自民党総裁選2024!新総裁は内閣総理大臣?仕組みを簡単に解説

自民党総裁選2024!新総裁は内閣総理大臣?仕組みを簡単に解説

岸田首相の自民党総裁としての任期3年が9月末で満了するため、自民党総裁選挙が秋に実施されます。

自民党総裁選挙はあくまで自民党内部で党首を決める選挙のため、一般国民に投票権はありません。

この記事では、一般国民に投票権がないにもかかわらず、注目される理由、そもそも自民党総裁選とはどんな役職なのか、総裁選挙の仕組みや、過去の総裁選挙についてもわかりやすく解説します。

自民党総裁と内閣総理大臣の違い

自民党総裁とは自民党(正式名称:自由民主党)の党首のことです。

自民党は1955年の結成以来、大部分の期間で国会で議席数の過半数を占め、政権を担ってきた与党です。そのため、自民党のトップである自民党総裁の多くは内閣総理大臣を務めてきました。

つまり、自民党総裁が誰になるかということは次の内閣総理大臣が誰になるかということと強く関係します。そのため、自民党総裁選挙は注目されるのです。

【関連】55年体制とは?発足から崩壊の歴史をわかりやすく解説 | スマート選挙ブログ

総裁の任期は自民党の党則で定められており、2017年以降は1期3年、連続3期までです。

自民党総裁選挙の仕組み

そもそも、自民党総裁とは自民党(正式名称:自由民主党)の党首のことです。

出馬の条件

自民党総裁選挙に立候補できるのは自民党所属の国会議員のみです。

加えて、立候補したい議員は自分を支持してくれる推薦人を20人、党所属の国会議員の中から集める必要があります。

投票

投票権を持つのは、自民党所属の国会議員と党員・党友のみです。

自民党総裁選挙はあくまで自民党内部の党首を決める選挙のため、一般国民には投票権はありません。

党所属の国会議員による議員投票 と党員・党友による党員投票は扱われ方が異なります。

議員投票

議員投票では、衆議院または参議院に議席を持つ自民党所属の国会議員が1人1票、無記名で投じます。

2024年総裁選挙では衆議院253人、参議院114人の、合計367人が投票権を持ちます。

党員投票

党員投票で投票権を持つのは、総裁公選規程により、日本国籍を持つ、20歳以上の、前2年の党費・会費を納めた、党員・自由国民会議会員・国民政治協会会員及び、今回の特例措置により、18歳・19歳を含む、前年に新たに党費・会費を納入した党員等です。

今回の2024年総裁選挙では、全国でおよそ109万人がこの投票権を持ちます。

党員票は、各都道府県連が集計した得票数を党本部でまとめ、ドント方式で国会議員票の総数と同数の票が候補者に配分されます。

※ドント方式とは、衆議院・参議院選挙の比例代表制で、各党に議席を配分する際にも用いられる議席割り当てのための計算方法のひとつです。 

【関連】比例代表制ってどんな仕組み?メリット・デメリットは?わかりやすく解説 | スマート選挙ブログ

決選投票

最初の投票で過半数を得た候補者がいなかった時に、上位2名の候補者により決選投票が行われます。

最初の投票と異なる点は、党員票の扱われ方です。

国会議員票がそのまま1人1票であるのに対し、党員票は都道府県支部連合会に各1票を割り振り合計47票に圧縮されます。

決選投票では、党所属の国会議員の意思がより重く扱われるのです。

自民党総裁選2024

ここでは、今回の自民党総裁選の状況について解説します。

自民党総裁選2024の日程

2024年総裁選の日程は、9月12日(木)が立候補の受け付けが行われる告示日、9月27日(金)が、新しい総裁が決まる投開票日となっています。

総裁公選規程では、選挙期間は12日間以上と定められており、今回の15日間は、現在の規程が設けられてから最長です。

自民党総裁選2024の注目点

今回の総裁選では、現職の岸田総裁が出馬しないことを表明しています。そのため、自民党総裁選後に、岸田内閣は総辞職、新しく当選した総裁を内閣総理大臣として、新内閣が発足する予定です。

