5分で分かる公職選挙法まとめ。違反するとどうなるの?

5分で分かる公職選挙法まとめ。違反するとどうなるの?

公職選挙法にはさまざまな規定があり、違反した人には厳罰が課せられます。

選挙に立候補する方はこの規定をしっかり理解し、遵守する必要があるのです。

この記事では、公職選挙法のポイントを5分で理解できるように分かりやすくまとめています。

この記事を監修した人
奥藤裕子
イメージ戦略の構築からトータルプロデュースする選挙コンサルタント。イメージコンサルタントとして培った知識と経験を活かし、数多くの広報ツール制作・政策立案に携わる。政治家の「自己プロデュース力を高めたい」というニーズに応えるべく、今日も現場で奮闘中。

公職選挙法とは何か

まず、公職選挙法とは何かを解説します。

いつ、何のために制定されたのか

民主主義政治を支える大切な仕組みである選挙が公平に正しく運用されるよう、ルールを定めたのが公職選挙法です。

1950年にいくつかの法令を統合する形で制定されました。

「公職」とは何か、誰が対象か

公職選挙法で規定されている公職とは、「衆議院議員」「参議院議員」「地方公共団体の議会の議員」「地方公共団体の長(=都道府県知事・市町村長)」です。

広義には、公職とは「公の性格を持っている職務」のことで、国家公務員官職地方公務員役職を含んでいます。

公職選挙法で定められている最も重要な3つのルール

公職選挙法には275条もの条文があり、それぞれ細かにルールが定められています。

その中で最も重要なルールは3つ。

議員定数、参政権、選挙の進め方です。

議員定数

衆議院や参議院の議員定数は公職選挙法で規定されています。

参政権

参政権とは、国民が主権者として、直接あるいは代表を通じて、国の政治に参加する権利のことです。

参政権の中には選挙権と被選挙権があります。

選挙権は選挙で投票できる権利のことで、被選挙権は選挙に出馬する権利のことです。

選挙権、被選挙権共に年齢制限があります。

選挙権は満18歳以上、被選挙権の年齢制限は立候補する選挙の種類によって異なります。

選挙の進め方

選挙を滞りなく運営するために、主に4つのルールが定められています。

①選挙区の区割り

どこを境界線にして選挙区を分けるかということや、各選挙区の議員定数が公職選挙法で決められています。

②選挙の方式

公職選挙法で定める選挙の方式には2種類あります。

「選挙区制」は人を選ぶ制度で、「比例代表制」は政党を選ぶ制度です。

この両方の選挙法を取り入れることで、国民にとって利益になる多様な人材を選ぶことができるとされています。

③選挙期間

各選挙の公示日や選挙期間について定めています。

④選挙運動のルール

金品の授受の禁止や訪問の禁止、ポスターやビラに関することまで細かいルールが設定されています。

いわゆる「公職選挙法違反」とはこのルールに従わなかったことを指しています。

公職選挙法の主な改正の歴史

公職選挙法は1950年に制定以来の長い歴史があり、その間の世情やニーズの変化に応じて改正を重ねてきました。

ここではその中でも主要な改正のポイントを紹介します。

比例代表制の導入(1982年)

比例代表制とは、各政党が獲得した投票数に比例して候補者に議席を配分する選挙制度です。

比例代表制には死票を減らし、少数意見を反映しやすいというメリットがあります。

公職選挙法の改正によって1982年に参議院議員選挙で、1994年に衆議院議員選挙で導入されました。

インターネット選挙の解禁(2013年)

インターネットの普及に伴って、2013年4月に公職選挙法が改正されました。

この結果、有権者は、ホームページ、ブログ、SNS、動画共有サービス、動画中継サイトなどの「ウェブサイト等」を利用して特定の候補者の応援を呼びかけることができるようになりました。

ただし、電子メール(SMTP方式及び電話番号方式)を利用した選挙運動は禁止されています。 

選挙権を満18歳に引き下げ(2014年)

