「基本的人権についてわかりやすく教えてほしい」
「基本的人権の尊重って何?」
「人権思想の歴史について知りたい」
基本的人権は人が生まれながらに持っていて、誰からも侵されない権利で、日本国憲法の3つの基本原理の1つです。
本記事では基本的人権とは何なのかをわかりやすく解説。基本的人権の尊重や4つの基本的人権について、また、人権思想が確立された歴史についても触れています。
基本的人権とは
基本的人権とは人が生まれながらにして持っており、誰からも侵されない権利のことです。自由権、平等権、社会権、参政権に分けられます。
日本国憲法の3つの基本原理である「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」のうちの1つです。
日本国憲法第11条で、基本的人権の保障について定められています。
第十一条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。
人権思想の確立
人権という考え方は、人類の長い歴史の中で確立されてきました。
その始まりは1215年、イギリスで国王の権限を制限した憲章「マグナ・カルタ」といわれています。マグナ・カルタでは国王が議会の承認なしに新たに課税したり、国民の身体の自由を奪ったりしないことなどが決められました。
1789年にはフランスで人権宣言が発布され、主権は国王ではなく国民にあることを宣言、「人は生まれながらに自由であり権利において平等である」と謳っています。
アメリカの独立宣言にも「人はみな平等で譲ることのできない権利が与えられている」と記されています。
日本では第二次世界大戦後に制定された日本国憲法の中で、基本的人権の尊重について明文化されました。
人権思想は世界共通の理念ですが、その意識は年々多様化しているともいわれています。
基本的人権の尊重とは
基本的人権の尊重とは、人が生まれながらにして持つ権利「人権」を尊重することです。
日本国憲法第11条では、基本的人権を「侵すことのできない永久の権利」として国民に与えられると宣言しています。
また第25条では生存権を保障し、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と記しています。
第二十五条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
4つの基本的人権
日本国憲法で保障されている基本的人権は、次の4つの権利に分けられます。
- 自由権
- 平等権
- 社会権
- 参政権
それぞれ解説します。
自由権
自由権は、自由に生きることが保障される権利です。この権利によって、以下のようなことができます。
- 自由にものを考えられる
- 自由に出版できる
- 自由に発表できる
- 自由に好きな場所に旅行できる
平等権
平等権は、以下のようなことに関係なく、全ての人が等しい扱いを受けられる権利です。
- 性別
- 年齢
- 職業
- 出生地
社会権
社会権は、人間らしい豊かな生活が保障される権利です。この権利によって、以下のようなことができます。
- 病気などで生活に困った人が支援を受ける
- 無償で義務教育を受ける
参政権
参政権は、政治に参加する権利です。選挙権や被選挙権、公務に就く権利などが保障されています。
【関連記事】選挙権とは?年齢や住所のルール、参政権の歴史も解説
まとめ
本記事では基本的人権について解説しました。
- 基本的人権は、人が生まれながらに持ち、誰からも侵されない権利
- 日本国憲法の3つの基本原理のうちの1つ
- 人権思想の始まりはイギリスの「マグナ・カルタ」だといわれている
- 基本的人権は自由権、平等権、社会権、参政権に分けられる
<参考>
基本的人権とは | NHK for School
人権の歴史 | NHK for School
基本的人権とは-中学 | NHK for School
最終閲覧日は記事更新日と同日