【関連】内閣総辞職がおきる条件とは?4パターンを前例とともにわかりやすく解説

また、衆議院議員の任期満了日は2025年10月30日であり、残り1年ほどです。衆議院は、内閣総理大臣の判断により、任期満了日を待たずに解散させることができます。

そのため、自民党総裁交代による新内閣の発足で、政治情勢を鑑み、衆議院が早期に解散したり、また、自民党総裁選挙において、衆議院議員総選挙を見据え、衆院選で自民党に票を集めることができそうな総裁選候補者が支持されたりすることが考えられます。

【関連】衆議院にはどのような解散がある?解散の仕組み・理由もご紹介

過去の総裁選

ここでは、直近3回の総裁選を紹介します。

2018年9月20日総裁選挙

2017年に、連続2期までとしていた党則が連続3期までに変更されたため、安倍総裁(当時)が連続3期目を目指して出馬しました。他の候補者は、石破茂氏1人でしたが、安倍総裁(当時)が連続3期目の当選を果たしました。

2020年9月14日総裁選挙

安倍総裁(当時)が持病の悪化を理由に、任期途中で辞任したため、後任を決めるための総裁選が実施されました。出馬したのは、菅義偉氏、岸田文雄氏、石破茂氏の3名でした。結果は、安倍政権で官房長官を務めていた菅義偉氏が当選、菅政権が誕生しました。

【関連】「内閣官房」ってどんな場所?その幹部や役割をくわしく紹介! | スマート選挙ブログ

2021年9月29日総裁選挙

2021年総裁選挙は、その前回の2020年総裁選挙が安倍元総裁の任期途中での実施であったため、安倍元総裁が3期目に選出された前々回の2018年から数えて3年として行われました。

現職だった菅総裁(当時)は出馬せず、岸田文雄氏・河野太郎氏・高市早苗氏・野田聖子氏の4名が立候補しました。

最初の投票では、過半数を得た候補者はおらず、1票差で接戦となった岸田氏と河野氏で決選投票が行われました。決選投票では、岸田氏が勝利し、総裁となりました。

一般国民はどう関わる?

党員・党友以外に投票権はありませんが、決して他人事ではありません。なぜなら、事実上、次の日本の内閣総理大臣を決める選挙であるからです。

総裁選までの間、候補者同士の討議や会見は何度も行われます。

前回の2021年総裁戦で自民党が初めて企画した「国民の声に応える政策討論会」では、抽選で選ばれた一般国民がオンラインで候補者に対して、質問できる機会も設けられました。

また、近年は各候補者によるSNSでの活動も活発化しているので、SNS上で候補者とやりとりできる機会もあるかもしれません。

まとめ

  • 投票権を持つのは、自民党所属の国会議員と党員・党友のみ。
  • 自民党総裁選挙が大きく注目される理由は、事実上、日本の総理大臣を決める選挙だから。
  • 現職の岸田総裁が不出馬表明のため、内閣総理大臣が交代になる。
  • 新しい総裁が決まる投開票日は、9月27日(金)。

国民の大部分が投票権を持たない自民党総裁選挙ですが、その過程ではさまざまな政治的議題が議論されます。もちろん結果も気になりますが、その過程にも注目してみてください。

 

<参考文献>

総裁公選の仕組み 2024年版
自民 総裁選向け選管委員決定 来月に選挙日程決定する見通し | NHK
自民党総裁選「規定変更せず」 委員長に逢沢一郎氏 | 毎日新聞
国会議員検索 | 議員 | 自由民主党
[自民党総裁選]2000年以降の投票結果プレーバック
[総裁選2020]第26代総裁に菅義偉氏 無派閥から初めて選出
自民党総裁選挙2021 争点・政策
【解説】岸田首相 退陣へ 自民総裁選どうなる?動き本格化へ
自民党総裁選の仕組みは? 9月12日告示、27日投開票に決定 前回との違いは?
自民党総裁選 9月12日告示 27日投開票 期間はいまの規程で最長

最終閲覧日は記事更新日と同日

タイトルとURLをコピーしました