諸外国に歩調を合わせ、若者の政治離れに歯止めをかける狙いで、2016年6月に法改正されました。

その結果、満20歳以上とされてきた選挙権年齢が満18歳以上に引き下げられました。

公職選挙法の代表的な禁止事項5つ

公職選挙法で禁止されているのは主に以下の5つです。

寄付

有権者と候補者の間で、金品の授受を行うことはできません。

寄付することはもちろん、結婚式でご祝儀を渡すことや飲食物の差し入れ等も違反とみなされます。

事前運動

事前運動とは選挙公示前に選挙運動を行うことです。

選挙運動は告示日(公示日)から選挙期日の前日までの間で可能です。

戸別訪問

戸別訪問とは、選挙運動の目的で戸別に有権者の家などを訪問することです。

候補者はもちろん、候補者を支援する人が有権者に戸別訪問することも禁止されています。

理由は、買収や利害誘導といった不正行為が行われる可能性があるためです。

飲食物の提供

選挙運動中に候補者が飲食物を提供することはできません。

また、有権者が候補者に陣中見舞いとして飲食物を届けることもできません。

ただし、日常用いられる程度の湯茶や、お茶うけ程度の菓子、果物などは認められています。

文書の配布

選挙用の表示のないハガキの送付や、規定枚数以上のビラを配布することなどは違反となります。

お金のかかる選挙の原因となりやすく、公職選挙法では選挙の校正、候補者間の公平を確保するため一定の規制を行っています。

文書には、年賀状や暑中見舞いのような挨拶状も含まれます。 

公職選挙法を違反すると

公職選挙法を違反した場合、犯罪として処罰されます。

罰金・禁錮・懲役などの刑が課せられることがあり、また当選無効・選挙権の停止といった処置を取られる場合も。

公職選挙法は立候補者だけでなく、選挙事務所の関係者や有権者にも適用されるため注意が必要です。

公職選挙法違反の事例 

公職選挙法は制定から70年以上経過しており、現代の実態にそぐわない面も多くあると言われています。

また解釈によって違法とも合法ともとれるような表現もあることから、抜け穴の多い法律と評されることもあります。

そのような中でも明確に違法との判決が出た事例をこちらの記事で紹介しています。

自民党衆院議員公設秘書の香典配布問題

菅原一秀経済産業相(当時)が2017年から2019年の間に、選挙区内の18人に故人の枕もとに供える花(計17万5千円相当)を贈ったほか、9人に対する香典(計12万5千円)を秘書に代理持参させた事件です。

菅原氏は2021年6月に議員を辞職。

翌月に公職選挙法違反(寄付行為)の罪で罰金40万円、公民権停止3年の略式命令を受けています。

宇都宮市議会の桜井啓一議長らの法定外文書の配布問題

「我が母校の式典に、来賓として知事をお迎えできるよう、ご支援とご協力をお願いします」などという内容の文書を昨年の知事選告示前、福田富一知事への投票を呼びかける目的で送った宇都宮市の元市議会議長や元市議ら3人が略式起訴されています。

まとめ

公職選挙法は制定から60年以上経っています。

過去に何度も改正は行われてきたものの、未だに実態とそぐわない点も数多くあります。

グレーゾーンも広いので、多様に解釈できてしまう一方で、違反者には厳罰が課されるため注意が必要な法律です。

選挙に出馬する候補者やその関係者は事前に公職選挙法についてよく理解しておくことが重要です。

 

<参考文献>

総務省「インターネット選挙運動の解禁に関する情報」

かるび勉強部屋「公職選挙法とは?意外と幅広いその内容を簡単に…!」」

政治ドットコム「公職選挙法とはどんな法律?違反するとどうなるの?」

選挙立候補.com 「公職選挙法とは」

ウィキペディア「公職選挙法」

選挙LABO「公職選挙法をわかりやすく解説!選挙のルールを知ろう」

選挙違反とその罰則

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