安中市 | 政治家の寄附は禁止、有権者が求めることも禁止されています
八王子市 | 選挙権・被選挙権が停止になる場合は?
弁護士ドットコムニュース | 選挙違反事件でよく耳にする「公民権停止」 適用されたら、どうなるの?
NHK選挙WEB | 刑務所でも投票できる?
e-GOV | 公職選挙法第137条第3項
e-GOV | 公職選挙法第11条
e-GOV | 公職選挙法第252条
e-GOV | 政治資金規正法第28条
e-GOV | 電磁記録投票法第17条
e-GOV | 沖縄復帰特別措置法第153条

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