国務大臣とは、内閣総理大臣(首相)とともに内閣を構成する閣僚です。
国務大臣はどのように選ばれるのでしょうか。また、国会議員でなければ閣僚に就任できないのでしょうか。
内閣の仕組みや閣僚の仕事に加え、2026年5月現在の国務大臣一覧も掲載しています。
国務大臣(閣僚)とは
国務大臣は首相を除く大臣で、内閣を構成する閣僚です。法務大臣や厚生労働大臣など、各省庁の最高責任者でもあります。いずれの行政機関にも属さない「無任所大臣」もいます。
選び方や人数
国務大臣の任命方法は、日本国憲法で以下のように定められています。
第六十六条 内閣は、法律の定めるところにより、その首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣でこれを組織する。
② 内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。
③ 内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。
第六十八条 内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。但し、その過半数は、国会議員の中から選ばれなければならない。
② 内閣総理大臣は、任意に国務大臣を罷免することができる。
引用元:日本国憲法
国務大臣は首相によって任命される仕組みです。首相と国務大臣は「文民」、つまり「軍人でない者」でなければならず、これをシビリアン=コントロール(文民統制)といいます。文民とは、日本においては現役自衛官以外の人を指すとされています。首相は国務大臣を罷免することも可能です。
内閣法によって国務大臣の人数は14人以内とされていますが、特別に必要な場合は3人まで増員できます。さらに2026年5月現在は復興大臣が置かれているため、合計18人です。
組閣・内閣改造とは
首相を含む閣僚が一斉に辞職する内閣総辞職の後、国会の議決によって首相が指名されます。そして首相が新たに大臣を選考、任命することを「組閣」といいます。
一方で内閣総辞職はせず、首相以外の閣僚の全部または一部を交代させることが「内閣改造」です。
内閣改造について、以下の記事も参考にしてください。
【関連記事】内閣改造とは?実施される背景や組閣との違いについて理解しよう!| スマート選挙ブログ
国会議員以外も大臣になれる?過去の事例も
憲法68条では、国務大臣の過半数は国会議員でなければならないとしています。つまり、過半数以下であれば国会議員ではない人が就任することも可能です。国会議員ではない国務大臣を「民間人閣僚」などと呼びます。
2022年7月の参議院選挙では、当時農林水産大臣だった金子原二郎氏と国家公安委員長だった二之湯智氏が出馬せず、7月25日に参議院議員の任期満了を迎えました。
任期満了から8月10日の内閣改造によって大臣を退任するまでの間、2氏は民間人閣僚でした。
過去の内閣でも民間人閣僚の事例があります。
小泉純一郎内閣で2001年から経済財政政策担当大臣などを務めた竹中平蔵氏は、2004年に参院選で当選し議員になるまで、民間人閣僚でした。
2012年の民主党(当時)野田佳彦内閣では、森本敏氏が民間人初の防衛大臣に任命されて話題になりました。
国務大臣の仕事
国務大臣の主な仕事は、閣議で国政全般を討議することと、担当省庁の最高責任者として行政事務を分担管理することです。
閣議とは
閣議とは、内閣が意思決定を行うために開く会議です。首相が主宰し、閣僚全員が出席します。
閣議の種類は、定例日に開かれる「定例閣議」と緊急を要する時に開かれる「臨時閣議」です。早急な処理が必要な場合は、閣議書を持ち回って各大臣の署名を集めて閣議決定とする「持ち回り閣議」もあります。
閣議についての詳細は、以下の記事がおすすめです。
【関連記事】「閣議」は内閣意思決定のための会議!その重要な役割とは? | スマート選挙ブログ
無任所大臣とは
首相や各省大臣や内閣官房長官、防衛庁長官など特定行政機関の長を除く、いずれの行政機関にも属さない閣僚を一般に「無任所大臣」といいます。内閣官房長官や、内閣府特命担当大臣がこれに該当します。
2026年5月現在(第2次高市内閣)の国務大臣一覧
2026年2月に衆議院議員総選挙が実施され、第2次高市内閣が発足しました。4カ月前に発足した第1次高市内閣と全て同じ閣僚が再任されました。
2026年5月時点の首相と閣僚の一覧は以下の通りです。
- 内閣総理大臣:高市早苗氏
- 総務大臣:林芳正氏
- 法務大臣:平口洋氏
- 外務大臣:茂木俊充氏
- 財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融):片山さつき氏
- 文部科学大臣:松本洋平氏
- 厚生労働大臣:上野賢一郎氏
- 農林水産大臣:鈴木憲和氏
- 経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構):赤澤亮正氏
- 国土交通大臣:金子恭之氏
- 環境大臣・内閣府特命担当大臣(原子力防災):石原宏高氏
- 防衛大臣:小泉進次郎氏
- 内閣官房長官:木原稔氏
- デジタル大臣・内閣府特命担当大臣(サイバー安全保障):松本尚氏
- 復興大臣:牧野たかお氏
- 国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(防災 海洋政策):あかま二郎氏
- 内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策 消費者及び食品安全 こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画 地方創生 アイヌ施策 共生・共助):黄川田仁志氏
- 内閣府特命担当大臣(経済財政政策 規制改革):城内実氏
- 内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略 知的財産戦略 科学技術政策 宇宙政策 人工知能戦略 経済安全保障):小野田紀美氏
まとめ
- 国務大臣とは首相を除く閣僚で、内閣を構成する
- 国務大臣は首相によって任命・罷免される
- 2026年5月現在の閣僚は18人
- 国会議員以外が国務大臣に就任する「民間人閣僚」も可能だが、過半数は国会議員でなければならない
- 国務大臣の主な仕事は閣議で国政全般を討議することと、担当省庁の最高責任者として行政事務を分担管理すること
<参考>
『政治・経済用語集 第2版』山川出版社、2019
「内閣制度の概要」首相官邸(閲覧日2026/05/06)
「第2次高市内閣 閣僚等名簿」首相官邸(閲覧日2026/05/06)
「国務大臣の話」参議院法制局(閲覧日2026/05/06)
「第2次高市内閣が18日発足、全閣僚再任へ 積極財政・安保強化を推進」日本経済新聞(閲覧日2026/05/06)
「「官から民へ」の挑戦 小泉首相vs族議員」日本経済新聞(閲覧日2026/05/06)
「野田佳彦前首相「藤村さんにだけ相談した」」日本経済新聞(閲覧日2026/05/06)
「金子氏ら2氏「民間人閣僚」 参院議員任期満了」毎日新聞(閲覧日2026/05/06)
