三権分立とは?仕組みや各機関の役割をわかりやすく解説

三権分立とは?仕組みや各機関の役割をわかりやすく解説

国家の権力を分散させることで、権力濫用を防ごうとする「三権分立」。

授業で聞いたことはあるけど、仕組みを忘れてしまったり、理解が曖昧だったりする方は多いでしょう。

この記事では、三権分立の仕組みや各機関の役割についてわかりやすく解説します。

三権分立の仕組み

国家権力を複数の機関に配分し、権力の暴走を阻止しようとする考え方を権力分立といいます。

権力分立の代表例が三権分立です。

三権分立では、国家権力を立法権・行政権・司法権の三つに分けて考えます。

  • 立法権法律を作る権力
  • 行政権法律に基づき政治を行う権力
  • 司法権法律違反を裁く権力

これら三つの権力が相互に抑制し合い、均衡を保つことで国家権力の濫用を防止し、国民の権利・自由を保障するのが三権分立の仕組みです。

三権分立の歴史

三権分立の考え方は、フランスの思想家シャルル・ド・モンテスキューが著書『法の精神』(1748年)の中で体系化しました。

世界で初めて三権分立を規定したのが、アメリカ合衆国憲法です。(1787年)

日本においては、1947年に施行された日本国憲法の中で、三権分立が盛り込まれました

今日では、民主政治の基本原理として、多くの国で取り入れられています。

日本における三権分立の体制

日本の場合、立法権を「国会」、行政権を「内閣」、司法権を「裁判所」が担当しています。

ここでは、それぞれの機関の関係性を詳しく見ていきましょう。

国会(立法権)

立法権を担当するのが国会です。

国会は、衆議院と参議院から成り、国民から直接選挙で選ばれた国会議員で構成されます。

国会と内閣、および国会と裁判所には以下のような関係があります。

<内閣との関係>

  • 内閣総理大臣の指名:内閣総理大臣は、国会が国会議員の中から指名する(任命は天皇が行う)
  • 内閣不信任決議:内閣の退陣を求める内閣不信任の決議ができる

<裁判所との関係>

  • 弾劾裁判:ふさわしくない裁判官を辞めさせるかどうかを裁判する「裁判官弾劾裁判所」を設置している

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内閣(行政権)

行政権を担当するのが内閣です。

内閣は、内閣総理大臣と外交や財政など各分野を代表する国務大臣で構成されます。

内閣と国会、および内閣と裁判所には以下のような関係があります。

<国会との関係>

  • 衆議院の解散:内閣は衆議院の解散権を持つ
  • 国会の召集:常会、臨時会、特別会の召集は内閣が決定する

<裁判所との関係>

  • 最高裁判所長官の指名:最高裁判所長官は、内閣が指名する(任命は天皇が行う)
  • 裁判官の任命:裁判官は、内閣が任命する

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裁判所(司法権)

司法権を担当するのが裁判所です。

裁判所には、憲法により設置された最高裁判所と、法律により設置された下級裁判所(高等裁判所・地方裁判所・家庭裁判所・簡易裁判所)が存在します。

裁判所と国会、および裁判所と内閣には以下のような関係があります。

<国会との関係>

  • 違憲立法審査:裁判所は、国会が制定した法律が憲法に反していないかを審査する権限を持つ

<内閣との関係>

  • 命令・処分などの適法性審査:裁判所は、内閣が制定した命令や行政処分の違憲性・違法性を審査する権限を持つ

まとめ

この記事では、三権分立の仕組みや歴史、各機関の役割について解説しました。

  • 三権分立は、国家権力を立法権・行政権・司法権に分け、互いにバランスを保つことで権力濫用を防止する仕組み
  • 日本では、1947年に施行された日本国憲法の中で三権分立が規定された
  • 立法権を国会、行政権を内閣、司法権を裁判所が担当している

 

 

<参考>

衆議院 | 三権分立
参議院 | 国会のしくみ
首相官邸きっず | 三権分立って何?
政治ドットコム | 三権分立とは?3つの権力について簡単解説
朝日新聞デジタル | モンテスキュー「法の精神」 三権分立や法の支配の源流?

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